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生きづらさを感じてる人や発達障害&グレーゾーンの人に刺さる泣きゲー【CROSS†CHANNEL-FINAL COMPLETE-をレビュー】

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※本サイトのコンテンツには、商品プロモーションが含まれている場合があります。

色んな方がレビューしてるゲームですが、CROSS♰CHANNELは本当に人をえらぶ作品です。

筆者がCROSS†CHANNELを最初にプレイしたのは20年近く前。PS2版「CROSS†CHANNEL~To all people~」(CERO17歳以上)です。
筆者は普段ゲームでウルっと来るくらいはあっても号泣まではしませんが、このゲームは号泣させられた思い出深い作品。
※筆者のギャルゲ・エロゲ(同人系ふくむ)のプレイ本数は合わせて100本くらいという感じです、ライトユーザーとヘビーユーザーの中間くらいのニワカでしょうか?

そして今回、追加エピソードがあるという「CROSS†CHANNEL-FINAL COMPLETE-」(18禁版)を購入&プレイしてみました。

シナリオライターの田中ロミオ先生は機能不全家庭、発達障害や精神疾患への解像度が高いですね

逆に、発達障害や精神疾患、機能不全家庭などに関わりがない人・興味がない人にとっては意味不明な作品として評価が両極端なんだよね‥

この記事ではCROSS†CHANNEL-FINAL COMPLETE-の感想をネタバレありで書いていきます。
※ネタバレされたくない人はブラウザバックお願いします
※上記のゲームは18禁ゲームです、全年齢版(CERO:17歳以上)はPS3とXBOX版があります→ただし完全版と同じエピソードがあるかは不明
※この記事では18禁部分は あまり触れていませんが、どうしても言及しなければならない部分は伏字か別の言い回しをしています(それでも苦手な方はブラウザバックしてください)

この記事で紹介すること

・CROSS†CHANNELって、どんなゲーム?
・どんな人にオススメできる?
・どんなキャラが出てくる?
・ルートや内容と感想(攻略手順ナシ)
・追加エピソードについて

目次

CROSS†CHANNELって、どんなゲーム?→ループもの

※上記はPS2版パッケージです
PS2版権利元のKIDは2025年現在倒産しています

・ループもの+人類滅亡という世界観→正確にいうとパラレルワールド
・数名を除いて、登場人物は全員どこか心や脳に問題を抱えている
・おもに発達障害や精神疾患が隠喩されているキャラクターたちが織り成す物語
・上記の特性で他者や自身を傷つける確率を表すのが適応係数
・選択肢ありのノベル形式ギャルゲ&エロゲ(18禁版と全年齢対象版がある)
・ギャグあり、シリアスありのシナリオ+やや哲学?
・ギャグと鬱展開の振れ幅が大きい
・主人公のセクハラ、奇行が酷いので人を選ぶゲームかも?
・このゲームが合う人には泣きゲーとされている
・世間の評価も割れている作品ですが、BESTエロゲーランキング上位常連の作品

CROSS†CHANNELは、
①初代無印(PCの18禁版)
②~To all people~(PS2のCERO17歳以上)
③~For all people~(PS3のCERO17歳以上)
④~In memory of all people~(XBOX360のCERO17歳以上)
⑤CROSS†CHANNEL-FINAL COMPLETE-(PCの18禁版)
・・と多岐に移植されている名作です。
筆者が今回プレイしたのは⑤のすべての追加エピソードが入ったバージョンです。①と②はプレイ済み。
※DLsiteで半額セールをやっていたのでダウンロード版で購入しました(Windows10には対応していますが、Windows11は起動保証がされていません→2025年10月筆者のWindows11のPCで起動できました)
※円盤の方はWindows8まで対応と書かれています

ギャグあり、シリアス(鬱展開)あり、主人公によるセクハラと奇行の連続なので、合わない人にはトコトン合わない作品だと思います。

今は亡きエルフの作品をプレイしてきた筆者としては主人公のセクハラと奇行は あまり気になりませんでしたが‥

ゲームをプレイするとわかるけど、主人公のセクハラや奇行にも ちゃんと意味があるからね

OPとか導入をみると、初見のひとは「普通の学園青春ものなのかな?」と思いますが、(ループものなので)1週目以降は ひたすら鬱展開が続きます。
ラストも人によっては、ハッピーエンドに感じないかもしれません。

どんな人にオススメできる?→生きづらさを感じてる人・哲学好き

※上記はPS2版説明書です
物語の本筋は変わらないので使用させてもらっています

・発達障害や精神疾患に関わりがある人または興味がある人
・哲学好き
・主人公のセクハラと奇行が平気な人
・鬱ゲー好き
・田中ロミオ作品好き

CROSS†CHANNELは普通の学園ものとは違った世界観の作品です。
・主要キャラが通ってる学校→少年院の隠喩(?)、作中では牢獄とも表現されている
・適応係数→障害や精神疾患の重症度&危険度を測る数値、数値が高いほど他者や自身に危害を加える可能性が高い(主人公が84と最も高い)、足や腰の後遺症など外傷の場合は数値が低めに出ることが多い
・自己愛性障害、共感性の欠如
・自閉症っぽい特性
・共依存やメ〇ヘラ
・悪意ノイローゼ・HSP?
・ADHD
・・など上記以外にも色々と隠喩表現が多いので、少年院や発達障害、精神疾患などの知識があるような人は共感してプレイできるんじゃないかと思います。基本は鬱展開ですが‥(^^;)

哲学は難解な部分と基礎哲学みたない部分があります。

主人公のセクハラと奇行は今は亡きエルフ作品と同等くらいだと思います。
エルフの作品が平気なら大丈夫だと思います、たぶん。
あと、ハッピーエンドじゃないと許せない人には向かない可能性が高い。

筆者は未プレイ&未読ですが田中ロミオ先生は、別名義で色んな作品のシナリオを担当されているようです。
・家族計画(ゲーム)
・最果てのイマ(ゲーム)
・加奈~いもうと~(ゲーム)
・人類は衰退しました(ライトノベル)

個人的には、一風変わったシナリオ(設定)と泣きゲーのライターというイメージだね

家族計画はプレイ動画を少しみた程度の知識ですが、機能不全家庭で育った者たちが疑似家族を作っていく・・というような流れでした。

CROSS†CHANNELもそうですが、ロミオ先生は この手のタイプのシナリオが得意なのかもしれれません

田中ロミオ先生について↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%82%AA

ゲームの個人的な評価→95/100点

※PS2版説明書の一部

ノベル系ゲームに対する筆者の評価基準は「シナリオ>>>絵>システム・操作性・BGM」なので、シナリオがいいと評価点が高くなります。
シナリオ:95/100点
絵:75/100点
システム等:90/100点(特に問題がないため)
BGM:85/100点

田中ロミオ先生のシナリオは筆者にドハマリしているので、シナリオは高評価です。
ロミオ先生の各キャラ(というか障害?)に対する解像度が高いので、筆者にしては珍しく(?)すべてのキャラクターに共感させられました。
ただ前述しているとおり、哲学っぽい言葉が難しいなど合わない人にはトコトン合わないので ご注意ください。

イラストは当時の絵(初代は2003年発売)としてみれば標準~やや上だと思います。作品内容に合わせた淡い塗りが特徴。
おそらく追加エピソードのイラストは、2020年前後に描かれたものだと思うので絵柄または塗りが若干違いますね。
Wiki調べですが、絵師は松竜さんとなっています。

システム等は問題ないと思います。
最近の商業系ノベルゲームのシステムは完成されているので、問題があるシステムを探す方が難しいかも。
いつでもセーブできる(中断できる)とか、クイックセーブ(1つ前の選択肢に戻りたい)とか、既読はスキップできるとか。

筆者がギャルゲやノベルゲーをよくプレイしていた時代にローディングが激遅なゲームがありましたが、最近はそういうゲームないですよね‥?

あと罠的な選択肢が多いとか、好感度がシビアとかの超難易度ゲーとかもないしね(攻略サイトがないとフルコンプできないやつ)

BGMはピアノ系の曲が多めです。儚い作風に合っていてすごくいい。
中でも「Crystal Clear」は印象深いシーンに何度も流れてきて、ED曲のCLOSSINGと同じメロディなので耳に残る。
EDに流れるCLOSSINGは主人公である太一の世界観そのまんまです。CLOSSINGの歌詞は田中ロミオ先生が書いたらしい。
※FINAL COMPLETE版では新たに楽曲が追加されています

CROSS†CHANNEL-FINAL COMPLETE-の内容と感想、キャラクター紹介

CROSS†CHANNEL-FINAL COMPLETE-(以下、クロスチャンネルとします)はループものなので、似たような展開を何度も繰り返します。
途中でループに気づいたキャラクターたち数名が不幸な展開を回避したり、ループを抜け出す方法を見つけようと奔走していきます。

ネタバレすると、主人公たちは「本来いた世界」から「別の世界(ループ世界&人類滅亡世界)」に流れついて、終盤は主人公が皆を元の世界に送り返す流れになります。

キャラクター紹介~メインは9人

訂正:七香は放送部メンバーではありません
左上から黒須太一・宮澄見里・桐原冬子・山辺美希
左下から七香・桜庭浩・佐倉霧・支倉曜子・島友貴

メインキャラクター

黒須太一(くろす たいち):主人公、女子へのセクハラと奇行を繰り返す お調子者で女顔のイケメン。適応係数84と最も危険な人物とされている。
宮澄見里(みやすみ みさと):主人公たちが所属する放送部の部長。性格は穏やかだがルールの人。適応係数は30以上。
桐原冬子(きりはら とうこ):メン〇ラでツンデレ。武家の家系?で金持ち。孤高を好むが いつも太一にペースを乱される。適応係数は46。
山辺美希(やまのべ みき):人当たりがいい後輩、太一のセクハラにも笑顔で受け流す。じつは裏ヒロイン?適応係数は40そこそこ。
佐倉霧(さくら きり):人の悪意に敏感な繊細な後輩、人見知りで無口。過去の対立から太一を敵視している。適応係数は不明ですが20前後の予想。
支倉曜子(はせくら ようこ):主人公と幼馴染で主人公の姉的な存在。お茶目。頭脳明晰で身体能力は軍人並みだが精神的には弱い。いまの太一の性格を形作った重要人物。太一のピンチになると駆けつける。適応係数は不明。
七香(ななか):明るくて快活、いつも自転車に乗っている謎の少女。他校の生徒。太一に よく絡んでくる(ネタバレすると、じつは幻想や霊的な存在)。太一たちと同じ学校ではない。
桜庭浩(さくらば ひろし):性格は温厚でマイペース。結構鋭い一面がある。金持ちのお坊ちゃんで、放浪癖がある。カレーパン好き。別名義だが有名声優さん・子安〇人氏(PS2版のみ?)が声を担当している。適応係数は15。
島友貴(しま ともき):性格は温和で常識的。友情第一主義。じつは見里の弟。別名義だが有名声優さん・山口〇平氏が声を担当している。適応係数は17。
※七香以外は全員、群青学園の放送部所属です

男性声優が豪華だよね(後に紹介するサブ男性キャラ含めて)

サブキャラクター

堂島遊紗(どうじま ゆさ):太一が可愛がっていた後輩。過去にいじめの被害に遭っている。適応係数は不明。作中では回想の中でのみ出てくる。
新川豊(しんかわ ゆたか):太一の親友で霧の従兄妹。精神的なものから来る脚の麻痺?がある。幼少期の記憶がない。じつは過去に太一と因縁がある相手だった。太一の回想では何度も出てくるが、既に自殺している故人。別名義だが有名声優・堀川〇ょう氏が声を担当。適応係数は不明。

この他にもチョイ役として出てくるキャラが数名いますが(名前だけ出てくるキャラもいる)、内容にあまり関係がないので割愛。

ちなみに筆者が好きなキャラは全員・・と言いたいところですが、各ルートをプレイしてみて美希に1番惚れこみました(^^)あと主人公の太一も結構好きです。
どのキャラにも共感してしまって苦手なキャラはいない感じです(フィクションとしてはね)。

各キャラの適応係数と数値の原因について

※ゲーム中盤~終盤までわからない情報・ネタバレなども含みます
※彼らが通っている群青学院は、心や体に病的なもの(ケガふくむ)を抱えていて他者や自分を傷付ける可能性がある者を収容する半少年院みたいな学校。学校には会話自体が成立しない者もたくさんいるのだとか

黒須太一(適応係数84):過去のある事件がきっかけで血が苦手。血や人の死などに直面すると理性がなくなるレベルで狂暴化し、他者を傷付ける。
霧いわく太一は他者の心を壊して自分を満たしてる愉快犯・・と言われているが実は少し違っていて、太一は このコントロールできない自分を心底嫌っている。ふだんの奇行は世間や他者に受け入れてもらうために「演技」してるに過ぎない。見里(みみ先輩)いわく本来、太一は他者を避ける無表情な少年だったそう。

宮澄見里(適応係数30以上):守られていないルールなどを目にすると、ストレスが溜まり自傷行為に走ってしまう。自罰的。そのせいで見里の家庭は2度崩壊している。弟の友貴も姉に複雑な感情を抱いている。

桐原冬子(適応係数46):ふだんは周囲と壁を作っているが、一度相手に依存してしまうとトコトン依存してしまう。相手の気を引くための自傷行為もいとわない。わりと嫉妬深い?

山辺美希(適応係数40そこそこ):ふだんは明るくてノリがいいが、じつは他者への共感性に乏しい自己愛の少女。太一と似たところがある。

佐倉霧(適応係数は不明):人の悪意に敏感な傷つきやすい少女。気を許した相手以外には壁を作りたがる。
この特性と従兄である豊の事件から太一と敵対する。元の世界に生還後、普通の学校に転校していることから健常者に近い適応係数と予想できる。

支倉曜子(適応係数は不明):頭脳明晰で軍人並みの身体能力(戦闘能力?)を持つ。太一以外の他者に関心がなく、自分から進んで接触もしないので適応係数は低いと思われるが、幼少期のある事件の記憶を持ち出されると途端に脆くなる。この弱さを隠すために頭脳と身体を鍛え上げつづけている(?)

島友貴(適応係数17):腰(と脚?)に後遺症があるという理由で群青学院に入った。多少の融通の利かなさはあるが外傷以外は健常者そのもの。

桜庭浩(適応係数は15):マイペースで突拍子のない行動をすることも多いが、現在は片耳以外は健常者そのもの。自分で志願して群青学院に来たといわれている。
しかし、過去に女装した太一を襲おうとしたことがある。太一に返り討ちにあい、片方の耳が聞こえないらしい。

堂島遊紗(適応係数は不明):群青学院に来る前まではイジメにあってきた。たどってきた人生が霧に近そうなので、適応係数も霧に近いのかも?
遊紗は太一を兄のように慕っていたが、太一の狂暴性を目の当たりにして、太一を避けるようになった。

新川豊(適応係数は不明):友貴に近い立ち位置なので適応係数は低めと予想される。本編では既に自殺している。
片脚に後遺症(精神的なものに由来?)があって動かない。幼少期の記憶がない。

障害だったり、虐〇だったり、イジメだったりで全員がそれぞれ何らかの苦労をしている。
ゲームをプレイしてみるとわかりますが、特に太一と曜子ちゃんは壮絶な幼少期を送っているので、精神が崩壊しててもおかしくないレベルです。

ちなみに、適応係数は非人間部分とも作中で言われているので、太一(適応係数84)の人間部分は16しかないということになる。
あと本編でも何回か出てきますが、クロスチャンネルにおいて群青という言葉は「心の闇」みたいなものです。

本編の大まかな あらすじ・流れなど

・群青学園放送部のメンバー8名と七香以外は誰もいない空っぽの世界(人類が滅亡している世界)からスタート
・ただし1週目はプレイヤーに上記の世界がわからないように描かれている
・物語の中盤の方で人類が滅亡した世界ではなく、元いた世界とは違うパラレルワールドの世界だと気づく
・パラレルワールドの世界は1週間の周期でループする
・放送部のメンバー同士で交流や和解をしながらパラレルワールドの謎に迫っていく
・じつは太一が無自覚に7人(七香以外)をパラレルワールドに引き込んでいた→物語の中盤~終盤くらいに発覚
・パラレルワールドの謎に気づいた太一は放送部のメンバーから思い出をもらいつつ、元の世界に1人1人送り返していく
・最後に誰もいない世界に太一は1人ぼっちになるが、かわりに大事なものを手に入れる
・太一は自分がいるパラレルワールドが崩壊するまで、生きることを決意する
・一人の世界で自分が感じたことを放送部のアンテナを使ってラジオで発信していく太一、元の世界の人たちに声を届けていく(太一が送り返した人たち含む)
・・本編の大まかな流れは、こんな感じです。
本編をクリアするとエクストラストーリーが出てきますが、こちらは別枠で後述します。

<ループの特殊なルール>
クロスチャンネルはループものですが、ちょっと特殊なルールがあります。
ほかのループものと同じく、世界が巻き戻ると そのときのキャラたちの記憶は消えてしまいます。
しかし、記憶を維持できるスポットが1つだけある。山にある祠(ほこら)です。ループがかかる瞬間だけ祠にいれば固有の記憶が保持できる。つまり今までの経験値が保持できる。

<1週目>
※この記事では、太一がループ世界の謎を完全に把握して方針を決めるまでを1週目としています
主人公の太一が状況も分からぬままパラレルワールドで奔走する。過去の回想(元いた世界=人が大勢いた世界の回想)なども入る。
1週目の最後の方にパラレルワールドについての謎について知ることになる。

<2週目>
※この記事では、太一が固有の記憶を持って行動する部分全部を2週目としています
固有の記憶を持った太一がメンバーと思い出を作りつつ、みんなを元の世界に送り返す流れ。

記事の中では1-3(1週目の3回目)や2-2(2週目の2回目)などと表現しています。

エンディングについて

<大枠での1週目>
①CROSS CHANNEL(宮澄見里エンド&全員集合エンド、太一の妄想である可能性が高い)
②純化(桐原冬子エンド?)・CROSS POINT(佐倉霧エンド?)・崩壊(宮澄見里エンド?)
③INVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARS(山辺美希エンド?)
④たった一つのもの(皆殺しエンド)
※②からは桐原冬子か宮澄見里エンド→佐倉霧エンドの順番でしかみれないっぽい?
※美希エンドは①②の正規エンディングを全部みてからです、初回からは
美希ルートに入れません
※④は①②③をすべて見てからじゃないとルートに入れません

<大枠での2週目>
・大切な人(佐倉霧エンド)
・Disintegration(桐原冬子エンド)
・謝りに(宮澄見里&島友貴エンド)
・いつか、わたし(山辺美希エンド)
・親友(桜庭浩エンド)
・弱虫(支倉曜子エンド)
・CROSS × CHANNEL(主人公以外だれもいなくなった世界)
・黒須ちゃん♰寝る(主要キャラのその後)
※曜子ちゃんのルートだけは他の全ルートのエンディングを見ないと入れません
※山辺美希エンドも佐倉霧エンドを見た後じゃないと入れないっぽい?

<エクストラストーリーや主人公以外の視点>
・山辺美希の場合
・支倉曜子の場合
・宮澄見里の場合
・桐原冬子の場合
・佐倉霧の場合
・島友貴の場合
・桜庭浩の場合
・人類滅亡世界ができあがる少し前の話
・本編後のアフターストーリー

ループものなので1週目も2週目も似たような流れにはなりますが、大枠での1週目は太一が固有の記憶を持っていない状態(選択肢によってはループ現象のみには気づいている話がある)。
大枠での2週目は太一が固有の記憶を持っている状態で挑むので、それぞれ結果が変わってきます。大枠での2週目は太一に具体的な目標みたいなものもありますしね。
※以降は1-1週目、2-3週目というような書き方をしていきます

本編をクリアすると、アルバムなどが入ってる所にエクストラストーリーが出てきました。
こちらは本編後のアフターストーリーや本編での主人公以外の視点、パラレルワールドで起きたことなどを見ることができます。

キャラ個別ルートと印象に残ってるエピソードなど

※筆者は初代PC版とPS2版はプレイしたことがあり、追加エピソードは未プレイ状態です
※解釈が難しい部分には触れないか、わからない・不明と明記しています

<大枠での1週目>
①CROSS CHANNEL(宮澄見里エンド&全員集合エンド?)
②純化(桐原冬子エンド?)・CROSS POINT(佐倉霧エンド?)・崩壊(宮澄見里エンド?)
③INVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARS(山辺美希エンド?)
④たった1つのもの(皆殺しエンド)

<大枠での2週目>
・大切な人(佐倉霧エンド)
・謝りに(宮澄見里&島友貴エンド)
・Disintegration(桐原冬子エンド)
・親友(桜庭浩エンド)
・いつか、わたし(山辺美希エンド)
・弱虫(支倉曜子エンド)
・CROSS × CHANNEL(主人公以外だれもいなくなった世界)
・黒須ちゃん♰寝る(登場人物のその後)

<エクストラストーリーや主人公以外の視点>
・山辺美希の場合
・支倉曜子の場合
・宮澄見里の場合
・桐原冬子の場合
・佐倉霧の場合
・島友貴の場合
・桜庭浩の場合
・人類滅亡世界ができあがる少し前の話
・本編後のアフターストーリー

※すべて上記の順番で進みました

大枠での1週目の詳細な流れとレビュー

通ったルート順に書いてます。
解釈が難しいので、?も多いです(^^;)ご了承ください。

①CROSS CHANNEL(1-1週目)の流れと感想など

<流れ>

・初回ルートでは すでにパラレルワールド(人類滅亡世界)にいるのか曖昧な描写がされている
・七香が太一に世界の(?)ヒントを出してくれる
・過去の回想、登場人物や世界観などの紹介
・放送部の部長である宮澄見里が一人で放送用のアンテナを立てている
・それを太一が手伝い、ほかの放送部のメンバーも集まってくる
・アンテナが完成し、放送部メンバーが世界に向けてSOS?発信をする

1番平和かつ、太一が心から望んだ世界観という感じです。
このルートは宮澄見里(以下、みみ先輩)としか仲良くなれないっぽいです。
あとはパラレルワールドの予備知識を付ける・登場人物の紹介ような役割なのかな?一応、この時点では登場人物たちはパラレルワールドにいるのではなく人類が滅亡したと思っています
回想と現実がごっちゃになっているので、プレイヤーとしても状況がつかみにくいかも。とくに初見勢は。
つぎの周回では過去の回想とかは、セピア色になっている・蝉の鳴き声が入るのでわかりやすいですが。
※人類というか生物が滅亡した世界なので、太一たちがいる世界は虫もいません

七香が登場してるってことは、おそらくパラレルワールド(人類が滅亡した世界)にいるという認識でよさそうだね

もしかすると、初回はパラレルワールド(人類滅亡世界)という状況を意図的にプレイヤーに隠しているのかも?

<感想>

初代PC版とPS2版をプレイ済の筆者としては、導入で懐かしい単語や文章のオンパレードですが、哲学すぎるのと難しい漢字の連続なので初見勢と令和な若い人たちは早々に脱落しそうですね(^^;)
筆者も いま読んでもよく分からない単語や文章が多い。
PS2版をプレイした当時、筆者もかなり若かったんですが、よくこの難解な文章を読んでいたものだと感心しました。

プレイ済みだから言えることですが‥
わりと最初の方で七香が太一に世界の秘密に気づかせようとしてきますが、七香的には太一にどうして欲しかったんでしょうかね?
太一が世界の秘密・祠(ほこら)に気づく場合‥
①何度もやり直せる1週間で みんなと楽しく過ごして生きる
②みんなを元の世界に戻し、太一が誰も傷つけない世界で一人ぼっちになる
・・②はエヴァンゲリオンっぽい(^^;)

ネタバレすると七香は太一の母親で幽霊的な?存在なんですが、七香は太一を大切に思っているので②は避けたいと思いますが、世界の秘密を知ってしまえば太一が②の行動を取る可能性もありますよね。太一の性格的に。
※でも七香は太一が皆を元の世界に送り返す方法までは見つけられると思わなかった可能性もあるか・・
もし世界の秘密を知らなければ太一が暴走によって誰かを傷つけて、自分も傷つきつづける可能性はある。ノートに記録が残るので。
七香としては太一にノート(太一が犯した罪?)の存在は知らせつつ、「リセットされるから大丈夫だよ」という事を言いたかったのかな?
太一の性格的には、罪の記録が残っても傷つくと思いますが・・(本編でも太一が似たようなことを言っている)。

まぁ、七香は最終的には太一が決めたことを応援するんだろうけど

回想での太一と豊の会話を聞いてると、健常者同士にしか見えないですね。お互いに事情を察して、気遣いもできるし。
2人とも過去の事件がなければ(豊は あの幼児〇愛者の父親の元に生まれなければ)、優しい少年に育っていただろうに・・(T_T)

太一と冬子のやり取りが相変わらず面白い。ちょっと蛭田氏風味なテキストが またいい。
ふだんの太一の奇行や過去のトラブルから太一をやや敵視している冬子。
太一:腹減ってるのか?これをやろう(サンドウィッチを差し出す)
冬子:何これ?
太一:あんまん
冬子:んなわけないでしょ!サンドウィッチでしょ!
太一:わかってんじゃん
・・みたいな流れ。ボケとツッコミの塩梅がいい。

初代やPS2版ではなかったCGも早速1枚みれました。みみ先輩のCGと睦美おばさんの立ち絵。
絵師は多分おなじでしょうけど、何十年前の作品の追加CGなので、やっぱり絵柄・塗りが若干違いますね。
あいかわらず、みみ先輩は理解ある人だなぁと。危険人物とされる太一を放送部に誘ったという手前もあるんでしょうけど。
狂暴化した太一に危害を加えられても太一を責めることもなく「群青にいる者は皆どこかしら欠点がある、発作みたいなもので自分じゃ止められない」というのをよく分かっている。
このあたり、ライター田中ロミオ先生の発達障害や精神疾患に対する解像度が高くてビビりますね。

その上で、みみ先輩は「自分はどこに気を付けたらいいか?(太一の発作のトリガーにならないか?)」聞いてくれてるし

大枠での2週目でわかりますが、太一に危害を加えられるのが、みみ先輩の一種の自傷行為だなんて誰が思おうか‥

「どんな犯罪も咎められることのない世界」「個であること、群を捨てるということ」「そのために必要な能力と適した精神構造とは?」と太一は考え出します。結構哲学ですね。
人類滅亡世界においての欲望(欲求?)という哲学が出てきますが、これはマズローの5段階欲求のことかなと。
①自己実現欲求:自分の能力を最大限発揮したい
②承認欲求:他者から褒められたい、自信を持ちたい
③社会的欲求:他者との関係、コミュニティに所属して居場所を得たい
④安全欲求:住む場所の確保・健康維持など安心を得たい
⑤生理的欲求:飲食・寝る・排泄欲などを満たしたい
・・人は通常、⑤から順番に満たしていくそうです。
しかし、人類が滅亡した世界(群を捨てた世界)では①②③がないと生きていけない者は精神的弱者で、④⑤だけあればいいという者が精神的強者とされる

この部分、終盤の太一にも跳ね返ってる考えだと思うと‥

マズローの5段階欲求について↓
https://www.pbm555.com/blog/12009/

太一が七香に血が苦手だっていうシーン。
七香が泣きそうになっていましたが、七香は霊的な存在なので太一の過去ふくめて全て把握してるのかと思っていましたが、そうではないのか‥?
太一の「もっと俺(太一)を警戒してくれ」ってセリフがまた刺さりますね。太一は理性をなくして狂暴化することに自分で自分を責めてる。
無識者(危険が迫っても回避できない人たち)に対して、細心の注意を払って自制しなくてはならない。
しかし、毎日楽しくて自分が何者であるかを忘れてしまう・・という。つまり内心は普通の人として生きたいという意味ですよね。後の方で、みみ先輩や美希にも指摘されていますが。

まぁ図太さみたいなのは、楽しく生きる上では必須だとは思いますけどね

初回は みみ先輩としか仲良くなれないので、選択肢によっては みみ先輩とムフフ・・なイベントが見れます。
しかし、正解っぽい選択肢は みみ先輩とムフフ・・なイベントを起こさない方のようです(だたし、どちらもBADエンドに行くわけではない)。
放送部みんなで海へ行って、わちゃわちゃする回想シーンもいいですね。太一的にも「普通っぽい」青春をしてる方が好きそうだし。

1-1週目の最後は放送部員が全員集合して(曜子ちゃんは近くに隠れている)、SOS発信して終わる→その後ループする?
太一の理想形(みんなと仲良く青春する)として、1週目が終わりました。
つぎは「崩壊」となっているので、みんなとの関係が失敗に終わる話ですね。

旧作プレイ済みの筆者として疑問だったのが、誰が太一の日記を祠に移動させたのか?という問題。
1週目の美希ルートでは、パラレルワールドの話を太一も美希も知っているので日記は美希に託していますが、他のルートでは、どうなってるんでしょうか?
※エクストラストーリーで明らかになっていますが美希は最初から世界の秘密に気づいたわけではなく、途中で「偶然に」気づいたようですし
①毎回パラレルワールドの真実に気づく確率が高い曜子ちゃんが移動させてる?
②パラレルワールドに飛ばされた原因以外は ほぼ把握している美希が移動させてる?
③ほぼ全ての真実を知っている七香が移動させてる?
・・このあたりでしょうか?
1-3週目で祠へ行く選択肢が選べて、曜子ちゃんのメモが貼ってあるので曜子ちゃんの確率が高い。
でも③の七香の可能性もある。
①か③ですかね?

追記:エクストラストーリーから曜子ちゃんがノートを移動させてたっぽいですね。
ただ1週目の美希ルートでは曜子ちゃんが最初の方で死亡するので、美希がノートを祠に安置していました。

②純化(1-2週目)の流れと感想

1-1週目で みみ先輩と仲良くなったので、1-2週目は冬子ルート(純化)に入ってみました。
※1-3週目から霧・その他のルートに入れるっぽいです(美希ルートは この2つのルートをクリアしてから入れる)

<流れ>

・人類が滅亡したというネタがようやく明かされる(本当はパラレルワールドですが、太一はまだ気づいていない)
・崩壊では、みみ先輩か冬子ルートにしか入れないっぽい?
・冬子寄りの選択肢を選んで冬子ルートへ
・じつは過去、太一と冬子は恋人同士だったそう(ネタバレすると、恋人関係になるのは太一の実験だったらしい)
・恋人時代に冬子の病的な依存レベルが増してしまって、太一は冬子を捨てた(このへんも2週目でわかる話)
・人類が滅亡した世界で冬子は餓死する確率が高い
・なので太一が面倒をみる流れになる
・また冬子の依存レベルが増さないように細心の注意をしながら冬子の面倒をみる太一
・みみ先輩が一人で組み立てた放送用アンテナが友貴に破壊されて、メンバー全員が仲間割れ
・冬子や太一は死亡?ほかのメンバーも殺し合いに発展?
・最終日にループが発生して終了
・・という流れでした。

<感想>

ここで人類が滅亡したのは、放送部の合宿の帰りという事実が発覚します。
※この時点ではパラレルワールドに移動したということに気付いているのは七香・美希?・曜子ちゃん?のみ

このへんも本来は2週目でわかる部分も多いんですが、冬子は過去、群青学院へ入ったときは周囲と壁を作っていた。もちろん太一にも。
要するに冬子は「自分はマトモなのに こんな所に入れられた!(怒)」って反抗していたわけですね。実際は女子高で友人との間に事件を起こしている。
太一は孤独でいても平気な顔してる人間は美しい・・という美意識がある。なので太一は冬子に目を付けて「実験」をした。自分(太一)が「演技」をすれば、社会で普通に生きていけるのかの実験。

演技すれば、この敵対的な冬子とも仲良くなれるのか?という実験だね

この時点では恋人同士になりましたが、(純化ルートでは明かされないですが)冬子の方が先におかしくなってしまった

ここも2週目でわかる話ですが・・冬子の元々あった依存性と独占欲の強さで 太一の周囲いる女子たちに危害を加える素振りをみせる。ヤンデレか(^^;
※冬子の本質的な性格は寂しがり屋(ヤンデレでツンデレ?)で本当は他者と繋がりたい、だが依存性を自制しなくてはならないから他者に対して攻撃的に接するというもの
太一は冬子が手に負えない存在となったのを感じて恋人関係を解消しようとするが、冬子は拒否。病んだ冬子は自分で自分の腹を切る自傷行為に走り、太一の心配を誘う。
太一はそれでも無視をつづけて、冬子は曜子ちゃんに助けられて復活するが、また周囲と壁を作る生活に戻るという過去があります。

今回の純化では、この流れにならないように太一は細心の注意を払って、冬子の面倒をみます。
甘やかしすぎず、突き放しすぎず‥といった感じで。
おもえば、放送部の中では適応係数が太一のつぎに高いのが冬子だから、太一が手に負えなくなるのも仕方ないのかもしれませんね。
一応、冬子の適応係数46は群青学院では標準らしい

作中でも言ってるけど、ヤバイくらい依存・独占体質な人が周囲と壁を作って1人でいるのは正しいことだよね?結局どうすればよかったんだろうな?

あるマンガでも「心を閉ざせば一人になり、心を開けば傷つき。いったいどこへ行けばいいのか?」とかありましたね

ちなみに上記のマンガでは、依存体質なひとの孤独解消≒大人になるには「与える側」にまわること‥とされていました。
与える者は人を惹きつけて、感謝もたくさんされるからという理由から。居場所の確保にもつながる。
与える者は、いわゆるテイカー(他者から奪うだけの人・無自覚ふくむ)には気を付けなければなりませんが‥

話は変わって廊下で美希と太一が出会うシーンがあるんですが、この時点で美希は固有記憶を持ったまま何週もループ世界をたどってる感じなんでしょうかね?
1-1週目の美希と違って、太一の扱いがよく分かってるというか。
廊下についた赤い絵の具(血を連想させる?)をあえて太一に見せないように配慮してるし。
※エクストラストーリーでわかりますが、じつは赤い絵の具ではなく本物の血です(血だと太一が暴走する可能性があるので、あえて美希は嘘をついてるんだと思います)

冬子は太一に「面倒になってくる、だた生きるために努力しないといけないなんて」というようなことを言います。
この発言に対して、太一は冬子が金持ちだからと考えていますが(冬子の家では食事の世話とか移動の世話などは使用人がやっていたらしい?)、筆者はちょっと違う気がしている。
冬子のこの言葉は発達障害や精神疾患を抱えてる生きづらい人がよく言っている言葉です。
これらの障害や疾患を抱えてる人は通常、健常者の1.5倍~人によっては2倍以上の労力をかけて社会生活を送っていますおまけに この努力は(外傷の障害者の努力と違って)他者には見えてないことが多い
つまり健常者から怠けてると思われてる。

だから、ちょっと愚痴りたくなる気持ちもわかる。その愚痴を表に出しすぎると他者から嫌われるので難しい面もありますが。

でも適応係数的には太一は冬子より重い障害・疾患を持ってるようなものだよね(傾向は違うけど)
太一は精神年齢が高いので、努力するのがデフォルトになりすぎて感覚が麻痺してる感じか‥

いやでも、筆者も太一のこういう部分を尊敬していますね(固有の記憶を持った美希も太一を尊敬している)

冬子ルートのギャグパートは何度みても おもしろい(^^)
冬子は太一の家で暮らしはじめるんですが、太一が風呂に入りにいった隙に冬子にヌードデッサン用資料(秘蔵のエロ本)を燃やされます。
それをみて太一は「俺の魂ガーーーーーーーッッ」と卒倒する。
これ、2週目には冬子バージョンが見れるので爆笑度が2倍でした(くわしくは2週目部分で書いています)。

このルートでは(脇役ではありますが)桜庭が結構出てきます。桜庭と冬子は正反対な思考をしているなと。
桜庭は太一に対して、「オレはオレの正義を決して、お前に押し付けないぜ」と言っている。大人ですね。
対して、冬子は悪い方のフェミニズムっぽい思考をしてるし。太一は冬子に都合のいい人間であれ・・みたいな。
たしかに太一は、冬子を「実験」に使った負い目もあるから強くも言えないんでしょうけど。
冬子は この部分を直さないと、適応係数がいつまでも下がらない気がします。
生まれつきの性格っぽいので、矯正は難しいのかもしれませんが・・。

あと、太一も冬子に「実験」だったことがバレてはいけないと思ってるね。最後まで騙さないと冬子が傷つくからと

ルート終盤に、みみ先輩が一人で組み立てたアンテナが「何者かに」破壊されます。
屋上には みみ先輩・冬子・太一・友貴・桜庭がいる。
みみ先輩は犯人捜しをはじめます。誰が「裏切った」のかと。
しかし、桜庭の証言からアンテナは友貴が破壊していたことが発覚。
友貴は過去に家族を崩壊させた(裏切った?)恨みから、姉である みみ先輩の邪魔をしたかったと。
そこから美希と霧も加わり、あなた方は信用できないと霧は美希をかばいつつクロスボウを構えて仲間割れエンディングになります。

美希がクロスボウを構えた霧に向かって「あいつを殺せ!」みたいに叫ぶシーンがあったけど、固有の記憶を保持した美希だとして、太一が暴走する予感がした≒美希に危害が加わる可能性があったからかな?

その発言には霧もギョッとしていましたね、ふだんの美希なら絶対言わなさそうだし

「俺は真実を知った。一人じゃないとダメなんだ。複数ではいけない。個でなければ‥」と太一が最後に思うシーン。
ここは伏線で、後の太一の行動に繋がっていくわけですね。

あと、ループがかかる瞬間、PS2版と初代版にはなかった時間が巻き戻る演出が追加されてますね。

②CROSS POINT(1-3週目)の感想とレビュー

1-3週目では霧ルートに入ってみました。
このルートは祠へ行き、ループ現象のことのみ太一が気づくという流れです。
あと、太一や曜子ちゃんの過去も少し知れる。まだ ぼやかしたような表現でしたが(一部の人には何が起こっていたのか分かる)、太一と曜子ちゃんの過去が壮絶すぎてキツイ話がてんこ盛りです。

<流れ>

・七香の助言に従って祠へいく太一(1-3週目にして選択肢が出る)
世界がループしているという事実に気づく
・曜子ちゃんもループに気づいているという
・ループ世界ということは やり直しがきくということなので、やや いい加減に過ごす太一
・太一と敵対している霧と交流していく
・太一と新川豊、佐倉霧の過去の話が聞ける→霧が太一を敵視している理由がわかる
・内容としては過去、太一は豊を自殺に追い込み、暴走した太一が霧を襲おうとしていた
・霧は太一を殺す特訓をしていた所、曜子ちゃんに襲撃される
・太一が2人の間に入って、曜子ちゃんと霧は和解する
・冬子が餓死して太一が暴走、太一は再び霧を襲う、また霧と太一は敵対するようになる
・霧は太一を殺そうとするが太一は豊を自殺に追い込んだ理由や原因を話し、霧は戦意喪失
・冬子以外の放送部メンバーが集まって(曜子ちゃんは隠れてる?)、世界に向けてSOS発信する
ループ現象を知っている状態の太一が、初めて時間の巻き戻りを経験する
・世界がループして終了

ギャグも もちろんありますが、シリアスと鬱話が多めです。
個人的には結構好きな話で、感情移入してプレイしました(とくに初見プレイした当時は)。

<感想>

初っ端なから「ムフフな展開」と「鬱な展開」を織り交ぜて話が進みます。
まだ、ぼやかしたような表現ですが、太一と曜子ちゃんの過去の話からです。クロスチャンネルファンの間で有名な「太古の記憶は~」はここから来ました。
太一と曜子ちゃんが10歳前後?のとき、2人が過ごしてきた大きなお屋敷で所有者(支配者?)が代わり、2人は性〇待と暴力を受け、自尊心を傷つけられつづけたという内容。

ここまで多少の鬱展開はあったけど、それらを全て ぶっ飛ばすレベルの鬱展開・・

純化も鬱展開でしたが、このルートで発覚することに比べたら可愛いものですね
(2週目で新たな展開も発覚しますが、それは後述)

太一と曜子ちゃんが過ごしてきたお屋敷の所有者が変わる前は、優しい人が多かったそうです(正確には曜子ちゃんの親族である支倉がお屋敷を所有していて、太一は親がいなかったため お屋敷で下働きをしていたそう)。
※ちなみに曜子ちゃんは支倉一族ですが、望まれない子だったので周囲に腫れもの扱いされていた
支倉の権力が失墜したとき、支倉一族は曜子ちゃんや太一、ほかの使用人を残して逃げてしまった。新しく入ってきた権力者?によって悲劇が起きる。
このような過去を回想して、太一は過去に優しくしてくれたけど逃げてしまった支倉の人たちに「狭い心に余裕があれば、親切に見えるときもある」と的を射たような表現をします。クロスチャンネルはこういう鋭い言い回しが多くて、ついつい見入っちゃうんですよね。

1-3週目から、曜子ちゃんの登場回数が少し増えた気がします。
曜子ちゃんは こちらの質問を明確にしないと、理解にたどり着くのに時間がかかると言われています。ChatGPT(AI)みたいですね。作中でも曜子ちゃんは自動的・機械的とか言われてますが・・。

1-3週目から祠に行ける選択肢が出るので、多くのプレイヤーは この祠に行くという選択肢を選ぶと思います。
祠には太一が書いた日記が安置されていて、太一はそれを読んで世界がループしていることに気づく。
同じ状況を何百回と繰り返したとき、突飛な行動を取ることもあるのではないか」
「俺(太一)は記憶力がいい、記憶してないことといえば出産の場面くらいのもの」
・・というプレイ済の人だけがわかる伏線が出てきます。
こういう伏線があるからサスペンス系の話は油断ができず、注意深く読んでしまい、物語に引き込まれる。
いま気づきましたが、太一は記憶力がいいから最後に思い出をほしがったのか。なるほど。

祠には曜子ちゃんのメモがあって、「すべての記録をここに保存しなさい」と書かれている。
このメモから曜子ちゃんもループ現象に気づいているということがわかりますね。
美希ルートをみる感じだと、パラレルワールドにも気づいていそうです。
※というか情報提供と称して美希が教えているのか?

祠はループが免れるので、過去に書いたメモが何週にも渡って置いてあるだけって可能性もあるね

つまり日記とメモはセーブデータみたいなもの(万一の場合の保険)で、もし自分が死んで記憶をリセットされても真実にたどり着きやすくしているってことですね

ネタバレですが・・1週目の美希はループがかかる瞬間だけ祠にいて、固有の記憶(ループ何十週分の記憶)を保持している。
曜子ちゃんが固有の記憶を持っているなら、美希とループの瞬間に鉢合わせしているはず。
でも、そんな説明は後のストーリーでもなかったので、やっぱり曜子ちゃんの記憶は毎回リセットされていて真実にたどり着いていると考えてよさそう。
・・なんですが、祠の効力はどのくらいの範囲までなのか?祠の役割を持つスポットが他にもあるかも?という可能性があるので、ここら辺は不明ですね。

筆者も忘れていましたが、群青学院の別名が紹介されていました。「重度不適合者隔離施設」という。
不適合者は他者に対して、敵意や恐怖を抱きやすい危険人物。または自傷行為をしてしまうようなタイプ。そんな彼らを隔離する施設(完全な牢獄ではないが)。
この設定、何十年も前のゲームだから許されるけど、いまやったら大騒ぎされそう‥(^^;)
いや、そもそもフィクションだけど。

日記を読んだ太一は大体1週間に起こることが予想できるので、そのように他のキャラに振る舞っていきます(多少の突発的な出来事はあるにせよ・・)。
世界の秘密ほぼ全てを知っている美希とループ現象のみに気づいている太一との会話が面白い(この時点では、お互いにループのことに気づいているのは知らないっぽい?)。
でも美希は おそらく、この周回の太一がループの秘密を知っていることに薄々気が付いていると思います。
のちの美希ルートでも「太一先輩と支倉先輩は なぜか高確率でループに気づく」と言っていたので。

まぁ曜子ちゃんは優秀だから自力で気づいたっぽいけど、太一は七香の助言おかげだよね

筆者が美希推しだからか、太一と美希の会話は とても楽しい。女性キャラの中では唯一、太一と友達っぽいノリですしね。美希。
ここの会話で美希が「自分が かわいいですしね」と冗談っぽく言っていますが、この部分が後に伏線になろうとは誰が思おうか・・(^^;)

このCROSS POINTルートは霧の話なので、霧と豊の話が中心です。
太一の過去の回想から、霧と豊は従兄妹ということが発覚します。
霧は繊細なので人の悪意に対して敏感、周囲と壁を作りたがる。
しかし、心を許した相手には一心同体として依存してしまう傾向がある。冬子よりは独占欲みたいなものが少ないのでマシですが、若干、霧は冬子に似ていますね。

冬子もそうだけど、霧の周囲と壁を作って孤立したがる部分を太一に気に入られるんですよね

まぁでも霧も結局は依存体質で、後で太一もガッカリしてるよね
曜子ちゃんや冬子みたいになってしまって

基本的に太一の内面は大人だから冬子みたいに他者に依存したりはしないけど、一般的な寂しがり屋度はあるという感じ。太一の願いは一貫して「人と共存して普通に生きたい、仲間と一般的な青春を送りたい」ですからね。
でも太一は血をみたり、人の死に直面すると理性をなくして暴走。人を傷付けてしまうので悩む。
だから、一人でも生きていけるような人間≒非寂しがり屋な人間(昔の曜子ちゃんのような)に太一は憧れを抱く。
本来は「寂しがり屋」と「非寂しがり屋」は両方メリット・デメリットがあると個人的に思っているので、どちらが良い悪いもないんですがね。
ただ、人に嫌われる性格+寂しがり屋だと生きづらいのは理解できる。

クロスチャンネルは男性陣の方が精神的大人が多い印象。ふつうは逆なのに・・(^^;
女性陣だと、みみ先輩と美希が比較的大人ですね。
個人的には、自分のことを認知の歪みなく客観視できる人間が一番大人だと思っています。太一や美希、桜庭(みみ先輩も かろうじて)これに近い。

まえに読んだ書籍でも「自分が何者であるか正確に知ること」が大事と言われていますしね

話は変わりまして‥
豊と霧、太一の過去話に戻ります。教室で豊と太一が駄弁っているときの回想。この回想の中では後から霧も合流する。
豊には家族がいないと書かれていますが、母親も例の事件に巻き込まれて死んだ感じなんでしょうかね?作中に文章だけでも出てこなかったので気になった。
あと豊は事件の後遺症からか、急に眠ってしまうことがあるらしい(ナルコレプシー?)。
で、豊が眠ってしまってからの霧と太一の会話が印象的でした。

霧は持ち前の鋭さから頻繁にイジメを受けていたらしい。
何もしてないのに、なんで傷付けられないといけないのか?それで牙を向いたら こっちが罰せられるのは おかしいと義憤(ぎふん)する霧。
※義憤・・不公正なことに対する憤り
太一は大人なので、こう助言して霧を諭します。
「身を守った猛獣は撃ち殺されるのが常」
しかし霧は「自分は人間なのに理不尽だ」「なんで自分だけ こんな目に遭わないといけないんだ」と、また義憤する。

この部分、太一を暴力と悪意で傷付けてきた人間(支倉の屋敷の支配者)から太一が自分を守るために身に付けた考えだと思うと泣けてくる。この時点では霧は太一の幼少期のことを知らないですしね。

いやぁ世の中、不公正だらけだよね

子供のころは皆、何かしらの正義を持っていて、次第に不公正な世の中に諦めが出てくるというか、染まっていくんですよね。

それから太一は、こう続けます。
「頑張って生きないとな。少しでもヤツらに尻尾振って、あの普通とかいう連中に媚び売ってでも生きんとな‥」と。
これ生きづらさを抱えてるような人には刺さる言葉だと思います(筆者にも刺さった)。太一は17歳前後という若さなのに、苦労人だからか大人すぎる(^^;)

霧は他者から向けられる悪意も怖いけど、一人も怖いという。非常に人間らしい感性ですね。
2週目の霧ルートでいわれていますが、悪意を察知する「鋭さ」が霧を群青に追い込んだと言われているくらい。鋭さは武器にもなりますが、極端に臆病になるという弊害にもなっている。
逆に冬子は鋭さみたいなのがないので(すこし境界知能系なのかも?)、自分に よくしてくれる太一に入れ込む。
少しネタバレですが・・曜子ちゃんの場合は事実から目をそらして認知を歪めて太一に依存してしまったと。
田中ロミオ先生のこのあたりの繊細な人物描写が巧みすぎて、(こういう人いるよねとか、自分も心当たりあるとか)感心してしまう。

豊・太一・霧の真実は1週目で少し、2週目で全部語られていますが、その内容にも少し触れておきます。
じつはループ現象が始まった世界では、豊は すでに故人。屋上から飛び降り自殺しています。
豊の自殺の原因は太一ですが、その大元の原因は豊にある。
支倉の屋敷の後の支配者は新川一族で、幼少期の太一や曜子ちゃんに暴力や性〇待を加えたのは新川豊の一族だった。そして、幼少期の豊も積極的に太一に攻撃を加えていた。
群青で太一と豊が再会したときに、上記の記憶を豊は喪失していた。太一も豊のことを忘れていた(本人とわからなかった?)。
しかし、あるときに太一は豊のことに気づいて、豊に過去のことを話した。その後、豊が自殺してしまったという話。

たぶん、豊は過去の思い出したくない記憶(親に逆らえなかったとはいえ、人を傷つけた記憶)を太一にオブラートに包むことなく、強烈に思い出させられたと予想される。
豊の心情としてはトラウマを思い出して、親友だと思っていた太一にも許されることはないと思い、生きる希望みたいなものを失った→自殺という感じなんでしょうかね?
それとも自分(豊)が死ねば、太一が救われると思ったから?
たしかに太一も復讐心と悪戯心から「なぜ今すぐにでも死なないんだ?」と豊には言いましたが。
太一と真逆な考えだなと思いました。あとの方では太一は他者をたくさん殺して(傷つけて)きたから自分は死ぬわけにはいかないと覚悟しているので。

ちなみに霧はこの時点では、太一と豊の因縁を知らないので、太一が無差別な悪意を持って豊を自殺に追い込んだと思い込んでいる。豊の死に触れて暴走した太一が、霧を襲おうとしたことも相まって。

その後(ループのリセット日まで あと数日という所)、太一は改めて屋上で霧に会いますが、そのときの会話がまたプレイヤー(筆者)の心をえぐってくる(^^;)
「先輩はどうして生きてるんですか?」と太一に問う霧。
じつはこのセリフ、過去に太一が豊を自殺に追い込んだときにかけた言葉と似たような内容なんですよね。
前述していますが「なぁ1つ質問なんだけど、どうして今すぐにでも死なないんだ?」ってセリフ。

つづけて霧が太一にかけたセリフも強烈です。
太一に対して・・
「ヒトじゃない、ヒトに擬態したものでしかない」
「擬態して、人に化けて人を襲う怪物」
「人と怪物とが仲良く暮らせると思っているんですか?あなたが人並の幸せを手に入れられるとでも?」
「先輩が人との触れあいの中で人間になれることはありえない」
「世界にわずかしかない幸せは、あなたのためのものじゃない」

霧の言葉はプレイヤー(筆者)の心に大ダメージ( ;∀;)
というか、普通になりたくて人の何倍も努力を重ねている太一に この物言いは激オコですよ。霧も結構好きな筆者ですが、太一を傷つけるのはマジで許せん。
太一を守ろうとする曜子ちゃんの気持ちがちょっとわかる。

霧は鋭いんだから、太一の内面(葛藤など)も見抜いてくれよ・・と
まぁ太一はコントロールできない暴走をするから危険であることには変わらないが、情状酌量の余地はある‥よね?

ここの描写、筆者の心も痛てぇです
太一も好きで怪物化してるわけじゃないのに‥

太一は霧の言葉の攻撃に対して、「自分が受けてきた攻撃はこんなものではない」といいます。
太一は新川一族の暴力と曜子ちゃんの裏切りなど、もっとツラい過去がありますからね。

霧が立ち去ったあと、太一は霧の言葉に(無自覚な?)ショックを受けて、気温の高い昼間の屋上で寝こけます。
そこに(おそらく、太一と霧、豊の事情も全部知っているであろう)美希が太一を心配して、慰めに?来てくれます。
※美希は霧が一方的に太一を責める言葉を聞いていた?
美希が天使にしか見えない‥さすが筆者の推し。
おそらく太一と美希は似ているから、霧が太一を責めてる言葉はすべて美希にも跳ね返ってるんだと思います。

その後の夜に、太一は霧が どこかへ出かけるのを見かけます。
霧を追う・追わないの選択肢が出ますが、追わない場合は少し進めたところで強制的にバッドエンドになります。
正規ルートでは「追う」が正解なので、「追う」選択肢を選んだと仮定して進めます。

じつは霧は太一を殺す訓練をするために、クロスボウの射撃練習をしていた(これは数日前から分かっていた内容だが)。
それに怒った曜子ちゃんが霧を殺そうとするが、太一が止めに入る。
霧の武装解除と太一と敵対しないことを条件に、霧と太一と曜子ちゃんは和解する。休戦ともいえるが‥。

曜子ちゃんは太一に「死への抵抗感を忘れときがあるから」ということをいうけど、たしかにバッドエンドでは太一が自ら霧に殺されに行っていたね

正規ルートの「自殺するなら とうの昔にしていた。死ぬわけにはいかない。霧を壊すことになっても生きる」という決意が太一の強さなんですよね

あと、霧をかばったときに太一が手に傷を負うんですが、その治療を霧がするという新しいCGが入っていました。またしても旧作版と絵柄が若干違うCGでしたが‥(^^;)

「色んな接触をして人との境界線を探っていく」のがコミュニケーション・・みたいなことを太一がいいますが、ここもまた名言。別のルートでは「攻撃の強弱で距離を測るのがコミュニケーション」だとも言っていましたね。ほかには「曜子ちゃんは自分を持っていない、逃げている」と太一は言いますが、初見プレイヤーにとってはわけが分からないですよね。
プレイ済みの筆者だから言えますが‥こんなに伏線が散りばめられていたのかと驚愕。

和解後のつぎの日、屋上で 太一・みみ先輩・美希・霧と交流イベントがありますが、そこで太一が美希に漏らした本音がなんとも・・(^^;)
太一は女顔(美形)でいい思いをしたことがないという。気味悪がられたり・襲われたりとロクな目にあってない。
一時期、人と会いたくないとか、人と会話したくないとか、なんのために道化を演じているのかわからなくなるという。いまと真逆ですねと美希にツッコまれます。

太一と美希は似た者同士なので、太一も美希にはポロっと本音を言っちゃう感じなんでしょうかね?

ちなみにここでも、美希の新しいCGが入ります。

後に友貴と桜庭が合流してきて、放送部メンバーは冬子以外は集まりました(たぶん、曜子ちゃんはどっかに隠れている)。
太一は冬子邸まで冬子を迎えに行きます(正確には車の運転ができる曜子ちゃんの車で送ってもらって)。
冬子の屋敷で太一は冬子を探し、発見します。冬子は自分のベッドの上で手を組みキレイに餓死していた。
太一は、あれほど人への渇望であふれていた(依存体質の)冬子が一人で去ったことに感動。

しかし、人の死を目の当たりにした太一の精神状態は暴走の一歩手前になってしまう。
ふたたび学校に戻った太一は、最初に出会った霧を襲ってしまう。

曜子ちゃんの車で来たんだから、帰るときも最初に会ってる人は曜子ちゃんだよね?という疑問があるけど・・

もしくは曜子ちゃんに対しては、ギリギリ暴走しなかった感じですかね?曜子ちゃんは太一の扱いに慣れてそうですし

太一は霧を襲いますが、すんでのところで曜子ちゃんが止めてくれる。閃光型の手りゅう弾?を投げて。
手りゅう弾を投げつけられたときに(無意識に?)太一は霧をかばってるし、本来は優しい少年なんですよね太一。
曜子ちゃんは太一が霧を襲うおうとした「嫉妬から」太一を止めたそうです。
それにしても、曜子ちゃんの認識では理性をなくしたときの太一がピュアな(≒本能的な?)太一なのか‥(^^;)

太一は曜子ちゃんに繰り返し、その能力で一人で生きていけといいます。自分(太一)に かまってる場合じゃないと。
しかし曜子ちゃんは太一と一心同体だと、それを拒否する。
さらに曜子ちゃんは どこに行っても太一を理解してくれる人はいない、自分(曜子ちゃん)だけが太一の理解者だといいます。

「固有の美希」と「七香」の方が太一をよく理解してるような気もしますが・・

霧もその後、閃光のマヒから回復して、ふたたび太一に敵意を向けるようになる。
霧は曜子ちゃんに殺されてもいいから、再度、太一をクロスボウで殺そうとします。
曜子ちゃんが没収したはずのクロスボウをなぜ持ってるの?というツッコミはさておき、ここで死を受け入れるか、否かの選択肢が出ます。
死を受け入れる場合はバッドエンドで太一は霧に殺されて、その直後に霧は曜子ちゃんに殺されたっぽい感じで終わる。

死を受け入れない場合は、太一は豊との過去を霧に話し、すべての原因は豊にあるとして太一は霧から戦意を喪失させることに成功する。
真実を知った霧は太一に「どうしたら許してくれますか?」と聞く。
※豊も太一に同じこと言っていたらしいし、さすが従兄妹

まぁ、この後の展開は皆の予想どおりのムフフな展開になるよねぇ‥

作中でも太一が言ってますが、豊の罪は霧が背負う必要はないんですがね。
霧の太一への殺人未遂、太一から霧への強襲事案(2回)を足してプラマイゼロって感じか。むしろ、太一の方が霧に償いが必要な気がする。

そういえば、1週目の霧ルートでは霧の心が壊れたから?霧は泣かないんですね。
※ムフフ展開の最後には泣いてるけど
太一も自分の心は壊れてしまったから、こんな状況でも涙も出ない・・みたいなこと言ってましたしね。
ちなみに2週目は、太一が霧の心が壊れないように細心の注意を払って、豊の罪を告白するから霧は号泣してたけど。

なんとか霧と(いびつな)和解を成立させて、ループが起こる日にアンテナが完成してSOS発信します。
放送部の状況としては、死んでしまった冬子以外は全員集合し、みんなの関係は良好。
太一が代表者としてSOS発信をする。
このときに太一は話すことが思いつかず、(霧に聞かせるために?)豊の思い出のことを話す。
太一が豊を死に追いやってしまったことを実は後悔していると知って、霧は号泣。
霧の心は壊れていませんでしたね。

理性を保つには他者が必要
他者がいないのなら人間は本能で生きるだけになるって言葉が哲学だよなぁ

太一は暴走して他者を傷つける本能的な自分が大嫌いなので、理性の怪物になりたいと作中で何回か言ってますしね

放送が終わると世界が白んでいき、ループ現象がはじまる。
太一はループがはじまると、「自分がなくなるのは怖い」と心の中で思います。
このセリフ、固有の美希ルートの美希も同じことを言っている。やはり似た者同士だなぁと。

その後、世界は巻き戻って終わりです。
1つ疑問なのは この時、美希は放送部メンバーと屋上にいたはずですが、どうやって固有の記憶を維持したのか?って問題。
途中で こっそり抜け出して祠に向かったのか?とか謎です。

②崩壊(1-4週目)の感想とレビュー

1-1週目のCROSS CHANNEL(みみ先輩と仲良くなる展開)と ほぼ同じですが、細かい部分とラストだけ違います。

<流れ・1-1との違いなど>

・ループ世界に入る前の合宿は険悪ムードだったとの説明→1-1週目では そこそこ仲良くやっていたが‥?
・初日の朝は曜子ちゃんが太一を起こしにくる展開
・七香と太一の会話が最初の1-1と違う
・冬子は生存するが1-1と少し展開が違う
・ループがかかる前の日に放送部メンバー同士の仲間割れが発生
・太一が霧にクロスボウで殺される
・曜子ちゃんが太一の仇として、放送部メンバーを皆殺しにする

<感想>

1-1週目のCROSS CHANNELルートと、ほぼ同じだったので違いと気になった点だけ書いていきます。

1-1週目は、合宿でケンカしながらも仲良くやってるような展開でしたが、こちらの1-4週目の崩壊ルートでは合宿中は ずっと険悪ムードだったと書かれていました。

どっちが正しい展開だったんでしょうか?
個人的な予想では険悪ムードっぽいですが‥

合宿はループ世界に行く前だから、一本道ルートのはずだけどね

初日の朝は曜子ちゃんが太一を起こしにくる新展開がみれます(ちょっとムフフな展開あり)。
そこで太一は曜子ちゃんに貞操帯を付けられる。前回の展開で太一が霧とムフフなことをしたからという理由で(曜子ちゃんは太一のノートを読んだ感じなんだろうか?)。
太一が七香に会っている間は貞操帯について触れられてますが、崩壊ルートに入る(確定する)と貞操帯のことがなかったような感じで話が進みます。

これはバグというか、分岐ミス?システムミス?ですかね。
貞操帯が関わってくるのは後の美希ルートだから、崩壊ルートに入ると その後の展開に辻褄が合わなくなる‥という気づきでした。

全然関係ないけど、貞操帯に鍵とか付けられてるけどトイレ行くときどうするんだろうか?という疑問もあった

そういえば、曜子ちゃんが太一を起こしに来たときの新CGがありましたね(健全なやつ)

その後、太一は七香に会いますが、太一は こんなことを言っていました。
「七香に存在感がない・人間じゃない」→鋭い
「周囲からの悪意とか害意とか気にするあまり、原因を容姿に求めてしまう」→あるある
「俺が仲間と つるんで普通に生きる資格がないのと同じ」→根本的な原因は太一のせいじゃない
ほかには七香が曜子ちゃんことを良く思ってない所がみたいだとか→太一鋭すぎる(ネタバレすると七香は太一の母親だから)

細かい所は忘れていましたが、大筋の展開をほぼ知っている状態でみると、色んな伏線が散りばめられていたんだなぁという発見がありますね(^^)

あとは大体、1-1週目と似たような展開になりますが、美希の新CGをゲットしたり、1-1週目で出なかった選択肢で冬子にサンドウィッチを渡したり。

ラストはタイトル通りに崩壊します。
1-1週目は放送部メンバーが全員集合して、仲良く?SOS発信している展開でした。
崩壊ルートでは、純化(1-2週目)の展開と同じく仲間割れ。
ただし、太一が死亡する展開が純化とは違いました。純化では太一は壊れたフェンスから落下しますが、崩壊では霧にクロスボウの矢を撃たれる。
そして、太一を殺したから?曜子ちゃんが放送部メンバーを皆殺しにして、太一は絶命するという流れ。

ここで一番気になるのは美希の所在だよね、どうやって逃げたのかという・・

ネタバレすると、固有の記憶を持った美希は生き延びるために支倉先輩と交渉したり、霧を犠牲にしたりしたと言っていましたので、そうやって逃げたという線が濃厚ですね

1番可能性が高いのは、仲間割れする可能性がある≒太一の命が危ないかも?という情報を美希が曜子ちゃんに予め伝える代わりに自分の命は助けるように交渉した・・とかですかね?
しかし、皆殺しCGからは美希っぽい脚が見えてるんですけどね(^^;まぁ、あまり突っ込まないでおく。

崩壊ルートは1-1週目と展開がほぼ同じですが、既読スキップできない部分が多かったのが、ちょっと辛かったですね(^^;)既読スキップできたのは過去の回想シーンくらい?

③INVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARS(1-5週目)の感想とレビュー

ここに来て ようやく「田崎食料へ行く」という選択肢が出てきました。
つまり固有の記憶を持った美希ルート。筆者がクロスチャンネルで1・2を争うくらいに好きなルートです。

ちなみにINVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARSを日本語に翻訳すると→「見えない殺人、見えない涙」でした。
この美希ルートの中で出てくる言葉ですね。「見えない手(殺人者)」とか「涙が出ない(≒共感できない)」とか。
「涙が出ない≒共感性に欠ける?」という点は、太一と美希が似ているといわれている部分でもある。

<流れ>

・前回の崩壊とほぼ同様、太一を起こしに来たあと曜子ちゃんは どこかへ調査に出かける
・太一と霧のおふざけ追いかけっこが始まる
・美希の雰囲気に、どこか違和感を覚える太一
・美希、霧、太一、みみ先輩でアンテナ設営をする
・途中、4人でサバゲーごっこをしたり仲は良好で進む
・曜子ちゃんが祠の近くで死亡する
・太一が曜子ちゃんを殺したと勘違いする霧
・前にも増して霧と太一が敵対的になる
・つづけて冬子死亡、桜庭が隣町まで人がいないか確認しに行く
・友貴死亡、みみ先輩は飛び降り自殺する
・霧はみんなの死は太一がやったと思い、美希を守るために太一を殺そうとする
・そんな2人をみて美希は霧と太一を殺そうとする、霧死亡&太一は軽傷
・ほぼすべてを把握している美希がループ現象について太一に説明
・太一は傷が浅かった&暴走が収まったので美希に生かされることになる
・ループがかかる前日、美希は固有の記憶を保持、太一は記憶のリセットを望む
・ループがかかる当日、美希は祠へ行く、太一は屋上で放送をする
・しかし、ループがかかる数分前に美希が太一のいる屋上に現れる
・美希は太一に、まだ話してなかったパラレルワールドの秘密を教える
・美希と太一の2人はループ初日に戻り、記憶をリセットされる

・・というような流れです。
「偶然=見えない手」+「調停役の美希」によって、仲間が次々と死んでいく話。
だいぶ端折りましたが、結構ながくなりましたね(^^;)

<感想>

今までのほかのルートと違い、ループに加えてパラレルワールドの秘密が明らかになる展開です。
太一が別のルートで感じていた美希への違和感が、ここに繋がっていきます。

最初のほうで「田崎食料に行く」という、今までなかった選択肢が出てきます。
この選択肢を選ぶと、INVISIBLE MURDER INVISIBLE TEARS(以下、固有の美希ルート)に入れる。
おそらく、崩壊・純化・CROSSPOINTを見ないと入れないっぽいです。

崩壊で出てきた、太一が曜子ちゃんに貞操帯をはかされる展開が ここで生かされてくる。崩壊ルートのときは途中から貞操帯が なかったことになっていましたからね。
太一が霧と追いかけっこしてるときに転んで貞操帯が外れて、太一は気絶(正確には七香にブッ飛ばされて気絶)。美希に介抱してもらう展開になります。

貞操帯の代わりに、太一が美希に ぞうさんパンツをはかされる展開には笑ったwシュールすぎだろw

太一が美希に「永遠の今でいろ」みたいに冗談でいいますが、このルートのネタバレを口にしている(^^;)

このルートでは「固有の記憶」を持った美希が、永遠と1週間を繰り返しているのがわかる話ですからね

太一は美希に頭がいいと言われていますが、筆者も本当にそう思う。
曜子ちゃんみたいな頭脳と身体能力はないかもしれないが、(勉強はできないらしいが)地頭がよく身体能力も悪くはない。何よりメンタルが強い。作中では このメンタルの強さが仇となって太一は壊れてしまった(怪物化した)みたいに言われていますけどね。
太一が美希に適応係数の数値について聞くときも相手を不快にさせないように慎重に聞いてるし、気遣いもできるし素晴らしい。ふだんのセクハラと奇行とのギャップよ‥(^^;)
まぁセクハラと奇行は太一が他者とコミュニケーションを取るために「意図的に」作った性格(人格?)みたいですし。この人格が完成するまでに、冬子や遊紗ちゃんを実験に使ったりね。

美希は幼少期に人にケガをさせたとかで群青学院に来たのだとか。適応係数は40そこそこ。
このルートの終盤の方で分かってきますが・・美希は表裏ある性格で自己愛の強い性格らしい。自分を守るためには他者の犠牲もいとわない。
個人的にはサイコパスっぽさは感じませんけどね。自分の特性に罪悪感のようなものを抱いてるし。
太一と美希は やっぱり似ている。

ほかの人の考察(実況動画)で「美希がサイコパスっぽくて怖い、冬子(適応係数46)よりヤバいじゃん」みたいに言われていましたが、筆者的には依存度が高い冬子の方が怖い(^^;
美希と太一は筆者と考え方が少し似ているので、むしろ親近感がわくというか・・。

やっぱり人によって感じ方が変わるもんですねぇ

このルートで改めて言及されていますが、合宿が険悪ムードで終わったのが正史だったようですね。
人類滅亡に気づいたメンバーたちが「食料調達係(友貴)」と「世界にSOSを出す係(みみ先輩)」に分かれたと。

太一は夏場なのに毎日風呂に入ってないと美希にドン引きされていますが、この人類滅亡世界では風呂に入るのにも一苦労だから仕方ない気もする(^^;
でも人類滅亡前から太一は毎日風呂に入ってなかったっぽいですね。曜子ちゃんが毎日風呂に入るのは常識だと教えてくれなかったとかで。

たぶん、曜子ちゃんは太一が女の子にモテるのが嫌だったから教えなかった感じだろうね・・

こういう、お茶目さが曜子ちゃんの可愛い部分でもある(^^)
思いっきりネタバレですが・・曜子ちゃんが太一の朝食や夕食の支度をしていないところを見ると、週の半ばではなく、初日の方でもう死んでいた可能性が高いですね。
太一も、いつもある曜子ちゃんの監視の目(気配?)がないと言っていて違和感を覚えていますし。

この殺伐とした世界で、美希・霧・みみ先輩・太一で楽しそうに屋上でサバゲーごっこしてるシーンがよい。
この少しあとの殺し合い+3人以外全員死ぬ展開との対比よ・・。
あとサバゲーを楽しんでいるときに、霧が壊れたフェンスから落ちそうになるんですが、それを美希が助ける新CGが追加されていましたね。

たとえ霧が死んでも来週には復活することを美希はわかっているのに、自分がケガをしてまで助ける所。
美希のこういうサイコパスになりきれてなくて、うまくやってるようで不器用な部分が人気なんだろうなぁと。
※クロスチャンネルは人気キャラ投票みたいなのがないので、考察関係の記事を参考にすると美希と桜庭は人気が高いのがうかがえます

固有の時間を生きる美希にとって、ケガと病気は怖いもののはずなのに・・

美希は霧を助けたときに軽くケガをして出血するのですが、その美希の治療を太一がします(太一はこの時点では曜子ちゃんが死んでることを知らないので、曜子ちゃん=名医を呼ぼうと考えていた)。
しかし、太一は自分を近くで監視しているはずの曜子ちゃんを呼んでも来ない。
しかたなく太一が自分で美希の治療にあたりますが、太一は血が苦手。
治療を行う中で太一が血をみても暴走しなかった理由は、美希の血は「友達を助けた美しい血」だからだと言っていましたね。
このことから、太一の中では「血(赤)をみる=自分が危機的状況にある」という本能が働いてるっぽいです。

美希も太一のこと(暴走のこと)を知っているので最初は太一の治療を断っていましたが、みみ先輩は手当が苦手らしく、警戒しつつも太一にお願いする流れに。
「傷口が痛い・・」という美希に「それは恋だ」と冗談をいう太一。こういうコミュ力の高さとノリの良さがいい(^^)

放送部での活動のあと、霧・美希・太一で山での夕日デートのシーンが始まります。
ここの後から人間関係が崩壊していく。曜子ちゃんの死体を見たことをきっかけに太一がキレて(誰が殺した?とキレて)、霧も太一が殺したと疑心暗鬼になって悪意ノイローゼになる。

曜子ちゃんは「何者か」が仕掛けた罠によって死んでいたけど、曜子ちゃんの死体をみるまでは太一は罠を仕掛けたのは曜子ちゃんだと思っていたよね。罠を作れる人間なんて限られているという理由から

※エクストラストーリーの曜子ちゃんの話でわかりますが、曜子ちゃんも絶命する前は罠は太一が仕掛けたと思っていた

太一は曜子ちゃんの死体をみて、静かに涙を流します。
太一は無自覚のようですが、曜子ちゃんが死んだことに結構ダメージを受けていますね。太一的には曜子ちゃんは幼馴染ですしね。

一度、PS2版とPC版をプレイしている筆者だからいえますが、終盤での胸が痛むような涙とは、やっぱり違う感じなんでしょうかね?
太一的には「涙」にカウントされてないし

涙は流れるけど「心が泣かない」・・みたいなことを太一は後に述べてますしね。

曜子ちゃんの死をきっかけに霧と太一は完全に敵対するわけですが(霧が一方的に太一を敵視している)、CROSS POINTルートでもそうでしたが、霧が太一に向ける言葉の数々がひどすぎてプレイヤー(筆者)にもダメージが貫通してきましたよ(痛い)。
太一に吐く暴言に筆者ちょっとオコ。

まぁCROSS POINTルートは過去と現在の太一の暴走で霧を傷つけてるわけだから、ギリギリ情状酌量の余地はありましたが、このルートの霧はひどい。この話でも豊の過去は共通だろうけどさ。

「その目は人間の目じゃない!」って霧から太一への暴言が酷い。色んなルートで言ってたけど、太一は自分の異質な目を気にしているからね

美希は霧と太一の敵対をなんとか取りなしますが、霧の悪意ノイローゼが強すぎて霧は話が通じないような状態になってしまう。
太一は そんな美希の方に違和感を覚えます。
「美希って こんなに強靭なメンタルだったっけ?」とか「背が伸びてない?胸も成長している?」など。鋭い。

あとは、太一が七香に会って会話するシーン。
七香は再度、祠のことを太一にいいますが、太一は祠周辺は曜子ちゃんが眠る場所だから近づけないと言います。「もし立場が逆なら曜子ちゃんは自分(太一)の仇を取るだろうけど、自分はできないから申し訳ない」「合わせる顔がない」と。
すると七香は「対等でないと合わせる顔がないってことは、相手にも対等になって欲しいということ」「それは残酷な考え」といいます。

ここの会話は「たしかにな・・」と思いました。
無自覚に「相手に自分と対等になってほしい」と願うのはクロスチャンネルでいう所のエゴというやつですね。
だからといって、曜子ちゃん・冬子・2週目の和解後の霧みたいな不健全な主従関係は筆者はお断りですが・・(^^;太一も主従関係みたいなのが嫌だから曜子ちゃん・冬子と距離を置いているわけですしね。
※ちなみに2週目の和解後の霧にも太一は やんわりと注意している

夜、桜庭は太一の家を訪ねてきます。隣町まで人を探しに行く旅に出ると。このルートの桜庭は ここで退場。
このおかげで?桜庭は このルートで生き残れる。もしかすると、この町にいても生き残っていた可能性もありますが。

つぎの日、再度 霧は太一を殺そうと静かな宣戦布告をして太一の命を狙いますが、ことごとく失敗。
ここの殺し合いと心理戦が初日の霧と太一の追いかけっこに似せる表現が上手い。初日はお遊びだったけど、今回は本気の殺し合いの追いかけっこという。

書き忘れていましたが、冬子もこの時点ではとっくに死亡しています。
冬子の死因は餓死ですが、胸にナイフが刺されていて「何者か」が他殺にみせかける細工をしている。そして、冬子の死体を霧にみせて、霧が太一を殺そうとするように仕向ける。
この時点で、思い当る犯人は1人しかいないですよねぇ・・(^^;

その後も、友貴が例のごとくアンテナを破壊しようとして事故って死亡(アンテナが自分に突き刺さった?)、その友貴の死体をみてショックを受けた?みみ先輩も屋上から飛び降りて自殺してしまう。
七香は特殊な存在なので除外するとして、人類滅亡世界には太一・美希・霧・桜庭の4人だけになる。

太一と霧の追いかけっこは続く。
霧は「美希を殺すな」といい、太一を屋上まで追い詰めるが、もみ合っている2人に美希がクロスボウで攻撃。
霧は致命傷を負って、太一も脚を負傷する。
ここで初めて、霧は太一が犯人ではないことを知って太一に謝罪し、絶命。
太一は脚を負傷しつつも、美希に事情を聞くという流れです。

美希は太一に自分が知ってることを「一部を除いて」すべて話します。
ループのこと・祠のこと・自分(美希)は固有の記憶を保ってること・なぜ皆を殺したか?など。
・ループ→1週間を何度も繰り返していること、記憶もリセットされる、死亡しても復活する
・祠→ループがかかる直前に そこにいると固有の記憶が保てる(リセットがかからない)
・美希が固有の記憶を保つ理由→ループ現象=毎回死ぬことに耐えられないから
・なぜ皆を殺したのか?→霧以外は偶然の仕業とのこと(太一的には罠にかかった曜子ちゃんの死は美希によるものと言っているが・・)
※祠周辺に罠を仕掛けたのは美希だが、あの場所に近づいてほしくないという理由と、罠があったら慎重に移動してくれる→自分(美希)が逃げる隙ができるという理由らしい、つまり誰かを殺す意図はなかったと

戦闘能力の高い曜子ちゃんが罠にかかる確率は約1/100だが このルートで偶然罠にかかってしまい死亡、冬子は餓死、友貴は事故、みみ先輩は自殺だからね、霧はループがかかって復活するから殺したという理由だね

美希と太一の会話で気になった点が1つあります。
「祠周辺で死んだ場合、どうなるのか問題」やっぱり復活しない感じなんでしょうかね?
曜子ちゃんは今回、祠の近くで死んでいたので気になりました。翌週復活しているところをみるとギリギリ大丈夫だったっぽいですが。
祠周辺のリセットがかからない範囲って、どうなってるんだろう?

この後の太一と美希の会話で心が打たれて、PS2版で筆者は大号泣した思い出(T_T)
・美希は強すぎる自己愛と共感性の欠如に、ひそかに苦しんでいる≒自分を責めている
・太一は人に擬態して他者を犠牲にしているのではなく、ただ人であろうと必死に生きている
・美希と太一は似ているのに、むしろ美希より「重い」のに自分(美希)の何倍も努力している
・そんな太一に美希は憧れている
・・というような会話。

大好きなシーンなので簡単なマンガにしてみました↓

おそらく、美希は太一の日記を読んでるから太一の本質を知っているんだと思いますが・・。
太一の努力に気づいてくれてる人がいて、(曜子ちゃんや冬子と違って)健全に太一の根っこの部分を好きになってくれている。筆者は号泣(T_T)
美希はこの時点で自覚がないかもしれませんが、それが「共感する」ということですよね。やはり自分と似た他者の頑張りほど自分を動かすものはないという話。
しかし、ループがかかると、この記憶が消えてしまうのが本当に惜しい。

逆に、太一の本質を知らないと霧みたいに他者を面白がって傷つける愉快犯にみえるわけですね

各キャラに「ままならない」という言葉が頻繁に出てくるけど、群青にいる者は本当にコレだよね

太一は美希に気絶させられた後、自室で目を覚まします。美希が太一を太一の自室に運んでます(前回もですが、よく太一を担いでこれたなと・・太一は痩せ型だが50~60kg前後はあるだろうに)。
美希は太一が暴走したと思って最初は殺すつもりだったそうですが、太一の暴走が収まったのと、すべてを知った太一と話がしてみたいということで太一のケガの治療をして太一を殺さないことに決めます。
ここでも少し深い会話をしていますね。

強い自己愛と他者に対する共感性の欠如に苦しんでる美希に、太一は「それでもいいんじゃないか」とアドバイスする。
世界は自己犠牲が美徳とされる・美しさを強要する世界だけど、自分(太一)は世間に受け入れてもらうために何年も一生懸命フレンドリーにしている。
しかし、いままで何も変われていない、ふとした瞬間に暴走して制御できなくて大好きな人を無意識に傷つけてしまうと。
この部分、リアルの世界でも悩んでいる人が大勢いそうな話で、PS2プレイ当時からずっと印象に残っていました。
この部分が、後の みみ先輩ルートの「群青にいる者は誰かを傷つけながら自分も傷ついてる」って話なんですよね。
本当にシナリオライターの田中ロミオ先生すげぇわ。生きづらさを抱えてる人に対する解像度の高さよ。

ここで、太一と美希のムフフ展開が見れます。
美希は このルートの太一と ずっと一緒にいたくなり、固有の時間を一緒に過ごすことを提案しますが、太一はツラい記憶が多かったから一度リセットしたいと断る。
ツラい記憶を抱えたままだと、どこかの時点で暴走して美希を傷つける可能性もあるからと。

最終日、太一は放送をしに学校へ行き、美希は祠に行ってお別れになる。

別れ際の「今週もーお世話にーなりましたー!」という美希の明るいサヨナラが泣ける

・・がループがかかる数分前(?)に美希は太一がいる学校の屋上へ駆けつけて、伝えてなかった最後の事実を太一に教える。
「この世界は元いた世界と違う別世界である」という。ちょっと超常現象をふくんでいますが、太一の目が合宿の帰りに放送部メンバーをこの世界に引き込んだという事実。
※この「太一の目が原因」という部分だけは太一だけが自覚している

ここも大好きなシーンなので簡単にマンガにしてみました↓

「人の痛みとか全然わからないんですよ」なんていって内心自分を責めてた美希が初めて太一という他者を好きになって、他者に共感するという意味を自覚するシーンは本当に大号泣でした(T T)
筆者が太一や美希の考え方に近いからというのもありますが・・。

美希はループ開始までに祠に戻ることは不可能になってしまいました。
つまり、美希がずっと欲してた尊い自分・共感するという かけがえのない気持ちもリセットされてしまう
いや、本当にままならねぇですな。

そして太一と美希は記憶がリセットされる。隣町に行った桜庭もですね。

最後にちょっと余談ですが・・
太一が屋上で放送開始するときに、アンテナ近くで死んでいる友貴が邪魔で茶化すシーンが少し笑える。
デス友貴、(死体なので話しかけても しゃべらないから)シャイなガイとか言ってるし(^^;

たった1つのもの(1-6週目)の感想とレビュー

いよいよ大枠での1週目が終わります。
太一が世界の秘密すべてを知って、固有の記憶を持って行動しようと決意する話です。

<流れ>

・太一が七香に連れられて、祠に行く話なので世界がループしているのを序盤の方で知る
・ただし、パラレルワールドについては後の方で知る
・祠にあったノート(今までのエンディングや出来事が書かれている)にはバッドエンドかバッドエンドに近いノーマルな結末しかない
・それを踏まえて、放送部メンバー皆でワイワイ仲良く過ごすハッピーエンドルートを模索する太一
・1週間では時間が足りず、うまくいかなくて絶望する
・実は もっと凄惨なエンディングが書かれたノートもあったらしいが、太一が傷つくと思って曜子ちゃんが隠していた(このルートのバッドエンドがそれに当たるかも?あとはエクストラストーリーで少し語られている)
・太一は曜子ちゃんの頭脳を借りて、パラレルワールドの可能性について考察する
・その後の選択肢によっては、太一が全員を皆殺しにする(バッドエンド)or曜子ちゃんが太一以外を皆殺しにする話(正規のルート)になる
・正規のルートでは放送部メンバーで仲違いが起きる→崩壊の話と似ている
・その後、太一は祠に行き、自分のせいで放送部メンバーをこちらの世界に引き込んでしまったことを知る
・みんなを元の世界に送り返す方法を発見し、太一は固有の記憶を持って放送部メンバーを送り返すことを決意する

ちょっと疑問なのが、「皆でワイワイ仲良く過ごすハッピーエンドルートを模索する太一」の部分。
プレイヤーが最初に みせられた放送部メンバー皆が楽しそうに過ごす話は何だったんだろう?という疑問。やっぱりアレは太一の妄想だったんですかね・・?(^^;
あと、CROSS POINTルートは冬子が死ぬ&霧が少し壊れるわけだからベストエンドではないが、放送部メンバーは大きな仲違いをしてないし、まだマシな気もしますね(ノーマルエンドに近い?)。

<感想>

ループが始まって次の1週間目に入るとき、いつもなら時計の針が巻き戻る演出が入るんですが、この「たった一つのもの」のルートに入る前は それがありませんでした。
おそらく何か特別なルートなんだろうと予測できますね。

たった一つのものの序盤は友貴・桜庭・太一の友情?の話が語られています。
あと、「たった一つのもの」のバッドエンドをみた後に もう1週すると、太一と桜庭の過去話が見れます。
前回の固有の美希ルートで少し語られていた部分のつづきですね。

それにしても、太一は勘が鋭いよね
毎回記憶をリセットされてるのに真実に近づくスピードが速いというか(固有の美希もいってた)、七香を幽霊的な扱いにしたり

前の方でも少し触れましたが、七香の本心としては太一をどうしたいのか気になりますね

この世界の秘密を知って、固有の記憶を持ったまま、この世界で過ごすことでしょうか?=太一の幸せ?
太一の心の闇を考えるに、何も知らないまま皆で過ごす方が筆者的には幸せな気もしますがね。
※太一いわく、ノートに罪の記録が残って自分(太一)が苦しむらしいけど、七香が太一を祠に連れてこなければいいわけだし(何度も繰り返す1週間で偶然に」祠にいき、太一がノートを発見して傷つく可能性はあるが・・)
最終的に太一は皆を元の世界に送り返して、一人になることを決意します。それが太一にとっての幸せなら、そうかもしれませんが・・。

七香は毎回「祠に行け」と太一にアドバイスだけしますが、今回は七香自身が太一を直接祠に連れていきます。
このへんは固有の記憶を持った美希がいなくなったからでしょうかね?
あと、祠周辺の茂みには罠があるらしいけど、固有の美希はもういないはずだから曜子ちゃんか?またはループを免れる範囲が以外に広いため、過去に仕掛けた罠が残ったままなのか?という疑問。

太一は祠にあるノートを読んで、世界がループしている可能性を見出します。CROSS POINTルートと同じですね。
ここで、「曜子ちゃんなら すでにノートの存在に気づいていて、自分(太一)が考えてる可能性についてはとっくに思い当っているだろう」と予測しています。
太一のこういう自覚がある部分が優秀なんですよね。メタ認知ができてるというか。
普通の人なら、そこまでの思考に巡りつけない。

太一は祠に行ったあと学校に向かう途中で美希に会うんですが、先週の美希(固有の記憶を持った美希)と違って、弱くなってる・・(^^;
美希が固有の時間を保てるようになった経緯(偶然?)も気になりますね→このへんはエクストラストーリーで語られています。

今までのノートを読んだからかもしれないけど、太一は美希と似たもの同士って自覚あるんだなぁ

「1週間限りだから、人が一生を懸命に後悔なく生きる」・・みたいなことを言われていますが、無限に1週間がつづくなら怠惰に生きそうな気がしますがね・・(^^;

このルートでは曜子ちゃんについて少し語られてますが、曜子ちゃんも例の事件で多少壊れてしまってるので、無感情で自動的な行動は仕方ない気もする。
太一は曜子ちゃんと主従関係ではなく、人間として対等な関係を持ちたいと思ってるが、曜子ちゃんが太一に依存してしまってるから(ネタバレすると曜子ちゃんは太一に恐怖してる・・という部分を曜子ちゃん自身が見て見ぬフリしてる)→この事実を太一から突き付けられることを恐れている=これが太一が唯一、曜子ちゃんに対抗できる切り札って感じか。
本当に、このへんの複雑な心理描写が上手すぎる(^^)ロミオ先生。

そういえば、電気も止まってるわけだからトイレも使えない気がするけど、みんな普通に使ってるな。電気を使わない形式の水洗トイレなんだろうか?
それいったら学校の屋上でホースの水とかも普通に使ってたけどね・・(^^;

筆者は霧にワザと殺されて、太一と桜庭の過去の話をみました(たった一つのもので1回バッドエンドをみれば見れるっぽいです)。
桜庭は悪意に鈍感らしく、傷つくと無茶をするそうです→旅に出たり、踊ったり、演奏したり。これが何度も語られてた桜庭の突拍子もない行動の1つですね。

やっぱり生きやすいという意味では「鈍感力」は結構重要ですね

場合によっては「鈍感力」で困ることもあると思いますが、比較的安全な日本だと鈍感な方がいいのかもしれません。

終盤はバッドエンドと正規ルートに分岐する選択肢が出るんですが、最初は正規ルートをみて2週目に入ってセーブ。バッドエンドも見る形にしました。

正規ルートでは、放送部が仲違いして、曜子ちゃんが太一以外を皆殺しにする(太一を守るため?)。
そのあと曜子ちゃんは太一に「あなたの理解者は自分(曜子ちゃん)だけだ」といいますが、今まで各1週目のルートを巡ってきた自分としては固有の美希の方が太一を理解してるんじゃないかと思いました。
美希なりに太一と対等な関係でありたいと行動している部分もね。美希の群青色部分から太一を警戒している描写もありましたが、曜子ちゃんよりは理解している気がする。

というか曜子ちゃんは頭の回転が速くて優秀だから諦観も速いのかな?

内容と関係ないですが・・曜子ちゃんと太一が新川の連中を皆殺しにしたときのCGって、放送部の皆を皆殺しにしたCGと一緒ですよね?色を少し変えただけで。使いまわし?

曜子ちゃんと太一以外が死んで、祠に行くと七香が現れます。
そこで、太一自身が皆をこの世界に引き込んだこと、皆を元の世界に送り返す方法を太一は知ります。
固有の記憶を持ったまま少し試行錯誤して、上記の方法や条件を確信する。

ここで太一は いつも暴走して皆を傷つけるから「自分のことが嫌いだ」と七香にぼやきます。それを聞いた七香が本気で太一に怒るシーンは印象的ですね。
ネタバレすると、七香は太一の母親だから悲しかったということでしょうか。
そして、七香は「普通でいるために頑張れる太一は素晴らしい」と励ます。

太一が皆を元の世界に送り返す方法を知って送り返す決意をすると、「最後に一人になってもいいのか?」と七香は太一を止めますが、太一は皆を送還すると改めて決意する。
この時点から固有の記憶を保持した太一が1週間に1人ずつと「思い出」を作っていき、元の世界に送り返す作業が始まる→2週目の話・・となります。

長い大枠での1週目が終わりましたが、ついでに太一が放送部メンバーを皆殺しにするバッドエンドも見ていきましょう。

このルートでは、うまく行かなくて絶望している太一に「自分だけ(曜子ちゃんだけ)が太一とうまくやれる」と太一に断言して、太一は曜子ちゃんに小さな怒りを抱く。曜子ちゃんに怒りをぶつけるとバッドエンドになります。
ちょっと曜子ちゃんのムフフ・・な展開が見れる。

その後、みみ先輩が屋上から飛び降りて自殺する(おそらく友貴の死体をみて)・・のを太一が目撃して血をみて暴走、みみ先輩・冬子・友貴など既に死んでいる人間以外を太一が殺害→バッドエンドの流れです。
ここのシーンは矛盾が多いので(太一の錯乱状態をプレイヤーとシンクロさせるために?)ハッキリとはわからないですが、一応詳細と感想を書きます。

・みみ先輩の自殺の原因は友貴の死?
・友貴の死体に移動された形跡があったと書かれていますが、みみ先輩が移動させたのか?
・アンテナ破壊の描写もなかったし、霧がクロスボウでみんなを殺そうとした描写もなかった
・太一の話だと・・曜子ちゃんが霧を殺す→止めようとした何人かに曜子ちゃんは手をかける→曜子ちゃんを止めようとして太一が曜子ちゃんを殺す→それを見た生き残りが太一を化け物扱いして太一を殺そうとする→仕方なく太一が全員殺す

こんなようなことが書かれていました。
暴走した太一を化け物扱いは地雷・・というか太一のトラウマそのものですからね(^^;そりゃ狂いもする。

関係ないですが「かまいたちの夜2」でも似たような展開がありましたね

あと太一が皆殺しにするときの文章で(残酷すぎて?)伏字が使われていました。
「美希は〇して、壊れた」「〇してから〇した?逆だっけ?」・・みたいな表現。
つまり、マンガ寄生獣の浦上みたいなことになったと。そういえば、寄生獣になぞらえた描写は終盤の方でも出てきますね。

ゲームSWAN SONGでは、クロスチャンネルで伏字を使ってるような箇所が(文章のみですが)思いっきり描かれていました。
おなじ18禁ゲームでも違うんだなぁと。寄生獣もそうですが、年齢制限のないマンガの方が表現がキツイ場合もありますしね。特に昔に描かれたマンガは今ではNGとされる表現が多い。
・・と、こんな感じで「たった一つのもの」のバッドエンドは終了します。

さすがに、太一がこのバッドエンドの記憶を抱えて固有の時間を過ごすのはキツすぎるので、リセットされてよかったと思いました。
ただし、ノートが積みあがるごとに自分の罪が記録されていくと太一は言っていますがね・・(^^;

2週目の詳細な流れとレビュー

最初の選択肢が出るところまでのタイトルは前回の「たった一つのもの」ですが、どの選択肢を選ぶかで個別ルートに分岐していきます。

<大枠での2週目>

・大切な人(佐倉霧エンド)
・Disintegration(桐原冬子エンド)
・謝りに(宮澄見里&島友貴エンド)
・いつか、わたし(山辺美希エンド)
・親友(桜庭浩エンド)
・弱虫(支倉曜子エンド)

曜子ちゃんルートは最後じゃないと入れません。
あと美希ルートは霧ルートクリア後じゃないと入れないようです。
・・という条件はありますが、好きなルートから進めていきます。

2週目で個人的に好きなルートは霧ルート、みみ先輩&友貴ルート、曜子ちゃんルートです。
名言が多かったり、謎が解けたり、推しキャラが可愛かったりするので(^^)

大切な人(佐倉霧エンド)

<流れ>

・霧と太一は この世界に来る前から敵対しているので、太一は暴走しないように細心の注意を払いながら霧と和解していく
・いままでしていたセクハラも抑え気味で、霧の信頼を得ようと奮闘する
・霧も太一を警戒しつつ、太一に対して少しずつ態度が柔らかくなっていく
・終盤近くに太一の過去、豊との関係の真実を霧に伝える
・その後、霧と太一は和解し、太一は霧を元の世界に送還する

基本的にはCROSS POINTルートと同じですが、2週目であるこのルートは太一が霧の信頼を得ようと奮闘する部分が違います。
CROSS POINTルートでは太一は自分の身を守るために霧の心を壊しますが、このルートでは霧の心を壊さないよう、豊をかばいつつ真実を告げていきます。

<感想>

2週目の中で1、2を争うレベルで好きなルートですが、CROSS POINTルートと似た内容の繰り返しなので、言及する部分が少ないかもしれません。

太一は霧の信頼を得ようと、霧のご機嫌取りを始めます。
食料を分ける、挑発するような行動をしない、セクハラしないなど。
ノートで過去の記録を確認し、霧の好感度が上がりそうなイベントだけ起こしていく。余計な接触をして未知の悲劇に見舞われないようにする等。

鋭い霧は太一に違和感を覚えつつも、太一の頑張りは伝わってる模様

「いまの知識と経験を有する俺、固有の俺は死ぬわけにはいかない」・・みたいなことを太一は言っていますが、固有の美希も同じことを言っていましたね(さすが似たもの同士)

いまは霧を攻略している状態だからほかのキャラクターのことは考えないようにしている太一ですが、週の中盤に気まぐれで2年の教室へ行ってしまいます→冬子の様子を見るため?
ノート(過去の記録)をみるに、週の中盤は冬子が自宅で衰弱しているので学校へは来ない。ほっとくと冬子は餓死コースです。太一の心はざわつく。
太一も冬子のことはわかってるけど、助けてあげられない。太一は自分もいつ暴走するか わからないからと。
霧の攻略失敗→再度繰り返しても、どんな確率で(霧を)攻略できる状態に持ってこれる分からないからと、冬子も助けたい気持ちを必死で抑えている。
※たとえば、冬子を送還後に霧ルートに入ると、もう冬子には会えないというような意味で太一は心がザワつく感じなのかな?(未検証なので分からないですが・・)

固有の美希ルートでの美希も言ってましたが、霧を犠牲にするたびに ごっそり心が抜け落ちる。
その記憶を持ったまま生きるのは地獄だと。たしかに世界がリセットされれば誰かが死んでも復活することはできるが・・。
太一も美希と似たような心境になっているんでしょうかね?

ED曲CROSSINGの歌詞にもありますが、太一は皆と二度と会えなくなるから楽しい思い出を胸に焼きつけようとするシーンが泣ける(T T)

霧は「今の」太一に違和感を覚えつつも、深夜、太一を殺すための訓練をしつづける。
ここがCROSS POINTルートと違って、霧は訓練にも身が入らない様子でした。
「いまの太一は何かを必死に頑張っている」「怪物じゃない普通の人間になったのでは?」という考えが霧の中に芽生えはじめていたため。

太一が「幸せの形が人と違う」・・というようなことを言っていますが、これはその通りですね→幸せの押しつけはよくない

太一の幸せ・願いは「友達とつるんで、普通の青春を送りたい」という、わりとありふれたものなので自分と違う群青色(障害?)を持った者の変わった幸せの形にも考えがいたる点が太一の頭のよさを表していますね。

霧は次の日も深夜の訓練をつづけます。CROSS POINTルートと同じ展開になりますが、細部が少し違います。
・曜子ちゃんは霧を殺そうとするが、曜子ちゃんは太一に協力するために演技している
・太一は自分が怪物であることを認めて、自分自身と戦うことを霧に宣言する
霧は太一と豊のことを訊きたいと太一に申しでる(後日に持ち越されるが)
・脚にダメージを負った霧を太一がおんぶで家まで送る
・・大まかに、このあたりが違いましたね。

「霧は人が正しい状態でいることを期待してしまう性質がある」と太一に心の中で指摘されています。
公正世界仮説を信じる人・潔癖症な人に多そうですね。つまり「正しい」状態にいない者を排除したがる性質でもある感じか・・(^^;

金曜日はCROSS POINTルートと違って、美希がふさぎ込んでて家から出てこない話になっていました。
CROSS POINTルートは固有の記憶を持った美希なので、メンタルが強靭だったというのもありますね。
そこで太一が霧と美希を海に誘って、3人で遊びます。両手に花デートと言っていました。固有の美希ルートでも使われてた言葉。
この海デートで美希と霧、太一の新しいCGが見れます。

土曜日は、太一が霧に「太一と豊とのこと」を話す約束の日です。
CROSS POINTルートと違って、太一は暴走して霧を襲わなかったので、前回よりは穏やかに話し合いができています(それでも霧は太一にクロスボウを向けて脅していますが)。

ここの和解のシーンが好きなので簡単にマンガにしています↓

2週目では、豊がやらかしたことの原因は豊の父親にあるとしています。
豊は犠牲者で、悪くないと今の太一はかばう。しかし、過去の太一は「許せない気持ち」と「許したい気持ち」が混在していて、豊に酷いことをいって自殺に追い込んでしまったと。

話のあと霧と太一は和解。霧が太一の家に来て、償いについて話し合います。
償い→とりあえず、太一は霧と日曜日に祠に一緒にいく約束を取りつける。
たぶん、ここにムフフ・・なシーンが入ってると思いますが、直接的な描写はないです。

太一と和解したあとの霧のデレ具合(依存に近い)がすごい・・(^^;
太一や固有の美希みたいな自己愛の人たちは除くけど、ちょっと壊れている人たちは すぐに主従関係を結びたがりますよね。

日曜日、霧と太一は祠についたら太一は先輩として最後に霧に「世間とうまくやれるようにアドバイス」をして、霧を元の世界に送還する。
元の世界に戻った霧は、太一がいなくなってしまったことに大きく悲しむ・・という所で終わりです。
あれほど敵対していた霧。太一が自分の目の前からいなくなってしまったことに悲しむ場面にジーンときます。

もう筆者は何回もみていますが、2週目の霧ルート大変よかった(^^)

謝りに(宮澄見里&島友貴エンド)

みみ先輩&友貴ルートも名言や深い内容が多くて、大好きなルートです。
こちらも1週目のみみ先輩ルートと ほぼ似た内容ですが、中盤と終盤の展開が少し違います(太一もノートにない展開だと言っていました)。
そして1週目では語られなかった、みみ先輩と友貴の仲違いの理由も明らかになります。

<流れ>

・みみ先輩と太一はアンテナを組み立てる作業をする
・太一は みみ先輩がケガをするタイミングもすべて知っているので、ケガのフラグを回避する
・いくら みみ先輩と仲良くしても、みみ先輩は太一に本心を悟られないようにしている
・物語終盤の方で、太一は友貴が屋上のアンテナを破壊しに来ることを知っていたので阻止
・友貴は太一と会話中、みみ先輩が側にいるのを知っていて、過去のこと・自分の思い(みみ先輩に対する恨み)をぶちまける
・みみ先輩は友貴の話を聞いて、逃げて家に引きこもる
・太一が みみ先輩を説得して(騙して?)祠に連れていく、友貴も呼んで
・みみ先輩と友貴を元の世界に送還する

<感想>

こちらのルートも1週目の初回や崩壊ルートとほぼ同じですが、みみ先輩の怪我フラグを回避・ムフフなイベントが2回ある所・終盤以外は同じですね。
あと、曜子ちゃんの可愛いイベントが見れる点が個人的に癒されました(^^)

ループ後の初日、七香の姿は見えないが「…」というセリフがあるので、七香は隠れて太一を見守ってる感じだと思います。
太一は みみ先輩に対してどのように接して、元の世界に送還するか考える。
太一の目標的には みみ先輩から楽しい思い出をもらいつつ、険悪な雰囲気で送還しないこととしています。
みみ先輩は他者に対して依存度は高くないが、(表面はともかく)誰に対しても心を開かないという特徴がある→みみ先輩の群青部分と過去の事件と後悔によるものだと思われる。
なので、太一は積極的に みみ先輩に絡みに行く。軽く拒絶されても。

じつは過去、放送部に太一を誘ったのは みみ先輩だということが このルートで判明します。
放送部に入ってなかったころの太一(中学3年生くらい?)は他者を傷つけないように避けていたので、当然、部に誘いにきた みみ先輩にも塩対応。
何度も説得を重ねて、太一を放送部に入部させることに成功したという経緯がある。しかも、適応係数が高すぎて部に入れない太一のために隠れて色々動いてくれていた みみ先輩。

太一は そのことを知っていたので、みみ先輩に感謝していると作中で何度も言っています。

この時点で みみ先輩に惚れそうになるけど、みみ先輩が不人気キャラなのが信じられないね

クロスチャンネルは他のキャラが強すぎますからね(男キャラも)
かくいう筆者も美希と太一推しなので人のこともいえませんが・・

ただし、みみ先輩の行動は規律を乱す者・ルール破りをする者を許さないという特性から来ているので、太一が孤立していて可哀そうとか、人助けが動機ではないとされています。
太一も それをわかった上で、みみ先輩に感謝している。
個人的に思うのは・・みみ先輩の自分の中の規律やルールが最初にはあったんだろうけど、太一の抱えている「普通コンプレックス」を即座に見抜いて、自分(みみ先輩)と同じだと共感を示したりしていたので、太一を助けたい気持ちもあったんじゃないかと。
みみ先輩は1週目で暴走した太一に軽く襲われたとき、霧みたいに太一を責め立てることもなかったですしね。「群青にいる者だから仕方ない」と。
まぁ、みみ先輩は罰を欲していたらしいので、太一を責めなかったって可能性もありますが(この部分は後述)。

2週目のみみ先輩ルートの時点で、太一は固有の時間を何週もしているらしく、アンテナの組み立ても そこそこ素早くできると書かれていますね。
なので、みみ先輩が休んでいる間に太一がアンテナの組み立て作業を進めたり、曜子ちゃんに作業を手伝ってもらったりして遊びに行く時間を確保する。

このルートでは、太一が放送部に入る前(太一が中学3年生で、みみ先輩が高校1年生?)の回想が何度もあるんですが、そこでの話が共感させられるものばかりでした。人間関係で苦労してきた人なら多分、共感すると思います。
「一人でいること、誰も傷つける可能性のない安息」→CROSSINGの歌詞にも似たような一文がある
「第一目標は人の中で生きることで、楽しむことは考慮に入れてなかった」
「人付き合いは高い買い物、支払うべきは持続的なストレス環境」
「得るものは過程のみの結束、ハッピーエンド抜き、億劫になる」
「孤独を日常化、自らの心を鈍感にする以外どんな手段があったのか」
・・というようなことを放送部に入る前の太一は1人、屋上で考えていました。
いつ来るかわからない・コントロールもできない他者を傷つける暴走衝動を持ちながら、普通の人として生きたいと願う太一の心の叫びですね。

精神や脳(?)に異常を持ちながら、健常者と同じ欲求(感情・さびしがり屋)は持ってるって地獄だよなぁとは思う

精神や脳が人と かけ離れてるなら、感情や性質も それに最適化されてないと苦しいですよね

冬子、美希、霧、みみ先輩とちがって、太一は過去の事件の影響で後天的におかしくなったから、仕方ないのかもしれませんが。

何度か出てくる迷言?も笑えていい↓
「飛び交う電波、燃え上がる友情、様々な事件、そして和解・・あなたも凡人目指して我々とともに頑張ってみませんか?」「群青学院放送部は、自信のない多感な少年を募集中です」
太一も、みみ先輩のこの文言にクスッと来て入部すると言っていましたし。
後に この文言は一部をアレンジして、太一は友貴の説得にも使う。

さらに、PS2にはなかった みみ先輩が酔っ払って、服を脱ぎだすCG(太一の嘘)が見れました。

友貴は、みみ先輩と仲良くする太一に度々忠告します。姉貴(みみ先輩)に裏切られるぞと。
このルートの太一は終盤になるまで、この姉弟に過去 何があったのか知らないので、「裏切らないことが信頼の条件か?」と太一は友貴に返します。
人間は人格者でいたい生き物だから、そうだ・・とは答えられないでしょうけど。友貴も。

みみ先輩ルートなのに、曜子ちゃんの可愛いイベントが見られます(詳細は曜子ちゃんルートでマンガにしてます)。

人間関係における哲学が描かれています。ここも名言のオンパレード。
・ありとあらゆる人間関係において、軽度の攻撃は快楽になる
・強すぎれば損傷するが、基本的に人が人に触れる手段は攻撃しかない
・交友とは手加減の上手さでしかないように思う
・合意のもとで互いにつける擦過傷は心を豊かにする→本音で ぶつかってるような気になるから?

いまはパワハラとかセクハラに厳しい時代なので、「適度な攻撃」は簡単ではないでしょうけど。
相手に冗談をいったり、ふざけてみたりも軽度の攻撃に入る。これらがないと他者と仲良くなれた・心を許した&許された実感がわかないと。

コミュ力最強の人は この攻撃の力加減が上手いし、果敢に挑戦するし、引き際も上手い・・うらやましい

筆者は余計なことを言ってしまうタイプなので、当たり障りのないことしかいえませんし、コミュニケーションにモチベが保てないという・・(^^;

みみ先輩との思い出がほしい太一は本来の自分の信念(他者に本気では干渉しない)を捻じ曲げて、みみ先輩に積極的に干渉しつづけます。
1週目で みたムフフなイベントをみた後の次の日、アンテナの設営は曜子ちゃんに任せて、みみ先輩と太一は海に行く。
みみ先輩は過去に犯した罪の意識から「罰」を欲しがってることを察する太一。みみ先輩に罰を与えるという名目のもと、海で みみ先輩とムフフなイベントが見れます。連続できましたね(^^;

ここでの話も聞き入るようなものが多かった。
・自分(みみ先輩)は ひどい罪を犯した
・もし、そのときに戻ったら、より正しい選択ができたんですか?
・できないなら反省なんて意味がない
・同じことが繰り返されるだけ
罰を受けても、過去の罪は許されない

上記は太一が みみ先輩に言っている言葉ですが、たぶん太一自身にも当てはまる内容なんだなと。
太一が長い間、悩んできて出た結論がこれ。
だから2週目の霧にも罪なんて概念(自分の作り出した幻影みたいな?)なんだから気にするなとアドバイスしてましたしね。
※罪を犯して何らかの被害者がいる場合は、この考えを表に出してはいけない」ですが・・考え方としては その通りなんですよね

太一は みみ先輩と積極的に交流しても、みみ先輩との溝が埋まらないこと≒攻略失敗を悟る。
太一は自分の過去(トラウマ)をさらしてでも、もっと みみ先輩に踏み込まないとダメなのかと考える。

ループがかかる1日前の土曜日の夜、太一は屋上に隠れていた。アンテナを破壊しに来る友貴を待つために。
そして、予測どおりアンテナを破壊しに来た友貴は太一と取っ組み合いになり、その後、友貴から みみ先輩と友貴の過去を聞く。
※アンテナが完全に破壊される前に、友貴を止める展開は初めてっぽいです(ノートにもなかった展開?)
※このルートの文章から、みみ先輩は何度かあったアンテナ破壊ルートの犯人が友貴であることを土曜の時点で知っていた可能性がありますね(だから高確率で自殺していた?)

ちなみに1週目でも語られていますが、友貴は みみ先輩の「逃避行動≒部活に没頭」が許せなかったからアンテナを破壊したとのこと。一人で部活をして嫌味ったらしく見えたのも気に入らなかったと。

大好きなシーンなのでマンガでも描いています↓

ここのシーンも名言や聞き入る話が多いです(太一と遊紗ちゃん・友貴・みみ先輩の過去が詳しく聞けます)
※上記のマンガの内容とも少し被りますが詳細
・太一は遊紗ちゃんを妹のように可愛がっていたのは本当だが、冬子と同じく自分が社会で上手くやれるかの実験の意味も込められていた
・太一は遊紗ちゃんと接するときには、良い兄のような「フリ」をしていた
・あるとき、太一は自分を抑えきれなくなって暴走(遊紗ちゃんを追い詰める)→遊紗ちゃんに嫌われる
・太一は遊紗ちゃんに嫌われた理由を「本当の自分を知りながら偽る行為≒裏切り」ではないと分析する
・太一が遊紗ちゃんに嫌われた真の理由は自分を偽っていたからではなく、太一自身の特性「ふとした瞬間に理性をなくして人の心を壊す怪物になる」に よるものだと
・つまり、太一の場合は本能のままに生きていたら人から嫌われるということ(おそらく、みみ先輩も)
・これらを踏まえて、友貴は姉(みみ先輩)の裏切りが許せないというが、本当に「裏切り」が許せないのか?と再度問う
・結論、友貴は裏切りではなく、姉の人情を無視した規律やルールの押し付けという特性が許せないということだった
・友貴は姉に対して、親しい人でも規律やルールに違反すると傷つける≒裏切る自分勝手な人間だと思っていた
・友貴は身障(心は健常者)で群青にいるので、太一や みみ先輩の「心障」の理解が浅かった→ここが仲違いの理由
・過去に友貴&みみ先輩の母親が みみ先輩の特性が嫌になって、みみ先輩のことを捨てようとしたことがあったらしい
・それを父親が かばったという
・父親と母親は離婚して、「母と友貴」「父と みみ先輩」にわかれた
・父親は養育費や慰謝料などの金を捻出するために脱税?横領?をする
・それを知った みみ先輩は父親を通報して、父親は逮捕される
・みみ先輩の特性を理解できない友貴は姉を冷酷な裏切り者だと思うようになる
・太一と友貴の会話中、屋上に みみ先輩も来て、友貴も自分の思いをすべて みみ先輩にぶちまける
・みみ先輩は友貴の言葉に耐えられなくなって逃げる
・太一は友貴に自分の特性、みみ先輩の特性(太一の予測だが)について教える
・友貴は一人考え込む
・太一は明日「社に来い」と友貴に言い残して、太一は みみ先輩を追う

太一も みみ先輩側の人間だから、みみ先輩の気持ちが痛いほどわかるんですよね(健常者から共感されないツラさとか)

「群青にいる者は誰だって、傷つきながら誰かを傷つけている」ここのセリフ響くよね

「真の悪意とは何なのか?」考えさせられますね(^^;

翻訳はイマイチですが、こちらの書籍も内容が面白かったのでオススメです↓


屋上でのことがあった後に太一は みみ先輩の家に行くが、太一自身が暴走する可能性があったので翌日に説得することにする。
太一は攻略失敗=やり直しの可能性に少し喜ぶ。また みみ先輩と接触できる(別れの先延ばし)ということだから。
でも、固有の記憶を持つ太一は致命的な思い出はできるだけ避けないといけない。その後の暴走率が上がってしまう可能性もあるので。
なので可能なかぎり早く、みんなを送還しなくてはならないと考え直す。

翌朝(ループがかかる日曜日)、太一は みみ先輩を家まで説得しに行って社まで連れていく。また罰を与えるという嘘の名目で。

太一は別れのとき、みみ先輩に「部活に誘ってくれて、ありがとう」「あなたの価値観の押し付けでも俺はうれしかった」と言いながら別れを告げる。送還。
ギリギリで社に来た友貴も送還。「遊紗ちゃんに謝っておいてくれ」と伝えて。

2週目のみみ先輩&友貴ルートは名言も多く、共感させられて本当にいい話だった(T_T)

Disintegration(桐原冬子エンド)

Disintegrationを日本語にすると「崩壊・分解・分裂」のような意味があるようです。
1週目で「崩壊」というルートを見ているので、ハッピーエンドを目指せるのか?と思いますよねぇ・・(^^;
冬子の群青部分が「強い依存性」だから解決するのが難しそうです。

<流れ>

・1週目の「純化」と内容的には似ている
・ただし、太一は冬子が依存しすぎないように つかず離れずの距離を保つ
・学校では積極的に冬子に絡み、冬子が餓死しないようにする
・純化ルートで ぼんやり示唆されていた太一と冬子の過去が明らかになる
・元の世界に戻ったときに、冬子が世界と戦えるように(生きていけるように)に助言していく
・送還

<感想>

内容は純化ルートと似ているので、1週目で明かされなかった部分かつ、気になった部分のみ感想として書いていきます。

太一はノートで学んで、冬子との距離感について試行錯誤しながら攻略していく。
冬子が太一に依存しすぎると、冬子が元の世界に戻ったときに生きていけなくなる。しかし太一も冬子との思い出が欲しい。
なので依存関係ではなく、健常者の人間関係(友人っぽく?)を目指して進めていく。

作中で太一と冬子の「最初の出会い」が描かれていました。
・冬子は群青に来る前に通っていた お嬢様女子高で友人関係でトラブルを起こしていた
・適応係数試験を受けさせられて群青に来る
・冬子は元友人から差別的な視線を向けられる
・冬子は自分が群青学院の生徒だということを認めない→周囲と壁を作り、教師にも反抗
・孤立する冬子に太一は目をつける(太一は孤高でいる存在に憧れる傾向があるから)
・そこで太一は自分が健常者の「演技」をすることで社会に溶け込めるのか?という実験を行う
・太一は冬子に お世辞をいったり健常者らしい振る舞いをして、ずっと冬子のご機嫌取りをしていく
・冬子は段々と太一に依存して、独占欲が強くなって壊れていく→ヤンデレ化?メンヘラ化?
・段々と冬子が手に負えない存在になっていく
・太一はこれ以上、冬子が依存して壊れないように別れを告げるが冬子は当然反発
冬子は太一の気を引くために自分の腹を刀で(?)切る
・その後、曜子ちゃんが間に入って冬子を助ける
・・という過去の経緯がありました。

人によって感じ方は違うんでしょうけど、冬子が怖い・・((((;゚Д゚))))ガクガク
冬子の姓である桐原(キリハラ)→腹切り(ハラキリ)という意味がここでわかる。

太一は初対面の冬子と少し言葉を交わしただけで、どういう性格(性質)の人間なのか一瞬で見抜くのが地味にすごい。普通なら30代くらい(ある程度の社会経験を積んだ)になって、ようやく身につくスキルなのに。
おそらく「孤高なフリをしてるけど、本当は寂しがり屋」という部分までは見抜けたんでしょうね。
ただ、冬子の群青部分「相手に依存しすぎる・独占欲強めで、自傷行為もいとわない」までは見抜けなかった。

太一も冬子がおかしくなってから自分で言っていたけど・・
「群青に来るくらいだから、どこかしら おかしい」という考えに最初はいたらなかったよね

冬子ルートにはハッピーエンドは存在しないと太一は言っていました(おそらく1週間という短い時間縛りなので)。
作中でも言われていましたが、時間をかければ もしかすると冬子も立ち直れる可能性はあるんじゃないかと思います。
とにかく、冬子には自分の特性に対する自覚が足りないので、そこを認知することから始めなきゃならない。時間もかかりそうですが・・。
(そう考えると、高校生という若さで自分の特性を自覚できている太一・みみ先輩・美希はすごい)

冬子の特性上、孤高でいることが理にかなっているのに本人の性格が寂しがり屋(依存体質で独占欲強め)って状態は中々厄介ですね・・(^^;
本人が寂しがり屋という性格の自覚があって、依存体質であることを理解できれば・・まだなんとかなりそうな気もしますが。

放っておくと高確率で餓死という展開がなければ、太一も冬子を見ているだけで絆になるといっていましたしね

本来、太一はちょっと離れた所から冬子を見守りたいのに、それだと冬子が餓死してしまうから関わらざるを得ないというね。

太一も自分が冬子をおかしくさせた(演技して騙した)という罪悪感が多少なりともあるので、放っておくわけにもいかない。
・・と描写されていましたが、太一も壮絶な過去を持ちつつ社会で必死に生きていかないといけないから仕方ない気もする。
普通じゃない人間を社会は生かしてくれないし、本当に ままならんです。

太一は冬子が餓死しないように積極的に絡んでいきますが、冬子が太一に完全依存しないように好感度を調節していく。
冬子も冬子で過去の太一の裏切り?を恐れて、少し躊躇している状態です。
依存が強いぶん裏切られたときのダメージが大きい。期待するから苦しむ、だから最初からないものと考えると。それなのに太一が(過去に)声をかけてきたからと、やや棘のある言い方を冬子は太一にしていました。

冬子の言い分も太一の言い分もどちらもわかるから、筆者的には なんとも・・(^^;
太一は自分は異質だから(健常者になりたくてもなれないから)、健常者の絆や情けを模倣して、ある程度は人を意のままに操る力が必要と考える。
太一は認知能力が高いから、他者への観察力も高い。健常者が喜ぶであろう「より正しい答え」を選べる。
でも、人を利用することに自己嫌悪感を抱く優しさも持っている。ホントに過去の事件さえなければ・・。

冬子は過去~現在を通して、太一の群青部分を知らない感じでしたね。「太一のような(一見、健常者な)人間がなぜ、ここにいるのか?」と過去に問うてたし。
太一は冬子の前では暴走したことがない、かつ冬子が自身にしか興味がないから(余裕がないからともいえる)でしょうかね?
思えば、冬子と友貴くらいじゃないでしょうか、本当の太一を知らないの。
・霧は過去に太一の暴走を見てる
・みみ先輩は観察力や洞察力に優れているので、太一のことをなんとなく見抜いていた
・美希はループ世界で太一の暴走をみた&ノートを読んだから知っている(ただし固有の美希のみ)
・曜子ちゃんは過去ふくめて、太一のすべてを知っている
・桜庭もなんとなく、太一の苦悩を見抜いていた
※ループ世界では太一が暴走して、冬子を殺害する話もありましたが記憶をリセットされているから認知できない

Disintegrationルートは純化ルートと違って、太一は1度冬子に手を出すと、どうにもならないと言っているので、過去回想(新CGあり)以外はムフフなイベントはないです。

ループ世界で冬子の世話をするために、太一が冬子を自宅に泊まらせますが、太一は自制するために冬子に寝袋を使わせます。
当然ながら冬子は太一に抗議します。太一の「女は男のための袋ではない」ってセリフ、純化のときの仕返しセリフですね(あんたが言うのかい!とツッコミたくなる)。
ほかにも純化ルートで やられたことの仕返しイベントがあって、それも面白い。ライターであるロミオ先生のセンスよ(^^)

筆者が好きなイベントの1つ、冬子の魂である刀をへし折るギャグ(当時は爆笑しすぎてヤバかった記憶)↓

「冬子が冬子であるために・・」って太一のセリフもいいですね

過去、冬子が壊れていく過程で太一が冬子に「しっかり自分を保て!」って言い聞かせるセリフがあるけど、たぶん普段、太一が自分自身にも向けてる言葉なんだよな

冬子は「自分を保たなくてもいい」とか言ってるし・・(^^;
まぁでも「失敗しすぎて?」「何をしたらいいのかわからなくて?」学習性無力感になってる可能性もありますしね。そこはちょっと共感する。

太一は冬子が望む「好き」を提供できないと、心で語っています。つまり みみ先輩や美希と同じく仲間としては好きだけど恋愛感情ではないと。
中盤くらいに冬子は自分(太一)を好きなわけじゃなくて、逃げてるだけだと指摘していますしね。
自分(冬子)をかまってくれる人間なら誰でも良かったということ。
ネタバレですが・・過去に曜子ちゃんも太一に同じことをしてるから、すぐ見抜かれていますね。

冬子は自分に触れようとしない太一に不安になりますが、冬子の中では「互いに依存しあうこと=人とのつながり」・・みたいな図式になってるんでしょうかね?
筆者自身も人とのつながりの正解がわからないので、なんとも言えませんが・・共依存関係はイヤだなぁという感覚。

そんな冬子に太一は、
「俺が好きなのは孤高でも平気な顔して世界と戦ってる冬子」
「冬子のこと好きだから(半分ウソだが)助けるが冬子に溺れたくない」
「俺は冬子の逃げ道じゃない」
「だから恋愛にもなってない」
・・と冬子に伝えます。
冬子が元の世界に戻ったときに一人でも生きていけるように、太一は必死にアドバイスしてます。
ウソを付いてでも冬子を助けようとする太一は やっぱり優しい。

太一は「冬子を元の世界に送還したら、冬子は一人で生きていかなければならない」「立ち直るのに どれくらいの時間がかかるのか?」「立ち直ること自体あり得るのだろうか?」と考えだします。
ネタバレすると冬子は送還後、群青にいる自分を受け入れて戦おうとはします(太一との約束があるから?)。しかし、上手くいかなくて何度も壁にぶつかっている様子がうかがえる。

さびしがり屋な人・一般的な人にとっては、孤高な人間は強くみえる&モテる感じなんでしょうかね?たいていの人間は孤独に耐えられないと言いますし。

冬子に色んなアドバイスをし、日曜日、太一は冬子を祠に連れていって、元の世界に送還。
別れ際、太一の「今度は冬子を捨てるわけじゃないからな!」というセリフが、とても良かった(^^)

親友(桜庭浩エンド)

つぎは男キャラの中でも人気の高い桜庭エンドです。このルートは すごく短い。
桜庭は太一が内心に抱えてる苦悩を知ってるような発言が多いです。天然っぽいキャラだけど鋭さもある。
「健常者の中では」桜庭が1番、太一の内心を理解していたと思われる(健常者ではないが、固有の美希も太一に似た性質があるという理由から太一の理解度は高かった)
※桜庭は健常者?→桜庭は自分から志願して群青学院に来たという経緯がある、片耳が聞こえにくいという点以外の外傷・心障がない健常者に近い存在

<流れ>

・太一は桜庭はチョロいと考えていたので日曜に身柄を抑えておけばいいと考える
・なので日曜の朝に太一の自宅集合と伝えるが、桜庭は旅に出ようとする
・桜庭は太一の苦悩や考えが お見通しなので、所々の言動で太一を驚かせる
・送還する前に自分(桜庭)は太一の親友になれていたか?と問われる
・太一は泣きそうになり、桜庭を強制送還

<感想>

固有の美希ルートでみた展開と違って、桜庭が太一を旅に誘う流れになりました。
太一は桜庭を送還する前に旅に出られると困るので、来週なら一緒に旅に出ると不可能な約束をします。
一応、逃げられたら困るので、太一は日曜まで桜庭を自分の家に住まわせる→ほとんどイベントもなく、日曜日になり太一は桜庭を祠に連れていき送還します。

別れ際になって、桜庭は太一が何をしようとしているのか察している言動をします。
太一が送還する前に桜庭は・・
「なぜ、こういうことをする?」
「つるむのは お終いなのか?」
「けど、一番ショックなのは お前が追い詰められているのに何もできないことだ」
「最近の太一(合宿や皆の仲違いの仲裁で)は ずっと無理をしていた」
・・とプレイヤー&太一が泣いてしまいそうなことを伝えてきます(T_T)

それに対して、太一は「桜庭の分際でシリアスなことを言ってるんじゃない!」と誤魔化そうとしますが、桜庭はすべて分かっているような態度。
「行っちまえ!」と桜庭を元の世界に送還。

太一は桜庭送還のあと、乾いた笑いをずっとしていますが・・親友との永遠の別れなのに「視界が滲むことはない=涙が流れない」と自分を責めているような言動をする。だからこれで良かったと。
太一は自分は桜庭の親友にふさわしくない・・みたいに思ってしまったんでしょうかね・・?(T_T)

桜庭は健常者に近い立場なのに、太一のことを見抜いていた点がすごいなと思いました。
太一と似た境遇・思いをしてきた みみ先輩とか固有の美希または 幼少期から太一をみてきた曜子ちゃん等ならともかく、相当の想像力または観察力がないと太一の苦悩を知ることは難しい。

「好きだから、よく見ていた?」説→桜庭の場合、部活のみんなが好きだと誰かのルートでも言っていたので、みんなの苦悩をなんとなく理解していたような節もありますね。
作中でもありましたが、アッー的な意味でも桜庭は太一を好きという説もありますが・・(^^;

いつか、わたし(山辺美希エンド)

固有の記憶がなくなった美希ルートなので、戦闘力も精神力も低い美希です。

<流れ>

・このルートは霧を送還した後じゃないと開放されない
・(筆者の場合は)曜子ちゃん以外のほかの全員を送還した後にルートに入りました
・つまり太一、曜子ちゃん、美希以外はいない世界
・ルート開始1日目、霧がいないと太一に泣きつく美希
・太一は美希に霧を思い出させないように美希と行動を共にする
・一緒にお菓子を食べたり、海に行ったり思い出を作っていく
・過去の固有の記憶を持った美希と今の美希を重ね合わせて懐かしむ太一
・最終日は祠に美希を連れていって送還

特に大きな事件や騒動もなく、2人で遊んで楽しんで送還する流れです。ムフフな展開もある。

<感想>

このルートの感想を書いてる時点で軽くエクストラストーリー(本編クリア後に開放されるアフターストーリーや過去回想、本編の各キャラ視点、本編にはなかったルート)をやりました。
エクストラストーリーの美希の場合は「どのようにして固有の記憶を持った美希が誕生したのか?」という話でした。ネタバレすると本当に偶然から(本編でも言われていた「見えない手」というやつ)でした。
詳しくは後述していますが・・たしかに、この部分は多くのプレイヤーが気になった所ではないでしょうか?
七香の助言を受けていた太一と尋常じゃない優秀さを持つ曜子ちゃんならともかく、適応力は高いが頭の回転が少し良いくらいの美希が世界の秘密に自力で気づく可能性は低いですしね。

2週目の美希ルートに話を戻して・・
人がいなくなったことで毎回ショックを受けて泣いている美希を太一が慰める展開から始まります。

固有の記憶を持った太一がいるから「偶然に」世界の秘密を知る美希は もう現れないんだろうなぁ

太一も同じことを言っていますね
どれだけの時間をかければ・・どんな偶然が重なれば「無敵の美希≒固有の記憶を持った美希」に育つのかと

このルートでは太一が固有の美希を懐かしむようなセリフ(思考)が何回か出てきますが、1週目の美希ルートでは太一は記憶を失ってるはずだから、ノートを読んで固有の美希の存在を知っているだけですよね?(^^;
あの言い方だと、プレイヤーと一緒に全ルートをリアルで見てきたような言い方ですがね。

あと余談ですが・・エクストラストーリーをみた感じだと、廊下の血の話はどうしたんでしょうかね?
いつもは固有の美希が掃除していたから、太一の暴走を食い止められたという話でしたが。
たぶん太一がノートを読んで、廊下にある血を避けてるか、何度もみたから慣れたか・・ですかね。

初日は泣きじゃくる美希に太一はハンカチを渡します。
美希の「ハンカチは弁償します、お金以外で」ってセリフが出てきますが、これは美希が貧乏育ちだかららしい。
太一なら「じゃあ身体で☆」とかいいそうですね(^^;太一もセクハラ心が沸き上がるとか言ってましたし。

一応、2週目美希ルートは1回選択肢が出てきて、間違うとバッドエンドになります。
とにかく送還までの1週間、美希に霧のことを思い出させるような行動をしてはいけない。

一応、バッドエンドも見てみましたが、美希が完全に引きこもってしまって、太一の話を聞いてくれなくなる。
太一は攻略失敗を悟って、一人で過ごし孤独になる予習をするという流れです。全員を送還したら、太一は世界に一人になりますからね。

正解ルートの場合、曜子ちゃんがチラっとだけ出ます。
霧は この世界に存在していて、曜子ちゃんと行動を共にしているという嘘を美希につくために。

美希と太一は2人で沢山遊びます。
過去には師弟関係で(美希は大物になると太一に言われている)、似たもの同士の2人だから楽しいですよね(^^)
太一は後に送還する美希に対して、心の中で「どっちの美希も許してくれるよな?」みたいなことを言っています。
これは固有の美希と今の美希に対して・・って感じなのかな?
固有の美希も、あのときの太一と一緒にいたがっていましたからね。

太一は夏場に3日も風呂に入ってないことを美希に指摘されて、美希にホースで洗われるシーン(1週目にもあった)。一応、下着のみ着用で太一は洗われています。
学校はトイレが使えていましたから、水だけは使える感じなんですね。学校から離れると水は貴重とされている。

太一は美希に洗われてるときに下着も脱ごうとしますが、美希は「〇女の前で やめれー!」と叫びます。
本当に美希のノリの良さ好きだなぁ(^^)なんとなく七香を連想させる。というか七香と美希は結構似ているかも。
太一は美希に「小さくて温かい存在」だと思っていたのは、美希≒七香≒母≒母性を感じていたからでしょうかね。

美希は霧が消えてしまったことに薄々感づいていて、自分たちもいつか消えてしまうのか・・と、ふさぎ込みそうになります。
太一は そんな美希に「みんな いつかは死ぬ(=消える)」「いつか終わりがあるからって、今生きることを放棄するのか?」と問います。「死ぬまで生きたらいいじゃん」と。

太一は本当に いい先輩してるなー、セクハラはアレだけど・・

基本的に太一は地頭がいい、優しい少年ですからね

美希は過去に太一とトラブったわけじゃないし、美希も適応係数の割には闇が深くない(ある程度は自立してるので自分に害がなければ、自傷も他害もない)ので終始平和です。
本当に楽しい思い出を作って送り返す流れ。

最終日の1日前に美希が太一と暮らすために、美希が太一の家に来るシーンがあります(後でムフフな展開になる)。
その中で「太一の隣の部屋は?」という疑問が美希から出ます。たぶん元・曜子ちゃんの部屋ですよね。
太一の写真とかがズラーっと飾ってあるらしい。こういう所が曜子ちゃんがストーカーだと言われる所存か・・(^^;

翌日(ループのかかる日)、太一は美希を(騙して?)祠に連れていって送還します。
そこで気になる話など何点か↓
①美希が元の学校から群青学院に行くとき、群青学院または政府から(?)美希の家庭に金一封が送られたらしい
②美希は鍛えれば、固有の美希みたいな強い人間になれる

金一封っていくらくらいなんでしょうかね?
ネットで軽く検索してみた感じは1万円~5万円という感じでしたが、学校を転校させるレベルなら100万円くらいじゃないかなぁと筆者は予想しています。
美希の家庭は例外ですが、太一たちが住んでるあたりは小金持ち以上が多いらしいですし。
あと、美希は「金一封くれる意味は?」と太一に聞いていましたが、太一は誤魔化していました。
じつは筆者もよくわからない。あえていうなら「転校することに、文句を言ったり反抗しないでくれ」という意味でお金をくれたんでしょうかね?
美希の家庭は貧乏だったらしいので、両親が買収された可能性もある。

太一から美希に送る最後の助言で「美希は鍛えれば、かなりの大物になれる」という話。
プレイヤーはゲームの中で見てきたし、固有の太一はノートを読んで知っている状態だからですが、美希は鍛えれば固有の美希のような強靭な身体能力と精神力、頭の回転の速さを持つようになれる。
元々サイコパスっぽい所がある+適応能力も高いから、経営者にも向いてそうですしね。

筆者の最推しキャラなので、向こうの世界でも幸せになって欲しいものです

筆者的には、美希と太一の似た者同士のやり取りは最後まで面白かった。

弱虫(支倉曜子エンド)

曜子ちゃんの話は太一の幼少期の事件(真相)にも関わってくるので、物語の核心部分です。
太一の適応係数の謎、完璧だと思われていた曜子ちゃんの弱点などがわかってきます。

<流れ>

・太一は曜子ちゃんをどのように送還するか悩む
・曜子ちゃんも(方法はわからないが)固有の時間を生きていて、太一の考えを知ってるだろうから
・太一は やむを得ず、曜子ちゃんを強制的に捕らえて送還しようとする
・しかし、太一の考えは すべてお見通しの曜子ちゃんは逆に太一を捕らえて監禁
・固有の記憶を持った太一を再構成しようとする(→今までの記憶を失った太一にしようとする)
・ループがかかる日、曜子ちゃんは「今の」太一を説得して二人で生きようとするが太一は拒否
・太一は幼少期の記憶(真相)を曜子ちゃんに思い出させて、曜子ちゃんが廃人状態になる
・太一は曜子ちゃんを説得して、元の世界の送り返す

<感想>

太一は今までのメンバーとは「思い出」を作ったあとに送還していたが、曜子ちゃんとの思い出はいらないという。

思い出がいらないのは曜子ちゃんが自分(太一)を利用しているから・・と太一自身が思っているからかね?

あとは単純に「余裕がないから」というのもありそうですね
太一の考えは曜子ちゃんに ほぼすべて見透かされてるだろうし、曜子ちゃんは送還されたくないと思ってる

たぶん、太一は曜子ちゃんを送り返すだけで精一杯なんでしょう。

世界に2人だけになった初日の朝、自宅前で太一は曜子ちゃんに会う。
太一は何となく、今の曜子ちゃんも固有の記憶を有していると思っている。
この予測はたぶん当たってるんだろうけど、どうやって?という疑問は残りますね。
やっぱり太一に気づかれないように祠周辺(ループを免れるスポット)に身を潜めてた感じなんでしょうかね?

このルートでは太一と曜子ちゃんの思惑は ほぼ真逆。つまり敵対せざるを得ない。
・太一は曜子ちゃんを元の世界に送還したい
・曜子ちゃんは固有の記憶を失った太一と この世界で暮らしたい
・・なので、その下準備として曜子ちゃんは祠のノートをすべて燃やす。太一が何らかの理由で記憶を失ったときに状況を把握しにくくするため。ノートを燃やされて焦る太一。
しかし、七香がいるので万一、太一が記憶を失っても七香がまた助言しそうではありますね・・(^^;

曜子ちゃんの将来の夢(?)は情報で世界を支配・コントロールすることらしい。適当な目標がなかったから選んだとのことだが。
身体的・頭脳的に優秀だから、なろうと思えば何でもなれるのは羨ましいですね。
太一は曜子ちゃんに今からでも元の世界に戻って夢を叶えるといい・・と説得しますが、曜子ちゃんは太一の方がいいと拒否されてしまう。

作中でも言われているけど、曜子ちゃんの戦闘能力なら太一を一瞬で殺して再構成できるのに(=記憶を失った太一にできる)、太一を殺すことはしないんだよね

エクストラストーリーをみた感じだと、大名義分がなければ曜子ちゃんは人殺しができないっぽいですよね
(たぶん、メンタル的には一般的な人間なので)

エクストラストーリーのネタバレですが・・
太一の仇(かたき)として、放送部員を皆殺しにする展開では人殺しができたことに若干喜んでいる描写がありましたし。過去のトラウマに打ち勝ったような話でしたね。

太一は曜子ちゃんを送還するのに、どうしたらいいのか頭を悩ます。殺すことはできないので。
そこで太一は、油断しているだろう初日に曜子ちゃんをマイオトロン(スタンガンに似たもの)を使って捕らえて、監禁→強制送還する方法を思いつく。
・・が、その考えは完全に曜子ちゃんに読まれていて、逆に太一が曜子ちゃんに捕らえられて監禁される展開になる。
太一が曜子ちゃんを襲撃しなかったら、どうなっていたんだろう?という疑問はありますね。
曜子ちゃんも太一を殺すことはできない・・と言っていたし。

エクストラストーリーや本編終盤あたりでわかりますが・・じつは太一の部屋には隠しカメラが付いていて、曜子ちゃんが自宅で監視しているという描写がありました。

太一の襲撃に気づけたのは曜子ちゃんの野生のカンだと思っていたら、そういうことだったのね

曜子ちゃんによる太一の監禁とベッドに拘束生活が始まります。
展開的にはエロ展開が多くて書けることが少ない・・(^^;
かんたんに書くと、太一の食事や排せつの世話はしつつ、変化のない部屋に閉じ込めて拘束+三大欲求の1つを意図的に飢えさせて思考力を奪う作戦。
でも「変化のない状況」というのは、これから太一が一人の世界で生活するための予習にもなるのかなと。

ムフフな展開のときに新CGが2枚入りますが、やっぱり結構絵柄が違いますね。
エクストラストーリーをみた感じだと、曜子ちゃんは推し(太一)にガチ恋したストーカーって感じでした。
最後のムフフな展開のときは太一の三大欲求の1つを意図的に飢えさせてたので、太一が自分(曜子ちゃん)を求めるように仕向けるし(^^;
※ちなみにムフフな展開のときも太一は拘束されてます

曜子ちゃんはムフフな展開で太一の三大欲求の1つを満たしてしまったので、太一に考える力が戻ります。
太一は使いたくなかった最終手段を取るしかないと考える。曜子ちゃんに過去のトラウマを思い出させるという。

太一に考える力を取り戻させるという「判断ミス」をするのは曜子ちゃんらしくないけど、太一という推しにガチ恋してるからかね?

もし、太一が記憶をなくして2人の世界になっても、太一は曜子ちゃんを受け入れるかどうかわからないという考えも曜子ちゃんにあったのかもしれませんね(今までの太一の軽い拒絶から)

高確率で太一が曜子ちゃんを求めてくれる(受け入れてくれる)のは、あの瞬間しかなかったのかもしれません。

ループがかかる日曜日、曜子ちゃんは今の太一に一緒に固有の時間を過ごすように提案するが、太一は拒否。
そして、太一は曜子ちゃんが忘れようとしている過去の記憶(真相)を叩きつけていく。

ちょっと長いので真相の概要をまとめます↓
・支倉の屋敷にいた幼少期の太一と曜子ちゃん(霧ルートで語られてなかった部分)
・新川の連中の〇虐待や暴力で、壊れかける曜子ちゃん
・見かねた太一は曜子ちゃんに声をかけて、曜子ちゃんは2人で新川の連中を皆殺しにしようと提案
・曜子ちゃんは太一と一心同体の契約を結んだ→最初は太一を利用するつもりだった(?)
・新川の連中を皆殺しにする日、太一は一歩も動けなくなった曜子ちゃんの代わりに新川の連中を皆殺しにする
・じつは曜子ちゃんは怯えて一人も殺せなかった、太一が新川の連中を全員殺した
・太一が全員を殺して曜子ちゃんの所に戻ったとき、曜子ちゃんは太一に恐怖した≒人殺しだと拒絶した
味方になってくれるはずの半身(曜子ちゃん)に拒絶された経験が太一にとってのトラウマで、人間の心をなくしてしまった原因だった
・その後、曜子ちゃんは壊れた太一を切り捨てることはせず、育てなおして守った
・太一いわく、おかげで人のフリはできるようになったと
・同時に曜子ちゃんは太一に恐怖心と恋心を共存させて、太一を好きだと「思い込もうとした」
・こうして、怪物の太一と依存体質の曜子ちゃんが生まれた

曜子ちゃんのトラウマをまとめると・・
・一人も殺せなかった弱い自分の直視
・自分の感情を正確に把握することを拒否した認知のゆがみ
・罪悪感?プライド?から太一を切り捨てられなかった判断ミス

1・2週目の霧ルートでは、新川の連中に太一が〇虐待や暴力を受けたことで太一が壊れたとウソ(?)を言っていましたが、真相は半身(曜子ちゃん)に裏切られたことが太一のトラウマの正体でした。
筆者的には新川の連中のせいで太一が壊れる原因ができたのだから、ウソでもない気がしますが・・

太一は自分が利用されてても、曜子ちゃんが元に戻ってくれるなら それで満足だったと語っていますね。
太一は曜子ちゃんのことが本当に好きだったからと。
しかし、屋敷から解放されたあと曜子ちゃんは太一に依存して変わってしまった→太一は曜子ちゃんに落胆という話。
※事件が起こる前の曜子ちゃんは他人に無関心で自分磨きにしか興味がない人間だった、そんな曜子ちゃんに太一は憧れを抱いていた

作中でも言っていましたが、太一は幼少期、誰とも関りを持たず孤高で自己鍛錬ばかりしていた曜子ちゃんを崇拝→墜落(太一に依存)して落胆したと。
ということは太一も実は曜子ちゃんを本気で好きじゃなかった可能性がありますね。太一が自分で気づいてるかは不明ですが。
どっちかというと、太一は曜子ちゃんを「推し」として神聖視してるような気がする。だから推しの弱い部分はみたくない。
2023年のヒット曲アイドルでも「誰よりも強い君以外は認めない」とか歌ってましたしね。
「推し=本気で好きなのか?」問題。

いや本当に「愛」って難しいね・・

完全に手の届かない人ならいいですが、身近な人を推し化するのは控えた方がいいかもしれませんね

あと、現在の曜子ちゃんは太一を好きだというけど、実際は太一に「恐怖」していると指摘されます。
相手に恐怖したら同化するか、消すしかないと。
ここは ちょっと反論したい。「恐怖」と「好き」が同居するのは あり得る話だとは思いますがね。
たとえば、固有の美希は凶暴化する太一に恐怖しながら(脅威を抱きながら)、努力家だと太一に尊敬と憧れの念を抱いていた≒好いていた。たしかに、あのときの美希は太一を殺そうとしたけれども、結局殺さなかったし。

たとえば筆者は頭がよくて、欲望に忠実な人に憧れ(≒好き?)を抱きますが、同時に脅威にも思える。利用されて痛い目を見る可能性も高いですからね。
この手のタイプは手の届かない所で輝いててもらうのが適切な距離感かなと。消したり、同化したいとは思わないし。
だから曜子ちゃんが取るべき行動は、太一をただ好きなのではなく「好き」と「恐怖」が同居している感情だと認識することだったのかなと思いました。

トラウマを突かれて廃人状態になった曜子ちゃんに太一は言います。
強制送還されるか?おとなしく送還されるか?
どっちもイヤだという曜子ちゃんに太一は なお続ける。前者を選んだ場合は君と絶交するが、後者ならそんなことはしないと。
曜子ちゃんは、おとなしく送還される。

もう1つ気になった太一から曜子ちゃんへの指摘があって、曜子ちゃんは優秀だから やろうと思えば何でもできるし、なれた。だから一度決めたことを変更できないという。
つまり挫折経験がない=決めたことを変更する必要がなかったと。優秀な人って そんな感じになるんだなぁ。
筆者みたいに大体のことができない人間からしたら想像がつきませんね・・(^^;ウラヤマシイ

そして、祠で曜子ちゃんを送還するときの会話。
太一は再度、「自分を使ったあとで切り捨てればよかったのでは?」と曜子ちゃんに問う。
それに対して、曜子ちゃんは「それで寂しくないのか?」と聞き返す。
太一は曜子ちゃんを理性の怪物だとか言ってたけど、こういう所は人間らしいですよね。
太一は「その人が、その人らしくいるのが好き」だから平気だという。

太一は曜子ちゃんを送還してルート終了。
最後に七香が久々に登場します。ちょっと伏線を残して。
全員を送還したからか、元の世界につづく裂け目も見えなくなっているとのこと。

蛇足ですが・・曜子ちゃんルートはエロすぎてマンガにし辛かったので(他には廃人になった後とかしかなかった)、みみ先輩ルートのお茶目な曜子ちゃんをマンガにしてみました↓

筆者的には、こういうお茶目な所が曜子ちゃんの魅力かなと思いましたね(^^)
太一にガチ恋している様子も可愛いですが・・。

CROSS × CHANNEL(主人公以外だれもいなくなった世界)

放送部メンバーを全員送還した後の話で、世界には太一ただ一人。
太一の独白と回想のみ。あと七香の正体が明らかになる。

<流れ>

・放送部メンバーが全員集合して和気あいあいとした回想(夢?)から始まる→最初のCROSS CHANNELルートの終わりに近いイメージ
・太一はアンテナ組み立て作業をする
・誰もいない世界で、太一は空元気を出して行動していく
・しかし、段々と孤独に耐えられなくなる太一、無意識に屋上から飛び降り自殺しようとしていた
・どこかに人がいないか狂ったように探し始める太一
・祠へ行き向こうの世界のゲートを探すが、ゲートはキレイさっぱりなくなっていた
・太一はこの世界で一生を終えることを再確認する
・同時に太一は自分の赤子のときの記憶がよみがえる
・その記憶の中には自分(赤子の太一)を抱っこしている七香の姿があった
・七香は太一の母親だった
・太一の父親は太一が生まれる前に死亡、七香も太一を生んでまもなく死亡
・太一は赤子のときに母親の愛情をたくさん受けていた
・それを思い出して太一は初めて胸の痛みがともなう涙を流す
・同時に太一は自分は「怪物」ではなく「人」であることを自覚する
・(太一の感覚的には)暴走の衝動がキレイさっぱり消えた→将来的には暴走は起こらない?
・太一は理解できた かけがえのない気持ちを保持するため、改めて この世界がなくなるまで生きていこうと決意する

筆者にとって固有の美希ルートと、このラストはマジで号泣展開です(T_T)

<感想>

太一の夢?回想?からスタートします。このあたりは1週目最初のCROSS CHANNELルートの終わりと似ている。
太一の望みは一貫して、高校生らしく仲間たちとワイワイ青春することなんですよね。
これを叶えるだけでも一苦労だったことを思うと、プレイヤーも泣けてくる。ただみんなと普通に過ごしたいだけなのに、叶えるためには多大な努力と苦労がいる。

太一は空元気を出してアンテナを組み立てる。意識的に声を出さないと声の出し方を忘れてしまうとか→筆者も一人暮らしだからわかるわー(^^;
この時点では放送で、自分の声を届けるとかは考えてないっぽいです。みみ先輩と同じく何かに没頭してないと孤独で気が狂うって感じなのかもしれません。

「①素直な自分でいること」「②仲間と青春しながら生きること」は、よくセットで用いられると太一は考える。
これは太一たちのような適応係数が高い人たちには難しい話かもしれませんね。
たとえば、元々性格が悪い人・心に問題を抱えてる人がありのままの自分でいて、仲間と仲良くできるのか?と言われれば疑問ですしね。
①と②は建前に過ぎないんじゃないでしょうかね?仲間たちが全員健常者で、みんな性格が良い、または平和的な似た者同士の集まりという条件でない限り、やはり「演技」は必要になる。

太一は冬子の回想をする。
ちょっと優しくされただけで、自分の信念もプライドもすべて投げ捨てて相手に依存してしまう冬子。
どんなに信頼できても適切な距離は置くべきと太一は考えます→これはその通りすぎる。
太一も言っていたけど、冬子が人と適切な距離を取りながら人とつながるのは凄く難しいですよね。
冬子の依存体質なら徹底的に人と距離を取って過ごすしかないけど、孤独には耐えられないんだろうし。

人との距離感って難しいよね・・
コミュ強でもなければ、ある程度は大人になっても手探りだし

筆者の場合、さびしがり屋じゃないコミュ障なので、(仕事ならともかく)いまだに人との距離感がわからないし、それで困ったこともないので一生鍛えれなさそうです・・(^^;

それをしないと困るという状況(危機感を覚える)にならないと対策を打てないって感じですねぇ・・
冬子もそういう状況になったら、何らかの試行錯誤をしていくのかな?


太一は(孤独に耐えられなくなって?)無意識のうちに屋上から飛び降り自殺しようとしていた。
だが太一は「死ぬわけにはいかない」と踏みとどまる。たくさん殺して生きたからと。向こうの世界にいるだろう曜子ちゃんに問う。
太一は人を傷つけないために最初は一人でいたけど、暴走すること以外は普通の人間ですしね。あと怪物化も後天的なものだし。

太一はその後、半狂乱になりながら どこかに人がいないか探し始める。
人!人!どっかに人!というシーンはクロスチャンネルファンの間では有名なシーンですね。太一のこの半狂乱な様子はCLOSINGの歌詞にも入ってますし。

その後、太一は本格的に孤独に耐えられなくなり祠に行きゲートを探す(向こうの世界に行くため?)。
しかしゲートはキレイさっぱり消えてしまっていた。
太一は一人の時間からは逃れられないことを知り半分喜び、半分落胆する。

この後に太一が「七香=自分の母親」だということを思い出す展開が泣ける。
上記でも書きましたが、七香は太一を生んでまもなく死んでいますが、太一が赤子のときに「愛してる」と言い、太一に たくさん愛情を注いでいた。
・・のを太一が思い出し、「ちっぽけだと思っていた自分の心に、なんてものが秘められていたんだろう」と太一が号泣。プレイヤーも一緒に号泣(T_T)
初見時、ここのシーンと固有の美希ルートの最後は本当に泣いた。

マンガ寄生獣でも疑似的に母親に会った主人公の新一がポロポロ涙して、壊れた心が「戻った」感覚があった描写がありましたが、母親の愛のパワーはすごいですね。

自分の中の衝動(暴走の衝動?)が消えうせたと太一は感覚的に理解する。この瞬間、太一は やっと「人」になれたと言います→おそらく適応係数も一般人並みになったと思われる
固有の美希ルートで言っていた「尊い自分になるためなら俺はどんな犠牲だって払った=どんな努力だってした」と言っていた太一がずっと望んでいたものを手に入れて、プレイヤーも感動して また号泣。

いまの太一なら元の世界に戻っても暴走せずにみんなと一緒に青春するという夢を叶えれるのに、それはもう叶わない
神様、意地悪すぎるだろ・・(この場合は神様=ライターのロミオ先生)

今回の再プレイでも、やっぱりウルっときましたね。

あと、太一の「目」のことについても触れられていました。
太一は赤ちゃんのときに七香と一緒に暗闇の中にいた(七香は制服姿だったので、おそらく中高生のときに太一を生んだワケありだと思われる)。太一は暗闇の中で母親を探すため成長段階のときに目が夜行性化したそうです。

作中でも言及されていましたが「七香=太一の母親」ということはわかりましたが、なぜ この世界に出てきたのか?なぜ太一に助言したのか?どんな存在・扱いだったのか?・・というのは曖昧なままです。
おそらくは幽霊的な存在で、自分の子供(太一)が幸せを見つける助言をするために出てきたのだと思いますが・・。
七香は太一に何も残せなかった、このさき苦労させるという後悔の念も抱いてましたしね。

この後の太一の独白もいい(T_T)
・人は人にいてほしい、言葉や手紙や電話、無線で呼びかけて→クロスチャンネル(放送)につながっていくという伏線回収
・どこかで誰かが聞いてくれますようにと→今の時代ならブログ、SNS、Youtubeとかも
・俺は「人」なんだ、その充足感だけで俺は生きていける→(泣)
・世界が喪失するのと、自分が死ぬのはどっちが早いのか?
・死ぬわけにはいかない、死ねば このかけがいのない気持ちは砕けてしまう→固有の美希ルートで美希が人を好きになることを理解した展開と同じで泣ける
・生きてやる、自分が寿命で死ぬ前に この世界がなくなるよう願う→「人」のまま死にたいという意味かな?
・暴走の衝動が完全に心から消えたことに不安を覚える、これは一時の夢なのか?
・どこかで誰かが聞いてくれますようにと「また来週」というために放送を続ける

ロミオ先生、本当に いい話を書くなぁ(T_T)
好きなゲームは沢山あるのでナンバー1は決められないですが・・CROSS♰CHANNELは筆者的エロゲ・ギャルゲジャンルではナンバー1です。
これほど号泣したゲームはない。ED曲ふくめて最高でした。

黒須ちゃん♰寝る(登場人物のその後)

送還された各キャラのその後が描かれています。少しだけですが。
太一・その他のキャラで世界は違うけど、太一の放送がみんなのいる世界まで届いているという話。

<曜子ちゃんの場合>
・毎日の自分磨きの訓練と情報収集は欠かさない→これは太一との約束か、曜子ちゃんが太一の世界に行くためか、太一をこっちの世界に戻すためじゃないかと推測している考察者もいた
・曜子ちゃんの部屋にはPCモニターが3台あって、2台は太一を監視する用だったらしい
・情報収集が終わって、浅く眠りにつく曜子ちゃんだが突如ラジオが電波を拾う
・太一の放送がラジオに入って、曜子ちゃんは聞き入る
・放送が終わると曜子ちゃんは泣き崩れる
・なぜもっと上手くやれなかったんだろう?どうすれば太一と一緒に歩めただろうと後悔

おそらく優秀すぎて一度も挫折した経験がないであろう曜子ちゃんが、唯一挫折(失恋)を味わったという話ですね。

<みみ先輩&友貴の場合>
・みみ先輩は母方の家に同居することになる、友貴と一緒に
・みみ先輩が荷物の整理をしているときにラジオの電波を拾い、太一の放送が流れてくる
・みみ先輩と友貴はそれを一緒に聞く
・太一は「今まで分からなかったことが分かるようになり、ベソをかいたりしている」というような話をする
・「無条件で人を好きになれたらって、(人は)大切だとは知っていたけど大切だとは思えなかった」
・「理屈ではわかっていて、気持ちで納得できないのと似ていて・・」
・みみ先輩は(わりと最初の方から?)太一が社会に溶け込むために必死に「演技」していたことにも気づいていた
・太一は本質的に「人」というものを理解していなかったと
・太一は人の愛し方を知らないだけで望んでいた
・「人を好きになる」という事のために、太一は どれだけの苦労をしたのか
・騒いでいるときの狂騒的な態度は人に必死に触れようとしていたのだと、みみ先輩は理解する

みみ先輩の人を見る目が的確すぎるというか流石すぎる・・観察力・想像力・言語化能力に関しては、みみ先輩がナンバー1かもしれませんね。放送部メンバーの中では。
美希は太一と似ている=共感しあえる存在だから別として。

<冬子の場合>
・群青の制服を着て、いまの状況を受け入れようとはしてるが、誰にも依存できなくて塞ぎこむ冬子
・冬子は両親からは愛されていたが、両親以外の他者にも愛されないとダメらしい
・そんなときに太一の放送が流れてくる
・冬子は太一に会いたいと泣き崩れる
・誰も話かけてこない、頭のおかしい女なんて誰も相手にしてくれないと冬子は落ち込む

冬子は自分がおかしいという事には、ようやく気付きはじめた感じですね。
でも自分から話かける努力をしてないっぽいのが、冬子のダメな点ですね。冬子の依存という体質が厄介なのもあるとは思いますが・・。
太一は「演技」してでも必死に人に触れようとしていた。まだまだ太一には追い付けなさそうですね(^^;
冬子も太一みたいに、世界に一人になったら色んなことが理解できたりするんだろうか?

<霧&美希の場合>
・霧は症状改善が認められて群青を出ることになる
・それに対して、美希がうらやましがる
・離れ離れになるのがツライ2人
・美希もいつか群青を出れると励ます霧だが、美希の場合は生まれつきのものだから難しいと答える
・そんなときに美希が持っていたラジオから太一の放送が流れる
・1週目霧ルートでDJをやった時の話(豊の話)をする太一
・誰もいない世界で放送している太一に心を痛める美希と霧
・その放送を聞き終わり、霧と美希は「太一に会いたい」とお互いに言う

霧は一般の学校へ行って世界の悪意にさらされて、また心を病まないか心配です(^^;
太一から霧に送った いくつもの助言をしっかりやっていけば、いつかは強い霧になれるとは思いますが・・。
美希の生まれつきの適応係数40そこそこ(強い自己愛と人への共感欠如?)に関してなら、固有の美希ルートで治ったような展開があったので、希望はあるんじゃないかと思います。
ちなみに太一の放送は、自殺を止める都市伝説のラジオになっているらしい。
曜子ちゃんの所でも少し出てきましたね。

<桜庭の場合>
・桜庭は自転車で旅をしていた
・そんなときに太一の放送を聞く
・親友の太一がどこかで生きてると知り、満ち足りた気持ちになる桜庭

めっちゃ短い・・(^^;感想が言えない。
このあと、タイトル回収として昼寝してる太一をどこかから放送部メンバーが見守っている描写が入って本編は終わりです。

エクストラストーリー(本編の各キャラ視点・アフターストーリー・人類が完全に滅亡する前の話など)

本編クリア後、タイトル画面の「EXTRA」に「EXTRA STORY」というものが出ました。
話は全部で9つ。PS2版では見れなかったエピソードが見れます。正直めっちゃ楽しみにしてました(^^)
内容は主要キャラの本編視点・過去回想・アフターストーリー・人類が完全に滅亡する前の話などです。

気になった順からプレイしました。感想を述べていきます。

・山辺美希の場合
・支倉曜子の場合
・佐倉霧の場合
・宮澄見里の場合
・桐原冬子の場合
・桜庭浩の場合
・島友貴の場合
・CROSS♰`CHANNEL
・AFTER STORY

山辺美希の場合

美希の話は本編の固有の美希ができあがるまでの話でした。
PS2版と初代PC版しかプレイしていない筆者は、美希がどのようにしてループの秘密や別世界だということを知ったのか結構気になっていた。

<流れ>

・ループ世界に入ったとき(周回は不明)、血をみて暴走する太一を初めて目撃する美希
・太一は放送部メンバーを次々と虐殺、必死に逃げる美希
・そのとき美希は「偶然に」山にある祠まで逃げ込んだ
・同時に祠に安置されているノートにも目を通して、混乱する美希
1週間くらい祠にいたが食料が尽きて意を決して街に行く
・殺されたはずの冬子や霧が生きているのを目撃
・「どういうこと?」と、さらに混乱する美希
・その後、おなじ1週間を何週も繰り返していること、祠はループを免れることを確信する
・美希は放送部メンバーの安定を保ちつつ、固有の記憶を持って生きることを決意する、どんな犠牲を払ってでも

<感想>

美希がループの謎を知ったのは本当に「偶然」だったんですね。だから本編でも「偶然」が強調されていたわけか・・。
この世界の神に近い七香は、その偶然を許容した感じなのかな?七香は曜子ちゃんには小言をいっていたけど。
本編で七香は太一に美希の話は一切しなかったので。

固有の美希がはじまる日(エクストラストーリーの美希ルートの最初)、当たり前ですが2週目でみた寂しがり屋で弱い美希から始まる。
この日は、廊下の血(※榊原先生がこの世界に元々いた太一に殺されたときのもの?)を太一が目撃して、暴走。
太一は放送部メンバーを次々に虐殺していきます。美希は必死で隠れて逃げて、食料やサバイバル道具を持って山(祠)まで逃げるという展開。
※CROSS♰`CHANNELルートでわかりますが、実はこの廊下の血は この世界に元々いた美希の血だった可能性も高い

このとき、曜子ちゃんはどうしていたんだろうね?特に言及されてなかったし
おそらく生き延びていたんだろうけど

あと、「廊下の血→太一が毎回目撃?→暴走」という点も気になる
太一が運よく廊下の血を目撃しない展開もあったのかどうか?

まだ固有の美希じゃないときのノートの記述で、みんなで平和に過ごす展開・仲間割れ・特定のキャラと太一がラブラブになるという展開があったらしいので。
廊下の血を太一が毎回目撃しているわけではなさそうですね。もしくは血をみても暴走しない展開があった?

あと、本編にはなかった結末もノートに記述されていました。
屋上で何人かで遊んでいたら、フェンスが壊れて美希が落ちて死亡→霧はなぜか太一を逆恨み、危険に思った曜子ちゃんが霧を殺すという展開。
太一を守るという大名義分があったから曜子ちゃんは霧を殺せたのか・・。

この固有の美希1週目で、同時にループ現象(空が暮れる現象)も美希は経験する。「偶然に」1週間 祠にいたので。
1週間後に食料が尽きて、街に戻ると冬子や霧が生きてるのを目撃して混乱、同時にタイムリープしていることを確信する。
美希は慌てて血だらけの廊下を掃除して、太一に血をみせないようにする。
太一が血に弱いことも、美希はこの時に知った感じなんですね。
美希は太一を見守るためにタイムリープの謎を知ったのだと考える。やっぱり七香と美希は似ているなぁと思いました。

学校で美希が冬子に「ずいぶんお早いですね(生きてることに驚きつつ)」の言い回しには笑ったw太一と同じこといってる。さすが似た者同士

あと美希は太一から逃げて祠に1週間こもって、一人は寂しいと自覚した感じだったんですね
本編でも一人では気が狂いそうになるって言ってましたし

その後、美希は太一と仲良くすると霧と仲が悪くなるし、人間関係の調整に悪戦苦闘する。
またプレイヤーがみたことない展開が入ります。
冬子が倒れて保健室に運ばれる→霧が太一のせいにする→友貴がみみ先輩のせいにする→霧が太一にナイフを突きつける→止めに入った美希は突き飛ばされて気絶→美希が意識を取り戻したら保健室が血の海になっていた。誰が死亡したのかも不明。
これ誰がやったんだろう?曜子ちゃんか太一しかいないよね。
一応、この展開では太一は生きてるっぽいです。
他にも太一が引きこもりになるギャグ展開があったらしい。

美希は何週もして、パターンを見つけていく。
太一が暴走すると、霧が敵対的になること。霧にクロスボウを与えないと挑発的に太一に掴みかかって、それをきっかけに太一が暴走することなど。
太一と霧が本格的に敵対すると、美希は手をつけられなくなって逃走する。自分が生きるために。

これが美希のいう「自分が生きるために、友人を犠牲にする」ということを指すならキツイですね
霧は美希のいうことを訊かないし、仕方ないとしか言いようがない

このルートの最後もプレイヤーが見たことない展開で締めくくられています。
放送部メンバーは途中までは仲良くいっていたが、友貴がアンテナを破壊→みみ先輩がそれを目撃→仲間割れ→美希以外は全員死亡(太一と曜子ちゃんは同時に死亡)→美希が一人で放送をする・・という展開。

美希は また自分が生き残るために皆を犠牲にしたと、心を痛めます。
いや~仕方ないよ、この場合。自分の命を守るのは当たり前だし。
そして放送最後の「ミキミキチャンネルでした!」のCGがとても可愛かった(^^)

本編で謎だった固有の美希の謎が解けました。
ぜいたくを言えば、七香も出してほしかったですが・・。
美希のことが益々好きになりました。これで適応係数40そこそこなのが信じられない、共感性の欠如とはいうけど、とっても人間らしい美希。

支倉曜子の場合

こちらは本編の曜子ちゃん視点です。
曜子ちゃんは太一に散々ストーカー呼ばわりされていたけど、推しにガチ恋する本物のストーカーだった件。
でもちょっと、お茶目で可愛かったです(^^)

<流れ>

・この話は本編の色んなルートの曜子ちゃん視点っぽい?(飛び飛びで展開される)
・曜子ちゃんはずっと過去のトラウマ、一人も殺せなかった弱い自分に後悔していた
・ガチ恋ストーカーとして太一を監視
・曜子ちゃん視点から罠にかかって死ぬシーンや太一の仇を取るために皆殺しにするシーンがみれる
・ラストは本編2週目の曜子ちゃんルートの送還されるときの曜子ちゃん視点で終了

<感想>

この話の特性上、話につながりはありませんがご了承ください。
それと何故か、曜子ちゃんの話だけ日にち・曜日・時間が細かく強調されています。

この世界に来た初日から祠の存在とノートの存在を曜子ちゃんは把握していたっぽいです。
本編でもありましたがノートを読んで「私と太一が幸せな結末を迎える展開はない」と落胆する曜子ちゃん。

本編では見れなかった、お弁当やお菓子を作る曜子ちゃんが見れて可愛い(^^)
太一が好きな味、睦美おばさんの味付けを加えたり→曜子ちゃんは味覚も鋭いらしい
エプロン姿の曜子ちゃん・太一の寝顔を見る曜子ちゃんの新CGがよい。本編の絵柄と大分かわってるけど。

あとは曜子ちゃんによる太一へのストーカーと、曜子ちゃんが太一としたいことの独白です。ほかの女性陣に嫉妬したり。
太一の部屋に隠しカメラを仕掛けて、自室から監視しているらしい→だから2週目の曜子ちゃんルートで太一がマイオトロン(スタンガンみたいなやつ)で襲撃しようとしてたのを察知された。
太一に拒絶される&嫌われるのが怖いと独白する曜子ちゃん。すでに太一に ほんのり嫌がられてますけどね(^^;
本編をみるかぎり、過去のトラウマに関すること以外は表と裏に偽りがないんですよね曜子ちゃん。

曜子ちゃんは祠周辺で固有の記憶を持った美希に接触する。
美希は曜子ちゃんに あっさり降伏して、情報を提供し、自分(美希)の身の安全を保障してくれと頼む。
曜子ちゃんは太一に危害を加えないならと了承する。

固有の美希ルートで言っていた、支倉先輩との交渉は こんな感じだったんですね

曜子ちゃんが作った昼食やお菓子を太一が放送部メンバーに与えるところまでバッチリ監視されています。悲しむ曜子ちゃん。
太一は美希と霧に曜子ちゃんとの関係(恋人?)を聞かれますが、太一は全否定。悲しむ曜子ちゃん。

固有の美希ルートであった、曜子ちゃんが罠にかかって死亡する瞬間も描かれていました。
祠周辺で、太一の靴跡を追っているときに美希が作ったトラップに引っかかってしまったとのこと。
矢が身体に刺さったとき、曜子ちゃんはこのトラップは太一が作ったものだと誤解する(こんな罠が作れるのは自分か太一しかいないと)→本編でトラップを見つけた太一も最初は曜子ちゃんが作ったものだと疑ってましたしね
曜子ちゃんは死ぬ瞬間に「太一が裏切った?」と考えます。幼少期に裏切ったのは曜子ちゃんやん・・と太一なら心の中で突っ込みそうですが。

話を進めていくと、水曜日からスタートになり、木曜日は太一と みみ先輩がイチャイチャする流れになります。
これはおそらく、1週目のみみ先輩の崩壊ルートですね。

「太一を本当に理解できるのは私」だと曜子ちゃんはいいますが、筆者は固有の美希が1番太一を理解していたと思う。似た者同士の方が共感や理解に関しては強いですし、あのときの美希は身体的にもメンタル的にも本当に強かった。次点では洞察と観察に優れた みみ先輩。
なにより認知が歪んでいる曜子ちゃんには、太一を理解することは難しいんじゃないかね・・?(^^;

最終日は「みんな仲良く展開」と「仲間割れ展開」がごっちゃになっています。
霧が太一にクロスボウを向けたときに曜子ちゃんは全力で阻止しようとしていたが、間に合わず太一死亡。

曜子ちゃんは太一のいない世界では意味がないと、放送部メンバーを全員殺す。
幼少期にできなかった殺戮(さつりく)ができたと小さく喜ぶ曜子ちゃん。
人を殺した曜子ちゃんを見て、太一に怯えてほしいと歪んだ感情を抱く→過去の曜子ちゃんの感情そのままですね。

曜子ちゃんの過去のトラウマをみて、あの曜子ちゃんがよく人殺しできたなぁと思ってたけど、こういう心境だったのか・・

話は飛んで、2週目の曜子ちゃんルート、送還前。
曜子ちゃん視点から、太一のCGがみれます。
送還後、曜子ちゃんは太一を想いつづけると決意して終わり。

気になる点は最後まで明らかになりませんでした→「曜子ちゃんは どうやって固有の記憶を保持したのか?」って部分。
やっぱり祠周辺に潜んでいた感じなんですかね・・(^^;
または、この話の曜子ちゃんのルーチン的に人類滅亡世界→発電所へ行く→祠に直行してる=ノートを読んでいる→固有の記憶ではなく、優秀さゆえに一瞬で状況の把握ができる状態なのか。謎ですね。

佐倉霧の場合

霧ルートは人類滅亡世界で、太一を殺そうとして失敗する・・ほぼギャグみたいな流れです。

<流れ>

・霧は豊の仇として、美希を守るために太一を殺そうとする
・一応、この世界の美希は固有の記憶を持った美希である
・最終的に108回ほど太一を殺そうとするが全部失敗
・うち2回は曜子ちゃんが邪魔していた

<感想>

ほぼギャグみたいな展開なので、本編裏ではこんな感じで動いていたのかぁという感想しか出てきませんが、面白かった部分のみ紹介。

この話の美希は固有の記憶を持った美希。太一に恐怖する霧に美希は今の太一は大丈夫と助言する。何かあっても美希が霧を守ると。
悪意ノイローゼになりかけてる霧を美希は、こういう風になだめていたんだなぁと。

前の方でもツッコんだけど、霧は悪意に敏感という設定なのに太一の努力や本質には気づかず、美希の悪意(霧を犠牲にしようとしている)には気づかないの、マジで何なの・・?

太一は制御できない暴走をするから危険であることには変わりないですが、じつは意図的な悪意は少なめですよね
せいぜい正当防衛的な攻撃くらいで

霧が過去、太一にされたことを考慮しても。みみ先輩も言っていましたが、群青にいるくらいだから どこかおかしいのはわかるだろうに。
霧は美希と太一が仲良さげにすることにイライラ&ソワソワする。これはおそらく、豊も太一と仲良くなって、豊が死んだことに起因しているっぽいですね。

霧は美希に太一の本性を知らないといいますが、この美希は太一の本性をバッチリ知っているんですよね。
暴走した太一を何度もみているし、太一や霧の安定をはかって行動してきたわけだから。
ついでに、太一は普通になりたくて努力してることも・無意識の内に暴走する自分が許せないことも。

太一が暴走したら美希が壊されると霧は考えますが、その部分は当たってる。
ただし今の美希ではなく、何も知らない美希ならの話ですが。
しかし、今の太一を殺せてもループ世界では復活するから徒労に終わるんですがね・・(^^;
あと、霧の友貴への評価は「常識人で親切だけど、変な人」か(笑)

霧は太一を殺すことを美希にずっと隠していたけど、最終日付近になると美希も知っている状態になる。
そこで美希はクロスボウを霧に授ける(エクストラストーリーの美希編でも言っていましたね)。
しかし、美希が霧にクロスボウを渡したのは自分が生き残るためなんですよね、霧はまったく気づいてないけど。

最終の108回目の太一暗殺計画はクロスボウで太一を殺そうとするが、クロスボウを曜子ちゃんに細工をされて失敗。
太一は自分を殺そうとする霧の行動はお見通しで、曜子ちゃんにも霧を殺さないように釘をさしていた・・という所で終わり。

とくに重要な真相がわかるわけでもないギャグ回でした。
筆者の希望としては、固有の美希本編で語られていた「美希の悪意に霧が気づく展開」が見たかったなぁと思いました。
美希が、太一や曜子ちゃんから逃げるために霧をいけにえにする展開があったらしい。そして美希がヘマして、霧を犠牲にしようとしていたことを霧に悟られて仲違い状態に?なるという。
・・ここの展開が見たかったですね(^^;

宮澄見里の場合

この話は、ちょっとギャグありのいい話です。

<流れ>

・この話は1週目の初回(メンバー全員仲良し)に近い流れですが、終盤の展開が少し違います
・ひとり意固地になってアンテナを組み立て作業をする みみ先輩
・太一がいくら手伝うと言っても拒否
・最終的に(日曜日に)アンテナが組みあがらない
・しかし、最終日には放送部メンバーが全員集合する
・みみ先輩がDJのリハーサルをする
・そこで、みみ先輩は 改めて皆に作業のお願いをする
・世界の人に声を届ける前に、部長として皆に自分の声を届けるべきだったと反省する

<感想>

この話も本編の謎が明らかになるという展開ではないので、筆者の感想は短めです。

みみ先輩は相変わらず、ひとり意固地になってアンテナを組み立てる。
しかし、裏側では色んなメンバーに支えられていた。

最終日の日曜に結局アンテナは組みあがらないんですが、放送部メンバーが全員集合してリハーサルをやる流れになります。DJは みみ先輩がやる。
そこで、みみ先輩は・・
・自分が壊してしまったアンテナ≒放送部メンバーの壊れた関係を「ひとりで」直したかった
・みみ先輩が部活に没頭していたのは「逃避」であることを認めた
・アンテナ≒自分自身、直しても直しても壊れてしまう
・逃避から始まった部活だが、アンテナで自分の声が誰かに届くことを考えるとワクワクしていた
・でも大事なのは、どこかの誰かじゃなくて まず放送部メンバーに自分の思いを伝えるべきだったと話す
・来週の日曜日までには完成させたいので、「皆さん手伝いよろしくお願いします」と締めくくる

このみみ先輩の話は友貴にも刺さったんじゃないでしょうか?(^^)
みみ先輩は部活は「逃避」であることを認めて、皆にも手伝いをお願いしているし。
本編にはなかった展開ですが、いい話だったと思います。

みみ先輩にとっても、友貴にとってもいい展開なのに1週間で記憶がリセットさせるのがホントに惜しい・・。

桐原冬子の場合

冬子の話は本編にあった餓死ルートでの冬子視点。
自身の群青色への葛藤、手を差し伸べてくれる人への拒絶と自制、餓死する前の冬子の思いなど鬱展開が多めです。

<流れ>

・人類滅亡世界の冬子視点
・さびしがり屋で依存体質、プライドが高い孤高の冬子の葛藤が描かれている
・人類滅亡世界の初日、家に誰もいないことに落胆する冬子
・冬子は周囲が手を差し伸べてくれても拒絶する(太一のように しつこいくらいに手を差し伸べないと受け入れない)
・誰かに助けてほしいと心の中で叫びながら、自分は救われるはずがないと思い込む冬子
・この話の冬子は食べ物や飲み物を一切口にしなかったので餓死コース
・冬子は最期、自分のベッドの上で「世界や学校に認めてもらいたかった」「太一と繋がっていたかった」と本音を漏らして永遠の眠りにつく

<感想>

本編でも冬子が言っていましたが・・世界から人が消えたが、人がいる世界でも誰もいないのと同じだったといいます。誰とも接触しないなら誰もいないのと同じだと。
ちょっと優しくされると、すぐに依存してしまう自分自身を自制する冬子。
しかし、上記の理由から放送部メンバーが何度も食料を分け与えてくれようとするのも拒否する冬子。

筆者自身は寂しがり屋な性格じゃないので冬子の依存体質まではわからないですが、自制するために拒否するという感覚はわかるなぁ・・

人間として落ちぶれたくない(なけなしのプライド?)から、理性ブレーキかかるよね

それを考えると、太一は本当に尊敬できるなぁ・・と思いました。
本編のいたるところで描かれていますが、太一は誰かを壊してでも(自分が悪者になってでも)生きると決意する。自殺して楽になるより、生きて苦しむ方を選んでいる。本当に強い。
人によっては、太一は自己中で悪の化身みたいに思うんでしょうけど、霧みたいに。

大抵の人間は弱いから、自分が悪者になることに耐えられない。結果、自分が巻き散らす悪意の原因を他者に求めるか正当化する、つまり他責思考になる。
自分の責任で悪者になれる人は本当に強いと思います。

冬子は美希とも少し会話していますが、この美希は本当に太一とソックリです。
太一:お早い ご登校で
美希:お早い お帰りで
そのほかには美希は冬子のお尻を触ったり(冬子本人にも美希は太一にソックリになったと言われていた)。
美希は冬子に こう言われていました→「昨日は泣いていたのに今日はノーテンキ、本当は強い子なのか?」
この描写から固有の美希であることがうかがえますね。
美希は この1週間を何度も生きてるから強いのは当たり前ですが、冬子の主観では それを認識できない。
※昨日=日曜日?(ループ世界に入った直前)、今日=月曜日(月曜から1週間が繰り返される)ので、ループ世界に入った直後の記憶は全員が保有してるって感じですね

冬子の独白を聞くと、太一に対する冬子の評価は「羨望」でした。これは意外だった。
どこでも誰とでも合わせられて、それでいて一人でも平気という・・たぶん冬子が理想とする人物像なんだろうなと予想できますね。

しかし、上記の太一を作り上げる(≒演技)のには太一は結構苦労してるんですけどね

・・というか、冬子の理想の太一は「演技してる太一」ってことか
遊紗ちゃんと一緒じゃん

冬子は まだまだ美希・みみ先輩には勝てなさそうですね(^^;

あと、冬子は曜子ちゃんにも羨望の眼差しを向けている。
容姿端麗・頭脳明晰・運動神経抜群・落ち着いた女性で、とても勝てないと。
勝とうとしていたのか・・メンタル的にはいい勝負かもしれませんがね。

冬子は自分を救える人間は誰もいないと自覚します。
そこから自分を救うのは「自分だけ」って考えに至れるかどうかですね。冬子がこれから強くなれるかどうかは。
それにしても・・さびしがり屋なのにプライドが高いって、人生の難易度が高い(^^;

最後には、冬子の愛刀「今虎徹(いまこてつ)」→作中でハラキリ丸と言われていた刀について少し語られていました。
じつは今虎徹にはハラキリ丸という別名が本当にあって、オカルトっぽい言い伝えがあるとか。
冬子は自分の愛刀だけが心の支えだと、自宅の庭に出て刀で雑念(イヤな思い出)を斬りはじめます。

この冬子の心の支えだった刀を2週目の太一は、へし折ったのか・・

刀で居合斬りしてる冬子は ちょっとカッコイイですね
この冬子が自分の依存心で壊れてしまうのが信じられないくらいに

武術や武道やってる人はメンタル面が強いイメージがあったんですが、実はそうでもない?(^^;

ぞんぶんに刀を振り回したあとで、冬子は安心して眠りにつく。
学校や世界に自分を認めてほしかった、太一と繋がっていたかった、太一に会いたい・・とポツリと本音を漏らして、冬子は「永遠の眠り」につく。

空腹を感じない、体が軽いというトランス状態だったけど、最後の力を振りしぼって刀を振り回していたのか・・。
冬子が餓死した場合、こんな最期だったのかと思うと・・(T_T)

余談ですが・・1週目の霧ルート(CROSS POINTルート)も冬子は餓死しましたが、冬子の遺体をみた太一は「悲しみ」と「感動」を抱いていましたね。
あれだけ他者を渇望していた冬子が一人で逝ったことに。
太一に追いつきたいなら生きて、自分の依存心と闘わないとダメなんですがね。送還後の世界で がんばれ冬子。

桜庭浩の場合

桜庭の話はギャグが多めで、最後に少しオカルトが入ってる感じでした。

<流れ>

・人類滅亡世界で桜庭のカレーパン愛がひたすら語られている
・桜庭は人類が滅亡したのではなくて、街のみんなが隠れんぼしていると思って人を探す
・桜庭は料理するのに友貴が集めた「皆の分の食料」を全部使ってしまう
・この街の目ぼしい食料は あらかた友貴が集めてしまったので、隣町まで食料を探しに行く話になる
・太一と友貴と桜庭は隣町まで食料を探しに行くことになる
・線路を歩いて隣町まで行こうとするが、すでに日曜日だった
・最後のトンネルを抜けようとした所でループがかかる

<感想>

桜庭の話は基本的にギャグ多めです。

桜庭が街の人が皆で隠れんぼしていると思った理由が・・
アメリカでホームスティしていたとき「自分の誕生日のサプライズでホームスティ先の家族が隠れて、自分をおどかしたから」だそうです。

あと、冬子の話でみた桜庭と冬子のかけあいが桜庭視点で描かれていました。
桜庭は放送部メンバーが飢えで苦しんでると思ってカレーパンを配りだす。

桜庭はカレーパンの味を再現しようと、友貴が集めた食材を使って料理する。
しかし、放送部メンバーに配給する食料をすべて使ってしまった&近場の食料は集めつくしたので、太一・友貴・桜庭で隣町まで食料調達に向かう。

車を使うのは厳しかったので、線路を歩いて隣町まで行こうとする。
男3人は助け合いながら線路を進んでいく。背景やキャラの新CGがあります。

ここの3人の助け合いのシーンがいいよね
何も持ってこなかった桜庭に食料をわけたり、友貴の腰(脚?)を気遣って歩く速度を緩めたり、夕日が血みたいで気分が悪いといった太一に目をつぶらせて手を引くとか

2週目の桜庭ルートで、桜庭は太一と旅がしたいと言ってましたしね
友貴も一緒だったけど桜庭の夢が叶ったね

日曜日、トンネルに入ってから ちょっとオカルト要素が入ります。
何時間も歩いてるのに、一向に出口が見えない。こんな長いトンネルではなかったはず。
ようやく出口の光が見えたかと思ったら、歩いても歩いても出口の光に近づけない。
隣町が見えたと思ったら、急に空が暮れてループがかかる・・という終わり方でした。

話がオカルト方向に進んできたので「もしかしたらトンネルはループ現象から免れる?」と思いましたが、そんなことはなかったですね(^^;
ちょっと隣町に行く未来も見てみたかった。本当に人がいたかもしれないし。

全員送還後に、太一が隣町へいくのは時間的にも厳しい感じなのかな?その週の放送は お休みするとして・・ちょっと その展開も見てみたいけど。

島友貴の場合

友貴の話はギャグと友情って感じで、結構いい話でした。

<流れ>

・人類滅亡世界の1週目?
・本編の友貴の生命維持活動(食料を集めて皆に公平に分配)の様子が友貴視点で描かれています
・曜子ちゃんのアドバイスを受けて、友貴は効率的に食料を集めていく
・本編にはなかった展開で、冬子の餓死コースを回避
・日曜日、友貴が集めた食料が何者かに食い荒らされていた
・友貴は太一を疑い、ケンカになる
・食料を荒らした犯人は桜庭だと判明して、友貴と太一は仲直り

<感想>

友貴の食料集めで、曜子ちゃんのアドバイスを受けていた話は意外でした。
曜子ちゃんは友貴に家庭菜園を狙い、裕福な家庭の備蓄を集めるといいとアドバイス。
裕福な家庭かを見分けるのは「警備会社のステッカー」があるかどうか。警備会社のステッカーがあるのは余裕のある家庭である証拠。

さすが曜子ちゃんの観察力すごいな・・

友貴は曜子ちゃんみたいな論理的で覚悟が決まってる人がリーダーだったら良かったのに・・と言いますが、ちょっとリーダーには向いてなさそうな気がします(^^;
あと、みみ先輩と曜子ちゃんは一見真逆に見えますが、友貴が憎んでいる「裏切り」という点では みみ先輩と曜子ちゃんは共通してるんですよね。
※曜子ちゃんはともかく、みみ先輩のアレを裏切りと言っていいのかも微妙ですが・・心の障害に近いですからね

冬子が倒れる展開は本編にもありましたが、この話はちょっと違いました。
・学校の教室で冬子が倒れているのを友貴が発見
・友貴は冬子を食堂に連れていき、お粥を食べさせようとする
・冬子は拒否するが、太一によって食べさせられる
・友貴に小さくお礼をいう冬子
・友貴は食料の入った段ボールを冬子渡す

友貴の優しさ(逃避のおかげで?)で、冬子の餓死ルート回避ですね。
冬子は太一に「あーん」で、お粥を食わされてるし(^^;
翌日、上記の話を聞いた霧が友貴に協力するといって、食料を集めてきた。みんなに分配するために。
その後、友貴は渋々、姉である みみ先輩にも食料を渡しにいく。

日曜日に事件が起こる。
食堂で友貴が集めた食料が全部食い荒らされていた。
友貴は誰が「裏切ったのか?」という疑心暗鬼になる新展開。
ちょうど太一が食堂に現れて、太一が疑われる。太一は自分じゃないという。

太一と友貴は睨みあいになり、屋上で決闘する。
2人は殴り合いのあと、犯人は桜庭だったことが判明。太一と友貴は仲直り。
本編でも、この話でも何度も出てくる「友情は見返りを求めない」という名言を残して、世界はループする。

本編でも言われていましたが・・ケンカをしても腰に爆弾を抱えてる友貴には本来、勝ち目はないんですよね(^^;
しかし、太一は血が苦手なので(太一が殴ったんだけど)顔から血を流した友貴に怯えて いい勝負になる。

血をみて太一が暴走しないか、筆者は冷や冷やでしたがね・・

このルートは冬子の餓死も免れて、メンバーが仲良く終わったので割と平和なルートではないでしょうか。

CROSS♰`CHANNEL

この話は「向こうの世界(人がいる元の世界)」と「こっちの世界(人類滅亡世界)」の「こっちの世界」が出来上がる少し前の話のようです。くわしくは固有の美希ルートの榊原先生の日記を参照。
こっちの世界に元々いた太一視点で話が展開されます(本編の太一とは別の人物と定義)。物語の初っ端から太一自身がほぼ錯乱状態なので、プレイヤーの頭もおかしくなりそうでした・・(^^;
※タイトルの「`」の意味はなんでしょうかね?1週目と同じになるから差別化のため?

<流れ>

・人類滅亡世界の人類が完全に滅亡する少し前の話
・固有の美希ルート(榊原先生の日記から)描写されていた、人が段々消えている状態
・スタート時は太一の妄想(錯乱?)からスタートするので、色んなキャラ設定が崩壊している
・おかしくなった太一は放送部メンバーを次々殺害していく
・そして、死体の山をアンテナに見立てて「トモダチの塔」を作る
・唯一生き残った美希は「トモダチの塔」を見て逃げ出すが、美希は夜に「トモダチの塔」を燃やす?
・太一は美希を少しずつ なぶり殺すが、美希から反撃にあい太一も(おそらく)致命傷を負う
・美希が死んだあと、太一は街をさまよい、山と祠に行く
・8人分の気配を感じて、太一はその場を離れる
・この世界の太一も消えることを望んで、消えた?

ハッキリ描写されてない部分や太一の妄想も入ってるので?マーク多めですが、ご了承ください(^^;

<感想>

初っ端から わけがわからないキャラ崩壊設定が入るのでプレイヤーも混乱しますが、終盤あたりで この話は固有の美希ルートの榊原先生の日記部分の話で、この世界が人類滅亡する少し前の話だとわかります。

筆者は てっきり本編にはなかったサービスストーリーなのかと思いましたよ・・

中盤くらいから ひたすらグロいし、頭がおかしくなりそうだよね

おそらくですが・・人類滅亡世界に元々いた太一が、人が減っていくにつれて抑えがきかなくなる(本編でいう本能のままに行動する)過程なんじゃないでしょうか?つまり演技してない太一に近いのかも。
一応、最初に描写されていた太一の妄想とキャラ設定です↓
・みみ先輩→太一の義理の妹
・冬子→太一に気がある同級生
・友貴と桜庭→太一の親友
・霧→太一を慕う下級生
・曜子ちゃん→近所に住む太一の幼馴染のお姉ちゃん、放送部部長
・美希→太一の死んだ恋人
・・この描写をみせられて、初見の筆者は「???」でした(^^;
ちなみに、この妄想世界では人は滅亡してない設定でした。チャイムとか鳴ってましたし。
太一と桜庭、友貴の会話が嚙みあってないし、太一の髪の毛が白くないと言ってるし、太一の両親は外国で働いてると描写されてて、ワケがわからなくて終始不穏です。

で、上記で見せられた妄想を太一が再現しながら現実に(?)戻る。
この世界ではもう わずかな人間しか残っていないようですが、錯乱した太一は放送部メンバーを次々殺していく。
・みみ先輩→山まで追いかけてナイフで殺害
・冬子→みみ先輩殺害後、返り血を浴びた太一に恐怖するのも束の間、ナイフで殺害
・桜庭、友貴→ナイフで無言の殺害
・霧→太一を見て逃げ出すが、捕まって殺害(絞殺?)
・曜子ちゃん→太一の錯乱状態には気づいていたっぽい、諦めて太一に殺されに行った?(絞殺?)

この皆の死体を使って、太一は屋上のアンテナの代わりに「トモダチの塔」を立てます。
美希が出てきたあたり+榊原先生が出てきた時点で、筆者は固有の美希ルートでいってた「こっちの世界」の人類が完全に滅亡する前の話だと気づきました(^^;

霧を探しに(?)屋上に来たらしい美希は、恐る恐る太一に声をかけます。
すると、美希の声が人間の声に聞こえません。太一いわくエイリアンの声らしい。

ゲーム「沙耶の唄」で、主人公の郁紀が人間の声が人間の声に聞こえなくなった現象と同じだ・・

一応、バックログをみれば何を言っているかは分かりますが・・

太一は美希に完成した「トモダチの塔」を見せます。
腰を抜かす美希だが、全力で太一から逃げる。
太一は自分で作った歌を口ずさむんですが、マジで怖い・・(^^;狂気すぎる。ちょっとCLOSSINGの歌詞も入ってるし。

太一は夜に何か予感がして屋上に行く。「トモダチの塔」が燃えてる。
また「素材」を集めなくては・・と考える太一。
ここで疑問なのは、トモダチの塔を燃やしたのは美希でいいんですよね?何のために?という疑問。
せっかく太一から逃げれたのに、太一の怒りを買うようなマネしたのはなぜか?と色んな疑問が浮かびます。
じつは太一が自分で燃やしていて、それを自覚できてないだけとか?

太一が美希を(素材として?)廊下で なぶり殺すシーンは中々キツイ・・。
単純にグロいし、美希は筆者の推しだし、殺されるときのCG入るしで。
ふつうにR-18Gが付きそうなので詳細な描写は割愛させてもらいますが、暴走した太一はマジもんのサイコキラーですわ。

自分が一番大事だといっていた美希だが、昼の時点で街から逃げ出さなかったのは・・
・まだ太一のことを信じていたから
・太一のことを少し好きだったから
・美希も人類滅亡世界で「一人で生きる自信がなかったから」
・・だといっています。自殺とまではいかないが、半分殺されに来たようなものですね。

美希は太一にトドメを刺されそうになる瞬間に反撃。警棒で太一の頭を殴打して、おそらく致命傷を与えたっぽいです。後からジワジワとダメージが来る硬膜下血腫とか、そのあたりではないでしょうか。

太一は美希を殺したあと、街や山をさまよい歩く。
そこで太一は榊原先生に声をかけられたという描写がありましたが、その後の描写がなかった。
みた感じ、太一は榊原先生を殺してないっぽいんですよね。
固有の美希ルートの榊原先生の日記では、山辺(美希)が殺されていたという記述があったから、美希が死ぬ(太一に殺された)→榊原先生が美希の死体を発見→太一に声をかけたという流れかな?

ここのシーンで学院の廊下が血だらけだった(1週目の美希が毎回掃除してたやつ)の正体がわかったね
榊原先生の血じゃなくて、この世界の美希の死体の血だったってことか・・

この世界では死体もろとも消えるというルールから死体は消えて、血だけは残った感じなんですね
そのおかげで「偶然に」固有の美希が出来上がったわけですが・・

太一は頭に負った致命傷のため、山で動けなくなる。
この世界の太一も向こうの世界の太一と同様に「消えてしまうこと」を望んだ。
そんなときに8つ分の気配を感じて、身を隠す→この世界の太一消失?で終わり。

この8つ分の気配は間違いなく、向こうの世界から放送部メンバーがこちらの世界に来たことを意味しますよね(^^;
この世界に元々いた太一は、向こうの世界にいた太一より狂気じみてて酷い感じでしたね。
本編だけでは気づきませんでしたが・・この話をみて、霧が太一に異常なまでに恐怖&警戒するのがわかる内容でした。演技してない本来の太一として。

AFTER STORY

この話は太一が放送部メンバーを元の世界に送還してから1年以上後の話です。
桜庭が準主人公みたいな扱いになっています。

<流れ>

・桜庭が放送室からデジカメを発見、その中から太一がいたときの思い出の写真が出てくる
・桜庭は放送部メンバー1人1人に その写真を渡しにいく
・放送部メンバーは写真をみながら当時のことを回想する
・桜庭が曜子ちゃんに写真を渡しに会いにいったとき、太一の放送が ここ4か月途絶えていることを知らされる
・桜庭は曜子ちゃんに こっちの放送を太一に届けてみようと提案する
・(方法は不明ですが)曜子ちゃんは向こうの世界にいる太一に催眠をかけて幻をみせる
・そして、太一の放送が曜子ちゃんたちの世界に届いてないことを知らせる
・原因は放送用アンテナを改良&改造したことだったそう、元の組み立て方法に戻そうとする
・正規のルートでは、元の世界にいるリアルの放送部メンバー(幻?)が太一のアンテナ設営を手伝う
・日曜までにアンテナが無事に完成して、曜子ちゃんに催眠を解いてもらって皆とお別れ
・また太一の放送が始まる

なかなか、ウルっとくる話でした・・(T_T)

<感想>

この話は他のエクストラストーリーと比べて長いので、筆者が「気に入った部分」と「気になった部分や疑問」のみ感想を書いていきます。

まず第一に思ったのは、元の世界の生徒や教師、太一の保護者である睦美おばさんは太一がいなくなったことを認知しているのか問題。
マンガやゲームにありがちな展開として、放送部メンバー以外は最初からいなかったもの=太一という存在自体がなかったもの・・という認識なんでしょうかね?ちょっと気になりました。

あと、桜庭の性格が太一化してて笑った。
本編での桜庭は、変なヤツだけど おとなしめの性格設定だったと思いますが・・(^^;
すごくお喋りになっていて、冗談っぽいセクハラもかましてましたし。

あと、福原みゆきが出てきたこと。
たしか、みゆきは本編の回想で症状が悪化して、隔離施設みたいな場所に入ってるという話でしたが。
群青の制服姿で、店でバイトしてる感じでした。症状が改善した感じなんでしょうかね?
遊紗ちゃんは出てきませんでした。

放送部の部室からデジカメを発見して、中に入っていた部活での思い出写真を放送部メンバーに渡しにいく桜庭。
最初に接触したのは冬子。
あれから冬子は群青の制服を着て、食事も管理して標準体重になったそうです。本編で餓死してたときとは別人(?)ですね。

長くなるので割愛しますが、冬子の回想(放送部メンバーによる怪談話)はオカルト要素があって面白かったです

この回想のときは曜子ちゃんが出てこなかったよね
ほかのメンバーの回想でも出番率低いけど

つぎに桜庭が会うのは美希。
本編では霧が別の学校に行ってしまったので、一人で行動することが多いです。
桜庭は美希は太一に似てきたといいますが、桜庭も だいぶ太一化してるぞ・・(^^;

つぎは少し遠い別の学校に行ってしまった霧に桜庭は会いに行きます。
霧にもツッコまれてますが、やっぱり桜庭は太一化してるそう。
霧の学校はお嬢様学校らしく、そこそこ楽しくやっているらしい。

霧の学校の制服が魔法少女っぽいのは気のせいか・・

回想での太一の言葉ですが・・また霧にいいアドバイスをしています。
背泳ぎが苦手な霧に対して特訓しようとする太一。
「生きることをバカにしている!いまやってることをひた向きにやらないで、この短い人生で一体何ができると思ってるんだ」と。
あいかわらずセクハラのオンパレードですが、太一から霧に送る言葉はどれもよい(^^)

つぎは友貴。
特に気になった会話はないですが、本編のラストと同様、友貴と みみ先輩姉弟の仲は良好そうです。

つぎは、みみ先輩。
みみ先輩は群青学院を卒業していて、私服で登場します。結構おとなっぽい。
現在は大学生のようです。
大学は群青学院系列ではない感じなんでしょうかね?一般の大学?詳細がなかったので不明ですが。
「太一は誰もいない世界にいるのに、自分ばかり楽しくすごしていいのだろうか?」と、みみ先輩は少し思い悩んでいます。
みみ先輩は大学生活を楽しんでいて、友貴や父親・母親との仲も悪くない(自分の特性を理解してもらえた?)感じなんだろうな・・というのがわかりますね。

ただ、自罰的な性格は健在のようです・・(^^;

本編にはなかった放送室の放送ブースのCGがみれました

あの過去回想をみてると、群青でマトモに会話できるのは放送部メンバー+数人と言われていましたが、マトモに会話できる群青の生徒は実は結構いそうな感じですね。

最後に桜庭は曜子ちゃんを探して写真を渡そうとするが、曜子ちゃんは全ての写真を持ってるらしく「いらない」と断られる。
曜子ちゃんも本編の時点で3年生だったので、みみ先輩と同様に卒業してるはずですが何故か制服姿です。留年した?

曜子ちゃんは桜庭に、みみ先輩の群青学院卒業の日を最後に太一の放送が途絶えたことを教える。
太一がなんの理由もなく放送を止めるとは考えにくいと考える曜子ちゃん。
桜庭は「じゃあ こちらから太一に放送してみよう」と曜子ちゃんに提案する。

たとえば、太一が向こうの世界で「何らかの理由で死んだ=記憶をリセットされた」場合、祠に たどり着いて「また放送をやれるか?」という疑問が筆者の頭にはありました。
七香の助言があるならまだしも、七香は完全に消えたっぽいし。曜子ちゃんは本編でノートを何冊か燃やしたし。
太一が燃やされたノートを記憶を頼りに書き直しているか、燃やされたあとにもノートを書きつづけていれば別ですが。たぶん後者は太一が死んだときの保険としてやってるとは思っていますが。

桜庭は曜子ちゃんが太一と連絡を取るためにずっと頑張ってきた(色々ためしてきた?)・・と思ってる感じなのかな?

今度は卒業した みみ先輩や転校した霧を入れて、元・放送部メンバーが太一に放送を届ける流れになります。

仕組みの説明はされてないですが・・曜子ちゃんは向こうにいる太一のラジオに子守歌を流して太一に催眠術をかける。そこから太一は6日間、太一のいる世界に放送部メンバーがいるという妄想に入る。
放送部メンバーは皆、太一に好意的で、ラブラブなイベントやCGが盛りだくさんでした。
本編の最終でも放送部メンバーは ほぼ太一に好意を持ってるような感じでしたからね(みみ先輩は微妙ですが・・)。

正規のルートでは、太一は妄想の中でもアンテナ設営をひたすら頑張る。ほかのメンバーからの協力を得て。
6日目に太一は今までと違うと、自分で書いた日記を読んで異変を感じる。まるで催眠術をかけられているような違和感だと。
そこでピンときた太一は祠へ行き、曜子ちゃんを呼ぶ。
曜子ちゃんの幻影があらわれて、太一に催眠術をかけたこと・なぜそんなことをしたのかを太一に説明する。
太一は放送が元の世界に届いてないことを知る。

太一は催眠術をかけられたまま、アンテナの設営をやり直す。旧式の方法で。
旧式の設営の手順を忘れてて困難をきたすが、現在の元の世界の放送部メンバーが手伝う。
その間は太一にとって楽しかったらしく、このまま催眠術が解けなければいいのにとすら思う。
日曜日までに旧式のアンテナは無事完成。
太一は皆にお礼をいって、曜子ちゃんに催眠術を解いてもらい、放送開始&ストーリー終了。

最後に太一の願い「普通の学生として皆でワイワイ青春を送りたかった」が叶ってよかったと思いました。
もし、いまの状態の太一が皆と過ごせたら、あんな感じになるのかと思うとウルっときます(T_T)
本編の最初にみせられた幸せ展開も太一の妄想っぽいですしね。

ちなみに間違った選択肢を選ぶと曜子ちゃんが太一の催眠術を解くのが早く、太一がひとりでアンテナを旧式に戻すので、日曜日に間に合いません

追加エピソードも本当に良かった!(^^)
筆者的、好きなゲーム上位&エロゲ・ギャルゲジャンル№1は揺るぎない。

まとめ:追加エピソードふくめて最高傑作

・全体としてはループものなので万人受けしやすい展開
・人(キャラ?)の心の繊細な描写が好きな人には刺さる
・ただし健常者には理解しにくい、人を選ぶ話かも?
・哲学パートは やや内容が難しいかも?
・シリアス(鬱展開)とギャグの振れ幅が大きい
・ある意味ハッピーエンドな終わり方ではない
・人の苦悩に対する田中ロミオ先生の解像度の高さ、想像力に脱帽する
・筆者がギャルゲー、エロゲにハマるきっかけになったゲーム

いまでこそ、自閉症やADHDなどの発達障害や鬱病などの精神疾患の研究が進んで、健常者にも認知されるようになってきました。
彼・彼女らがどういう苦しみを抱えて、何と闘っているのか、何を欲しているのかが わかりやすく描写されている作品。おそらく健常者でも生きづらさを抱えてるような人にも刺さる作品じゃないでしょうか。
初代PC版クロスチャンネルが発売されたのは2003年、シナリオライターの田中ロミオ先生は2003年までに この内容を書き上げていて本当に凄いなと思いました。

以前読んだ書籍に書かれていましたが・・
科学者たちが日々汗水たらして実験・研究した結果を作家が何十年も前にフィクションの物語として描いているという。作家さんの想像力って本当にすごいですよね。
筆者はエロゲやギャルゲは同人作品入れて100本前後しかプレイしていませんが、ギャルゲ・エロゲの中では今でもNo1作品。心の残ってるゲームです。

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筆者が購入したDL版(18才未満禁止なのでご注意ください)↓

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