ブログに使う数コマ漫画用に背景や細かい小物を描かなければならないんですが、超めんどうくさい・・(^^;
ネームとキャラクターを描くまではいいんですが、背景や細かい小物は描くのが大変な上に読者からあまり見られない・・けど背景や小物がないと読者に伝わらないという厄介さ。
おまけにクオリティーの低い背景や小物は手抜き感が出まくるという・・。
なので、今回はマンガの背景や小物の描画をラクにしてくれる「Metasequoia4(メタセコイア4)」という買い切りの3Dモデリングソフトを購入してみました。
じつは以前、メタセコイア4の無料版は触ったことがあります↓

今回は本格的に使いたかったので有料版を購入。今まで触ったことのある3Dソフトと比較しながら改めて紹介します。
・Metasequoia4とは?(かんたん解説)
・筆者がMetasequoia4を購入した理由
・BlenderやLightwave3Dと比較してどうか?初心者向け?
・Metasequoia4のメリット、デメリット
・お絵描きソフトのクリスタと連携できる?
※以下の情報は2025年7月時点のものです
Metasequoia4(メタセコイア4)とは?かんたん解説

※以下、Metasequoia4→メタセコイアとします
・3Dモデリングソフト
・初心者向けで わかりやすい
・初心者向けだが、モデリング機能は豊富
・パソコンのスペックが高くなくても使用可能→ミドル弱のパソコンスペックでも可
・レンダリング機能はあるが、アニメーション機能はない
・有料版と無料版がある(無料版は機能が制限されている)
・メタセコイアで作ったデータをクリスタ(CLIPSTUDIO)に読み込むことができる
・初心者向けに無料のメタセコイア講座がある
メタセコイアは、モデリング(形作り)特化の3DCGソフトです。
1枚絵の書き出し(レンダリング)は可能ですが、メタセコイアだけでアニメーションを作ったり、動画編集したり、テクスチャを作ったりはできません(別のソフトで作ったテクスチャを貼りつけることはできる)。
※テクスチャとは「質感画像」のことです。たとえば、上記画像のよう無地の四角いポリゴンに数字の画像を貼り付けて、サイコロを作ったりできます。
モデリング用のツールなどもアイコンと文字で表示されており、初心者でも直感的に理解しやすいです(初心者向けモード・上級者向けモードがあります)。
筆者はメタセコイアの他に2つの3Dソフトを使ったことがありますが、モデリングに関しては必要機能は十分そろってると思います。
パソコンの推奨スペックは、
OS:Windows 11またはWindows 10 64bit
CPU:Intel Coreまたは同等性能のCPU
メモリ:8GB以上
モニター:1280×1024ピクセル以上の解像度
・・となっています。PCはロースペック強・ミドル弱~で動くようですね。

・・というか3Dソフトなのにグラボも必要ないのは地味にすごい
ちなみに筆者のPCは2025年6月ごろに新しくした最新ミドルスペックPCですが、ポリゴンを多くしてもサクサク動作しています。
メタセコイアとクリスタがタイアップした(?)講座があり、初心者は そこで基本操作から簡単なモデリング~上級者向けモデリングを学ぶことができる↓
https://howto.clip-studio.com/library/categories/view/metasequoia
※ただし、講座内で紹介されているメタセコイアのバージョンが古いため、ツールの位置やショートカットキーがやや違う点が難点です(^^;
無料版と有料版の違いはこちらの公式サイトから↓
https://www.metaseq.net/jp/feature/version/
商業向けじゃない趣味程度の漫画に使うぶんには無料版でも良さそうです。
2025年7月時点では・・
有料版はEXのみ:12100円(買い切り)
となっています。



ちなみに2~3年前には「スタンダード版」と「EX版」に分かれており、それぞれ5500円と20350円だったようだね
購入場所など~楽天ユーザーは楽天市場で買うとポイントが多めに付く


(コピー用紙にシリアルIDとパスワードなどが書かれている)
購入場所:楽天市場
価格:12100円(公式サイトと同価格)
筆者は楽天モバイルや楽天口座、楽天カードなどを利用しているので、上記の店舗から購入して楽天ポイントが約800ポイントほどもらえました(^^)
楽天市場は こちらで販売しているようです↓
一応、公式サイトに問い合わせして、上記の店舗は正規の販売店なのかどうかの確認もしました。
株式会社テトラフェイス(メタセコイア公式)の回答は、正規販売店舗とのことです。



楽天ユーザーなら、公式サイトで買うより実質的にはお得ってことだね
余談ですが、わざわざプリントでライセンス証が送られてくる謎・・
もしかすると楽天市場では発送実績みたいなのが必須なのかもしれませんが、わざわざ送料をかけてシリアルIDやパスワードが記載されたプリントを送ってくるのはどうかと。
メール等で やり取りした方が速いし、出品者は費用も節約できるのになぁと思いました(^^;
筆者がMetasequoia4を購入した理由→1番は漫画用途に合っているから


・マンガに使う背景や小物描画の手間を減らしたかった
・1枚絵の背景や小物にも使えそうだから
・透視図法を考えるときにラクだから
・現状アニメーションはしない予定だから
・作った素材をクリスタで売ることもできる
前の方でも書いていますが、一番の理由は漫画に使うためです。
現在では多くのプロ漫画家さんが3D素材を活用されています。
過去、二次創作用の1枚絵にクリスタに入っている3D小物を使いましたが、絵を見てくれた方には「手描き?」と勘違いされるほどクオリティー的にも悪くない感じでした。
ただ(マンガ用背景や小物は別として)1枚絵だと そこそこのクオリティーが求められるので、3D素材+自分で加筆修正は必要かなと思いました。



少し目が肥えてる人なら3D素材だと一発でバレますので、3D素材を加筆修正して3Dっぽさを消す作業は必要かもしれません
背景やキャラ、小物が入ってるコマや1枚絵を描くときは、透視図法を意識しないと絵に違和感が出てしまいます。
そして、この透視図法というのは理解するのが結構難しい・・(^^;
3Dの背景や小物を使えば、正しい透視図法の背景や小物を設置→その透視図法にキャラを合わせるだけなので作画が大分ラクになると思います。



ビルや建造物がいっぱいの背景もそうだけど、自転車とか銃とかも透視図法に合わせた作画は大変だよね(特にフカンやアオリみたいな角度がついてると)
メタセコイアはあくまでモデリングソフトなので、「アニメーションを作りたい!」みたいな用途には向いていません。というかアニメーション機能がありません。
メタセコイアでモデリングしたデータをほかのアニメーションソフトに読み込むことは可能かもしれませんが・・。
アニメーションもお安く作りたい場合は、世界でも使ってる人が多いBlenderがいいのかもしれません。ノウハウや関連書籍もいっぱいありますしね。
※筆者がBlenderを使わなかった理由は後述します
作った3D素材はクリスタで売ることも可能です。ただし審査があります。
筆者は素材を売る等は考えてないですが、一応こういうメリットもあるということで紹介させていただきました。
【練習と実践】いくつか小物や背景を作ってみた
メタセコイアとクリスタがタイアップした講座で勉強したものです。
・バッドをモデリング


まず、簡単なモデリングをして、ツールの種類や感覚をつかむ練習です。
デフォルトで入ってる基本図形から削ったり、拡大縮小、質感を変えて作成しました。
・フライパンとワイングラス


「面張り」や「ミラーリング」を学びました。
平面の2~3面図からトレースモデリングする方法、左右対称のものを作るときは半分だけモデリングして、ミラーリング(鏡面コピー)できるという時短テクニックです。
面張りは下絵を点でなぞって線でつなげて、押し出して立体を作る方法です。
Lightwaveと比べて、スムージングを使ってなくても滑らかな曲面になるのがメタセコイアの特徴ですね。
・西洋の剣


こちらも2~3面図からトレースして作りました。
あとは金属っぽい質感を追加。反射や映り込み、不透明度などもメタセコイア上で変えられます。
・サイコロ


UVテクスチャといって、モデリングしたデータに画像やイラストを貼り付けることができます。
メタセコイアで正方形ボックスを作成して、サイコロの数字を貼り付けました。
UVテクスチャを貼り付ける方法は2種類あって・・
①貼りたい箇所に素材を指定して貼る方法(サイコロの例だと、1~6まで6個素材指定が必要になる)
②マッピング機能を利用して貼る方法(1枚絵のどの箇所の素材を貼るか指定する)
・・の2種類がある。
①の方法は簡単ですが、素材欄がたくさんになったり対象物の形状によっては上手くいかない場合もあります。上手くいかない場合はUVマッピングを使って貼りつけていく。


ほかには「球状」や「筒状」貼り付けなどの指定もできます。
適したものなどの一例↓
球状(丸いもの):地球儀やサッカーボールに柄を貼り付ける
筒状(筒状に近いもの):缶ジュースや瓶ビールなどにラベルを貼り付ける
・日本刀
面張りが中々理解できなくて
テクスチャを貼ったもの↓


日本刀のモデリングとUVテクスチャ貼りの練習です。
今回は時間がなかったので、ほぼ「焼き込み」という機能を使って無理やり張り付けています(拡大すると粗があるかも?)。
ついでにクリスタで漫画に使う用に、クリスタ用の3Dデータ(.lwo)で保存。
クリスタでLT変換(白黒+トーン)も試してみました↓


漫画で使うぶんには問題なさそうなクオリティーですね(^^)
実践:講座にないモデリングをしてみた→武器と背景
本当はまだ勉強が2/3くらい残っていたんですが、時間がなくなってきたので今まで習ったことを使ってモデリングからテクスチャ貼りまで試してみました。
※筆者は過去にBlenderやLightwaveは触っているので、その知識+今まで習ったメタセコイアの知識という感じです
両方、マンガに使う予定の小物と背景。
・クロスボウ


漫画に使う予定のクロスボウをモデリングしました。
メタセコイアの講座では2面図からトレースという方法が多かったんですが、今回はボックスや筒を削ったり、押し出したりしてモデリングしています。
質感などはフリー素材を活用させてもらっています。
クリスタに3D素材として読み込むより、メタセコイア上でレンダリング→クリスタでLT変換した方がクオリティ的には高いです↓
白黒マンガ風に組み合わせてみるとこんな感じです。
絵柄によっては違和感が出ますね・・(^^;もうちょっとリアルよりな絵柄にするか、クロスボウをデフォルメよりにした方がよさそう↓


・学校の廊下


こちらも漫画に使う予定の背景です。
やはりライティング設定ができた方が便利だなぁという印象・・(^^;
ライティング設定ができると、光の当たり方・強さ・方向などが変えられるので。
後にメタセコイアで作ったデータをBlenderに読み込んで、ライティング設定も試してみる予定です。
追記:筆者がBlenderの使い方をすっかり忘れてしまっていたので、カメラ設定は何とかできましたが、ライティング設定が上手くいきませんでした(^^;↓
マンガっぽくしてみました↓


クリスタに読み込んでLT変換する場合は、メタセコイア上で線画を太めにした方が良さそうです。
筆者は線の太さ0.5でやったら、線が途切れ途切れになってしまいました・・(^^;
あと、メタセコイアで作った素材をクリスタの3D素材として読み込むと、若干のクオリティーダウンが起こります。
上記のような背景ならメタセコイアで1枚絵をレンダリングして使った方がいいかもしれません。
Metasequoia4はBlenderやLightwave3Dと比較してどうか?初心者向け?


Blender→https://www.blender.org/download/
Lightwavw3D→https://www.dstorm.co.jp/lw3d/
Metasequoia4→https://www.metaseq.net/jp/
全部のソフトを触ってみての筆者の主観です。
Blender | Lightwave3D | メタセコイア | |
難易度 | 高 | 中~高 | 低 |
価格 | 無料 | 119680円~ (他にはアップグレード版や学生・教員版がある) ※学生・教員版は定価の半額以下で買えます | 無料~12100円 |
機能の豊富さ (モデリング&アニメーション含む) | 多い | やや多い | 少ない |
総合ソフト? | Yes ・モデリング ・アニメーション ・エフェクト ・細かいカメラ&ライティング設定 | Yes ・モデリング ・アニメーション ・エフェクト ・細かいカメラ&ライティング設定 | No ・モデリング特化 |
ノウハウの豊富さ | ・関連書籍が多い ・ネットに情報が多い | ・関連書籍が古い ・ネットに情報が少ない | ・関連書籍が古い ・ネットに情報が やや少なめ |
必要PCスペック | 高い (おそらくアニメーション機能があるため) | 高い (おそらくアニメーション機能があるため) | 低い |
総合点 | 85点 | 65点 | 75点 |
勉強を惜しまない人で、無料で使いたい方はBlender一択ですね。
ただ、筆者的にはBlenderは機能が豊富なぶん、初心者には取っつきにくい感覚がありました(^^;
本当は使い慣れていたLightwaveが良かったんですが、アニメーションしない・趣味で使うには約12万円は高すぎた。
そこで初心者にも優しくて、値段もそこまで高くないメタセコイアを選んだ感じです。
やろうと思えば、メタセコイアでモデリングして、Blenderにモデリングデータを持っていってアニメーションを作る&ライティングやカメラ設定して1枚絵用の背景を作るなんてことも可能ですしね。
※ただし、多少Blenderの勉強が必要
個人的に感じたMetasequoia4のメリット、デメリットまとめ


前の方で書いてる内容と被るものもあります。
個人的なぜいたくをいえば、「細かいライティング」や「カメラ設定」ができると便利でしたね(^^;
一応、筆者は漫画に使う予定ですが、細かいライティングやカメラ設定ができると、一枚絵に背景や小物をそのまま使うか、多少の加筆修正で使うことができるので。
※細かいライティング→たとえば強いライトと弱いライトを対象物のまわりに設置して、プロカメラマンみたいなライティング設定をしたり(メタセコイアでは単一ライトしか設定できなく、スポットライトや面ライト・点ライトなどの種類もない)
あと、Blenderは初心者が扱うには難しいですが、ネット上にノウハウがたくさんあります。
対して、メタセコイアは初心者が直感的に扱いやすいですが、ネット上にノウハウが少ない点。ここがデメリットになりそうです。
勉強は惜しまないけど、お金をかけたくない方はBlender。
勉強に自信がない&モデリングだけできればいい方はメタセコイアという感じですね(おそらく、クリスタとタイアップした講座を一通りやれば大体の操作はマスターできると思います)。
Lightwave3Dは初心者が一から3Dをやるような場合にはオススメしません。
それなりに操作も難しい+ノウハウが少ない+ソフトの値段が高いので。すでに使ったことがあって自分に合っている場合はいいですが・・(^^;
余談:3DCGの生成AIってどうなの?
筆者が お試しで使ってみた感想です。
・簡単に生成できて便利だった
・クオリティーが まだまだ
・著作権問題が心配
・現状、初心者は手が出しにくいかも?(海外サイトのサブスクが多い)
・ノウハウが少ない
上記に あげた問題が解決できれば、便利なツールになることは間違いないと思います。
開発者様には、がんばっていただきたいと思います(^^)
まとめ:メタセコイアは初心者がマンガ用の背景・小物用の描画に使うなら便利&時短できる!


・メタセコイアはアニメーション機能がない&細かいライティング設定ができない
・無料版では機能に制限がある
・初心者でも直感的な操作は可能だが、ネット上にノウハウが少ない
・漫画に使う背景や小物の描画がラク&時短になる
・モデリングしたデータはクリスタで売ることができる(ただし審査がある)
・透視図法を考えるときにラク
まだ本格的に触ってみて1か月も経ってないですが、こんな感想をいだきました。
メタセコイアに関しては、まだ知らない&使ったことがない機能もありそうなので、ほかにも色んなデメリットやメリットが出てくるかもしれません。
モデリング用途(1枚絵や漫画の背景・小物用)ならBlenderより難しくないですし、有料版も買い切りで高すぎるわけでもないのでオススメできます。



作ったモデリングデータをクリスタやココナラ等で上手く売りさばけば、元も取れそうですしね
クリエイターのみなさんの参考になれば幸いです。


インターネット・コンピュータランキング


にほんブログ村