ちょっと前にSNSで話題になっていた書籍です。
内容としては、限りなく黒に近いグレーな方法で公金を吸い上げる企業の話。ノンフィクションのマネーロンダリングが題材ですね。
※マネーロンダリングをネットで調べてみると「資金洗浄」のことを指すそうです。違法な手段で得た資金をあたかも合法的な資金であるかのように見せかける事とあります。

「過疎ビジネス」という書籍で、ネットで よく嫌われてるコンサルと過疎地域の自治体が癒着して公金を営利企業に流す仕組みが描かれていました。
この記事の執筆者は正義の人でもないし、自分に直接関係の薄い不正に対して、あまり想像力が働かないので読み物として読ませてもらいました。
※一応、公金=税金なので納税者にとっては(間接的には)関係ありますが・・
不正と書きましたが・・合法ではあるが倫理的には良くないよねという部分と違法性がある部分が混ざっています(なのでグレーという言葉を使っています)
記者である著者のかけ引きやコンサル企業による脅し、自治体関係者による内部通報や犯人さがし、百条委員会による証人喚問など(不謹慎かもしれませんが・・)読み物として読むと面白いかもしれません。
著者は記者の方なので、書籍はとても読みやすいと思います。
多少むずかしい言葉があるかもしれませんが・・。
あとはメディアに踊らされやすい人や陰謀論にハマりやすい人は注意した方がいいかもね
著者の思想が結構強いので、冷静な頭で読めるひと推奨
この記事の執筆者は法律の専門家ではないので(調べながら書いてはいますが)間違った解釈をしてる部分もあると思いますが、ご了承ください。
気になった部分や言及したい部分のみ取り上げてネタバレありで紹介します。
・どんな不正が描かれていたのか?(有名企業も関わっている?)
・報道機関とコンサル社長の攻防
・自治体内やコンサル企業による内部告発
・自治体による内部告発の犯人さがし
・ほかの過疎自治体でも似たようなことが起こっている?
・百条委員会の証人喚問の結果は?
・これから国民含めて どうすべきなのか?
書籍内では どんな不正が描かれていたのか?


※親会社はDMM.com
※注意として、書籍内の話は2023~2024年あたりのものなので、今は法律などが変わっている可能性があります
まず関わった企業やメインの登場人物、地域などを紹介します。
・著者の横山勲 よこやまつとむ→河北新報社の記者
・DMM.com→大手企業(動画配信を中核に、幅広いサービスを展開する総合IT企業)
・ワンテーブル→防災ベンチャー企業
・ベルリング→DMM傘下の企業、救急関連資材の開発や販売を行う(書籍内では高規格救急車の話題がメイン)
・島田昌幸 しまだまさゆき→ワンテーブル社長で、地域にアドバイス(コンサル?)する資格も持つ
・福島県国見町(くにみちょう)の自治体
・宮城県亘理町(わたりちょう)の自治体
・引地真 ひきちまこと→当時の国見町の町長
・ほか、匿名の取材協力者や内部告発者、議員など
ちなみに自治体と議会は別々の役割を持っています。
自治体が企画立案や実行部隊のような役割で、議会は自治体の企画をチェックし、予算などを承認する監視人のような役割がある。
書籍内での不正(限りなくグレー?)なスキームは こんな感じです↓
DMM.com(以下、DMM)が企業版ふるさと納税を使い過疎地域の自治体に寄付(福島県国見町や宮城県亘理町など)
※下記の流れは福島県国見町の自治体の話です
↓
企業版ふるさと納税は寄付金の9割が控除される(法人住民税・法人税・法人事業税あわせて)
↓
地方創生≒地方を活性化させるために?過疎地域の自治体である国見町がDMMから受け取った寄付金を使って、ワンテーブルと手を組んで(そそのかされて?)高規格救急車リース事業を展開する計画になる
※今回のリース事業の場合・・高規格救急車を研究開発して、ほかの自治体に貸し出すビジネスだが、自治体の表向きの目的としては国見のネームバリューを上げるためらしい→過疎地域に人を呼び込むため?
↓
本来、寄付金=公金を使った事業を行う場合、競争入札(より安く・条件が良い)で仕事を請け負ってくれる企業を「多数の中から」決めなければならないがワンテーブル1社のみ名乗り出たということにされる
↓
救急車リース事業を請け負ったワンテーブルは自分の会社では救急車を開発できないので、他社に依頼する流れになる
↓
ワンテーブルと国見町の自治体は都合のいいように救急車の仕様書を書き換えて、ベルリング1社のみが受託できるようにする
※高規格救急車の開発には競合としてトヨタや日産がいたが、ベルリングが指定されやすいように仕様書を書き換えた
↓
自治体に書き換えさせた仕様書をワンテーブルが受け取り、ベルリングへ救急車を発注
相場より2倍以上高い金額で
↓
ベルリングはDMMの傘下企業なので救急車の開発料・販売料でDMMが寄付した金の大部分が間接的にDMMに戻ってくるという仕組み
ちょっと分かりにくいですが、損をしているのは国と納税者って感じですかね・・(^^;
DMMとベルリングは節税と仕事で利益を得る、ワンテーブルは元請け(仕事紹介料?)やコンサル料を得る、救急車は寄付金で賄っているので自治体は金銭的な損失なしで手間もかからない→ワンテーブルに ほぼ丸投げしてるため
国は(DMMの節税で)本来入ってくるはずの税収が減る・儲かるか不明なリース事業に公金(DMMの寄付金)を投入させられる・さらに救急車はボッタクリ価格、納税者は国の予算が厳しくなったときに福祉の予算が減らされる可能性がある。
経費や人件費分の料金を取る場合ならともかく、「そもそも公務で利益を出すような事業をしていいのか?」という疑問もありますが・・。
建前上は国見町のネームバリューのためだからOKなのかね。
ほかにも、ワンテーブルは自社開発の防災備蓄ゼリーを国見町自治体に高額で納品していたり、やりたい放題でしたね
福島県や宮城県は東日本大震災で被災してるから、防災には力を入れてる・・という名目のもとの利用は悪質かもね
書籍でも後の方で触れていますが・・
本来国で解決すべき政策を補助金を渡して自治体に丸投げする国→自治体は業務過多と人手不足から国から受けた業務をコンサル企業に丸投げ→コンサル企業は公金を吸い上げる・・という複雑な因果関係があります。
ほかにもチェック機能を果たさなかった議会や政治に無関心な国民(国見町の場合は町民)なども間接的な原因になっている。
書籍では これら「過疎ビジネス」を明らかにするために記者である著者が奔走する様子が描かれています。
ただ、著者の正義的な思想も強めなので、同意すべきところは同意して、なるべく中立的な立場で読むことをオススメします。
きっかけは「国見の役場がおかしくなっている」というタレコミ~報道機関(著者)とコンサル社長の攻防まで


・著者が勤める河北新報社へ「国見の町役場がおかしくなってるから取材してほしい」というタレコミが入る
・著者がその内容を受けて、取材している内に不可解なことがわかってきた
・国見町の町長等の上級役員たちだけが自分たちの給料を上げる条例を通していたり
・町を活性化させるためのプロジェクトに何故か高規格救急車リース事業の案が出たり
・その救急車リース事業の委託先を決める際にワンテーブル1社しか申し出なかった点
・救急車リース事業をするための予算は企業版ふるさと納税で賄うというが、どの企業が寄付したのか?
・隣県である宮城県亘理町でも高規格救急車の導入が決まり、その原資は企業版ふるさと納税だったり
・著者が取材を続けていくと、国見町自治体、ワンテーブル、ベルリング、DMMのつながりが見えてくる
・著者は入念に取材と裏取りをして、国見町やワンテーブルに対する疑念の記事を書いて連日掲載する
・これらの記事をきっかけにワンテーブル社長の島田昌幸は法的措置を取ると河北新報社に脅しをかける
・しかし、河北新報社の本部としては徹底的に争う意思を示すという(著者もワンテーブルに対して怒り心頭だったそう)
・別件で宮城県亘理町がワンテーブルと組んで進めていた大型プロジェクトに不信感を抱く亘理町職員
・のちに、このプロジェクトは目玉の事業が停滞しているということで中止になる
・著者は取材をつづけ国見町とワンテーブルの不審な動きを記事にし、掲載しつづける
・するとワンテーブルや自治体内部に不信感を持っていた人達からのタレコミが著者のもとに沢山入る
・協力者のおかげでワンテーブルと国見町職員のやり取りしたメール、島田社長の暴露音声(本音)などの決定的な証拠も見つかる
・これらを証拠付きで記事にして、ワンテーブルが降参
・国見町とワンテーブルの協定や契約は解除となる
長くなるので割愛しますが、ワンテーブルの島田社長の暴露話(録音データ)がフィクション漫画みたいな内容でした(^^;
タイトルにもなってる過疎ビジネスを超絶いいマネーロンダリングと言ったり、自治体を自分の会社(島田社長)に依存させる教育をしたり(※)、地方議員を雑魚と言ったり、行政機能をぶんどると言ったりと・・
※島田社長は地域力創造アドバイザーというものに登録されていたそうで、そこでは社長ではなく島田先生となっていたと書籍にあります→「過疎地を活性化させるためには こうした方がいいですよ」・・というような助言をするコンサルみたいなものですかね?地域力創造アドバイザーは
この部分を書いてる時点では書籍の4割ぶんを読了したところなんですが、島田社長って結構うかつな人だなという印象です。
フィクション漫画ならともかく、ヤバいことをやってる人間が こんな発言を誰かに暴露しちゃうものなのかね?書かれてなかったけど酒の席とか?
某国や戦国時代みたいに家族を人質に取ってるとかなら分かるけど
人間は秘密(良いことも悪いことも)を隠しつづけるのが難しいといいますからね、どこかで発散が必要なのかも?
SNS見てても情報を誰かに共有したい欲に あふれてますしね
あとは敵が多かった感じなんでしょうかね、島田社長は。
味方が多いなら悪事を働いても守ってもらえることも多いですし(それでも人が集まれば、必ず「利益を捨ててでも正義を貫く人」がいるので悪事や不正は表に出てくることも多いですが)。
あと4割ぶんを読了した時点では描かれていませんでしたが、どういう経緯で国見町の上級役員の給料を上げる流れになったのかも気になりました。
↑は最後まで描かれていなくて謎です(^^;こっそり給料を上げる条例を通していたとあったので、誰にも気づかれないし、いいだろうと思ってやったんでしょうかね?
福島県国見町は過疎地域にプラスして、東日本大震災の影響で お金がないと思いますが・・。国から補助金みたいなのは出てるでしょうけど。
余談~不正が起きる3つの要因


まえに「不正が起きる3つの要因」みたいな記事がありましたが、書籍を読んでいると自治体や島田社長は当てはまってるんじゃないかと思いました。
・機会がある~監視の目がない、または薄い
・動機(プレッシャー)がある~過度なノルマや未達成での叱責、どうにもならない借金など
・正当化する理由がある~何らかの不公平がある、後で何とかする(辻褄を合わせる)予定など
※書籍の後の方でも書かれていましたが、業務過多&人手不足からの丸投げ多重構造という原因がありましたね
この記事の執筆者は社長業をしたことも(運営する側の)政治をしたこともありませんが、なんとなくは想像できます。
社長は従業員を食わしていかなければならないし、(一部の才能持ち・運が良い人を除いて)正攻法では儲けを出すのが難しいというのも理解できる。
公務員や政治家は税金から給料が出てるので、やって当たり前で成果を上げても誰からも褒められない、成果が出なかったら批判される職業ですし、ツラいのも何となくわかる。
不正に走るかは別として、自分は社長と政治関係者は やれる気がしない・・(^^;不正に手を染める前に手を引くとは思いますが、家族を養っている立場なら・・とか考えると絶対に不正をやらないとも言い切れない。
追い詰められた人間の心情は共感せざるを得ない。
民間企業との差だね
クリエイター系・修理士・セールス系などは良い仕事をしたら、お金と感謝の言葉をもらえるからね(個人事業主ふくめて)
公務員系は特にツラそう、社長業もプレッシャーが凄そうだし
公務員は安定していると よく言われていますが、こういうデメリットがあるって話でもありますね
褒められないとヤル気が出ない人は民間企業の方がいいのかもしれません。プレッシャーに強い人や合理的な判断が得意な人は社長業でもいいかも?
社長は事業を一発当てると利益がデカいというメリットもあるので人を選ぶ職業ではありますね。
著者の考えでは不正が起きた原因は「人手不足」と「仕事の増大」


前述している不正が起こる3つの要因にも関係ありますが、書籍内で著者が仮説を立てていたのは「人手不足」と「仕事の増大」が原因ではないかというもの。たぶん、当たっている。
以下はワンテーブルの島田社長の暴露話(文字起こしの一部と著者の考え)↓
「小さい自治体だと担当者が二人しかいないとかもありますので、(中略)無理があるんですね。うち(ワンテーブル)でやったほうがいいじゃんって。小さい町は自分たちが入れば、彼らも楽なので」
過疎ビジネスより
(中略)事実、行政事務のアウトソーシングは どこの自治体も常態化している。最大の原因は人手不足だ。
「子育て支援への対応」「デジタル化への対応」「新型コロナウイルスのワクチン接種」「国民一人につき〇万円を配る特別定額給付金」「ほぼ全国民の取得を掲げたマイナンバーカードの普及強行策」など政治的なオーダーが次から次へと自治体に降りかかってくる。
社会がどんどん高度化し、専門的な知識や技術がいる業務も増えた。
過疎ビジネスより
民間企業に協力をお願いして業務の一端を担ってもらわなければ、もはや地方の自治体行政は成り立たない。
人手不足に苦しむ自治体にとって、救いの手を積極的に差しのべてくれる外部企業の甘いささやきは魅惑なのだ。
増える業務をやる人手はないし、だからといって外部企業に頼ると詐欺られるって詰んでるな
・ワンテーブル(コンサル)だけの問題ではない
・公金を浪費する自治体
・チェック機能を果たさない議会
・予算をばらまいて、あとの責任を自治体に押しつける国や都道府県
・行政発表に依存して記事を書く自分(著者)を含めたマスメディア
・・これらが原因で、起こるべくして起こった不正と著者は まとめています。
たぶん、著者がマスメディア(自分)の原因でもあると書いているのはマスコミも営利企業なので、どうしても読者の関心が高い記事しか書けない事情があるんだと思う。
読まれない記事を書いても売れないですからね。
日本人は公務員や議員を減らせという意見が強いけど、これらを読んだら どう思うんだろうか?
個人的には(内情をよく見ようともせず)政治に無関心で勝手なことばかりいう我々一般国民の責任もあるとは思っていますが。
その後の顛末と著者の深堀した取材


・国見町は総額にして4億6260万円に上る公金を湯水のように支出した
・成果のないまま、その公金は企業の懐に入ることになった(救急車は既に納車されていたため)
・国見町民がなんらかのメリットを受け取ることもなく
・しかも国見町は契約解除に伴う損害賠償請求や債権の請求をしないことでワンテーブルと合意してしまった
・すでに完成した12台の救急車は持て余すため、希望する自治体や消防組合を募って、無償で譲り渡すという
・さらに取材を進めると、北海道の過疎地域(厚真町・仁木町・むかわ町・余市町)でもワンテーブルが関与していた事業が進められていた
今回の責任を取ってもらうという意味で、ワンテーブルに救急車を引き取らせてもよかったはずだ・・と著者は言っていますね
この部分を書いてる時点では書籍の5割ぶんを読了していますが、何か隠したい事実でもあるかのような対応ですね。または面倒なので、これで終わりにしたいという意図か。
前述している不正が起こる3つの要因でもありましたが、一生懸命やる動機(モチベ)がない・・というのも関係してそうですね。
公務は やって当たり前で、成果を出しても誰からも褒められない。失敗したら責められるリスクだけあるという状況なので。
個人的には十分な報酬でもないと やってられない職業ではあるね
しかし、公務員の給料は民間企業(中堅企業~大企業)の景気に左右されるらしいし
完成した救急車を別自治体に無償で譲るなら(国見町の町民のためにはなっていませんが)、日本国民としては恩恵があるとは思っていますが・・どうなんでしょうかね。救急車が至るところで余っているなら別ですが。
国見町の住民説明会を聞いた著者は・・
これで一件落着と行きたいところだったが、引地町長がワンテーブルとの契約解除と救急車リース事業の中止理由を信頼関係が失われたからだと説明したものだから終わるに終われなくなった。
過疎ビジネスより
自分たちに非はないということにしたいのだろうが、責任逃れは許されない。
誰の責任か?等はおいておくとしても、たしかに人手不足など根本の原因を解決しないと、また同じことが繰り返されますよね(^^;べつの地域でも
著者の取材で、北海道の過疎地域でもワンテーブルの島田社長が関与して、国見町と似たようなことをやられていたと発覚。
あと、ワンテーブルは無関係ですが・・福岡の過疎地域の自治体でも企業コンサルが似たようなスキームを使い、寄付金還流が横行していたそうです。金額は少額だったらしいですが・・。
国見町とDMM・ワンテーブルによる寄付金還流問題の記事をみた福岡議会の議員が河北新報の著者のもとに訪れて話を聞きにきたと書かれていました。
人口減少への悪影響の補足、国見町とワンテーブルの出来レースの中身


・東京一極集中の解消や人口減少への対応は本来、国の役割
・自治体の自助努力で何とかなるものではない
・地方創生は国が自治体に与えた手段であり、自治体は半ば義務的に地方総合戦略を策定した
・義務的に作るのなら、誰かに任せて少しでも手間を省こうという感覚が働いても おかしくない
・さらに日本全体で人口減少が起きている
やらなきゃならない政策のたらい回しが起きてますね
国→自治体→企業
やることへのインセンティブ(何かしらの追加報酬など)がない+人手不足なら誰でもこうなるよねぇ
国見町とワンテーブルの裏の根回しは こんな感じだったらしい↓
・ワンテーブルは2022年2月28日にベルリングと業務委託契約を結び、救急車7台を翌年の2023年3月末までの納車期限で発注していた
・この契約と同じ日にベルリンクの親会社であるDMMが企業版ふるさと納税で3億5700万円を国見町に寄付した
・続いてDMMのグループ二社が、その年の7月と8月に計7500万円の企業版ふるさと納税を国見町に寄せた
・寄付金の積み増しに合わせる形で救急車リース事業で使う救急車は中古車2台を含む計12台とされた
・国見町が正式に救急車リース事業の委託先の公募を始めたのは2022年11月なので、公募の前に納車の段取りは全て終わっていたことになる
・このようにコンプライアンス意識が根元から崩壊し、限界役場と化した
その後、今回の寄付金還流の問題の件で専門家による調査が国見町の自治体に入るが、自治体側は救急車の仕様書などの資料・ワンテーブルとのメールのやり取りの記録を破棄して調査に協力しない(妨害ともいえるか?)。
何かを隠してるような素振りだし、別のもっとヤバイ事実が隠れていそうですね・・(^^;
自治体の態度に怒った議会が百条委員会の設置を決める。
百条委員会の調査で どうなったか?


百条委員会とは・・
百条委は、自治体の事務に関する疑惑や不祥事などを調査するため、地方自治法100条に基づいて設置される特別委員会のことだ。
百条委員会とは? 議会が執行部をけん制する「伝家の宝刀」より
関係者を出頭させ、証言や記録の提出を求める調査権限がある。証人喚問では、正当な理由なく出頭を拒んだり、偽証したりした場合、禁錮などの罰則が科される。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240909-OYT1T50161/
警察並みの調査(捜査)権限がある機関って感じだね
数年前にニュースになってた兵庫県の斎藤知事の件で「百条委員会」の名前が出てましたね
個人的に追っていたニュースではないので、詳しくは知りませんでしたが・・
※この部分を書いてる時点では書籍を読了していますが、書籍の最後の方にも兵庫県の斎藤知事のパワハラ問題→百条委員会の設置にも触れられていました
百条委員会による証人喚問~ワンテーブル社長・ベルリング社長・国見町の町長


書籍に書かれていたのは・・
ワンテーブルの社長とベルリングの社長は概ね百条委員会からの指摘を認めていたが、国見町の引地町長は「瑕疵(かし)はない」と認めていなかった点。
「ワンテーブル(コンサル)が どんな提案をしようとも最終的に決めるのは自治体側にある」と主張していて、これは正論だと著者も認めていたね
書籍でも度々書かれていますが、問題の本質は人手不足から来る業務を企業に丸投げですからね
自治体の人手不足の問題をワンテーブルに見抜かれて、自治体をワンテーブルに依存させる教育を施されていたわけだから そうなるのも当たり前の話。
たとえば、人手不足が原因であることを自治体側が訴えたとしても「だからと言って不正は許されない」とか「少ない人手でも工夫して何とかしなさい」という指摘が返ってくるだけで何も解決しないというね(^^;できるなら とうの昔にやっとるわい!・・似たような覚えあるわぁ。
業務過多が原因で うっかりミスをして、上司に原因を報告しても「うっかりミスをしないように注意してください」と返ってくるだけで何も解決しないという。
この場合、試行錯誤した内容(やってきた工夫)を逐一報告した方がよかったんですかね?
なぜ救急車の「購入」ではなく「研究開発」の名目だったのか?~相場の2倍以上の価格にできたカラクリ


なぜワンテーブルが国見町に救急車の「購入」を提案せず、わざわざ「研究開発」するよう勧めたのか?という理由が書かれていました。
・地方自治法上、自治体が財産を取得する際は必ず議会に決議してもらう必要があるからだという
・購入する場合、国見町は救急車12台分の購入予算を議会に承認してもらった上で競争入札にかけて、一番安い価格の救急車を仕入れるのが筋
・国見町は広域消防組合の管轄で自前の消防署を持っていないため、そもそも救急車を所有する理由がない
・ところが救急車の研究開発事業という名目にすれば、公募型プロポーザルで事業の受託先を選定できる
・より良い研究開発の提案を企業から受けたいから、価格の安さで発注先を決める一般競争入札は馴染まないという理屈を立てられる
・国見町に納車された救急車1台あたりの価格を通常の倍以上にできたのは こういうカラクリだった
読めば読むほど「自治体になんのメリットもないよね?」って話なんだけど、本当にコンサル企業に面倒ごとを丸投げしたいからという理由だけだったんだろうか?
ワンテーブルの提案を拒否した場合、コンサル企業の手助けは受けられずに自分たち自治体が自ら動かなくてはならないからですかね?
だから「全部従いますので、引き受けてください」みたいな
書籍にも、ちっちゃい自治体は民間企業に見捨てられるのが怖いというような内容が書かれていましたね。
要人たちの証人喚問は(どんな言い訳をするのか)ちょっと楽しみにしていたんですが、国見町の町長である引地町長だけが、頑なとして認めない展開でした。
百条委員会はワンテーブルの元社員からの証言や証拠を得ていて、ほぼ寄付金還流の証拠がそろっているというのに・・(^^;
余談:国見町の町役場で、内部通報の犯人探しが行われた


国見町は内部通報した課長職だった男性職員を減給1/10、6ヶ月の懲戒処分としたと書かれていました。あと降格もあったそうです。
この男性は救急車リース事業などの関連資料を職員用の共有サーバーから取得、国見町の監査委員に資料を渡したほか、資料をもとにメモを作成し、私用のメールアドレスに送信した。
ただし、第三者などに漏えいした事実は確認されていない・・とありました。
関連資料って、色んな職員が「意図的に」破棄したやつですよね?(^^;よく資料が残っていたなぁという感想。破棄される前に取得したのかもしれませんんが。
男性職員が関連資料を集めたのは公益通報のためだったそうです。
国見町の総務課が男性職員の業務用パソコンを調べて、消去データを復元し、共有サーバー内からの文章の取得を把握したという。
国見町は男性職員の行為を「町情報セキュリティ対策要綱及び町職員服務規程」に違反した・・という理由で処分を下したそう。
いかにも村社会が、やりそうな報復だなぁという印象。
第三者に漏えいしたわけではなく(国見町執行部にとって不都合な)資料を国見町に調査に入ってた監査委員に渡しただけだよね?
男性職員は処分は違法だと訴えたそうだけど、これは勝てそうな気がする
書籍の後の方で書かれていましたが、つぎの町長選で新しい町長になったときに男性職員は管理職に戻れたそうですね
公益通報って、職を失う覚悟のある人しかできないんですね。
こういう過疎地域というか村社会では秩序を乱す者を「正義の名の下に」排除する傾向があるという話は よく聞く。
たぶん、犯人さがしをはじめた人・処分を決定した人たちは自分たちは秩序を乱した者を罰しただけで、悪いことをしたなど1ミリも思っていなさそうな点も闇が深い。
だから利害関係のない第三者による判断が必要なわけですが。
百条委員会による9か月に及ぶ調査の結果が出た~結果はクロ


・国見町議会は臨時会で疑惑の救急車リース事業の検証結果をまとめた百条委の調査報告書を採択した
・報告書には行政による特定企業への便宜供与、利益誘導を認定とあった
・引地町長に出処進退の決断をうながす内容
議会の反省点としては・・
引地町長へ辞職を求めるのと同時に、チェック機能を果たせなかった議会の責任もあるとした。
不十分な説明を受けつつ、補正予算に賛成したことが結果として本事業の不透明な経過をたどる一因だったと。
さらに、今後このような問題が起こらないようにするためには「町民も」意識しなければならない。
この記事の執筆者(一般市民)もそうですが、結局自分の私生活が忙しいから政治に無関心になりがちなんですよね・・面倒ごとを企業に丸投げしてる自治体と一緒
「投票に行く者だけが石を投げなさい」という言葉がSNSで流行っていたけど最低限、投票だけでも行こうね
百条委と議会の決定をうけて・・
・国見町は救急車リース事業に関わった職員4人を減給や勧告の懲戒処分とした
・引地町長は事業の手続きには「瑕疵はなかった」とする考え方を改めると陳謝した
・引地町長は自身の給与を1ヶ月間の全額減給することで、幕引きを図ろうとした
・しかし議員たちから(町長の)減給だけでは処分が甘すぎるとの批判が相次いだ
・臨時会では町長の即辞職を求める声も上がった
・ワンテーブルの島田は社長職を辞任したあと、自ら創業したワンテーブルからも退職していたという理由から
たしかに1か月間の給与全額減額で町長職は続行というのは処分が軽すぎますね。
本来なら引地町長も自治体のトップとして自らの判断で相応の責任を取るべきなのだが、地位と権力を手放す気は毛頭ないようだった。
過疎ビジネスより
引地町長は、臨時会で しっかりとした再発防止策を考えることが一番大事だと訴えた。
しかし、河北新報が追求を始めてから、1年半以上も強引に疑惑を否定し続けた人物が言う言葉に説得力はなかった。
辞職しない理由を地位と権力を手放したくないからと決めつけるのは どうかと思いますが・・それにしても この書籍の著者って、引地町長のことが嫌いなのが凄く伝わってくる(^^;
やたらと町長の発言や行動を注視して、批判してるし。
まぁ唯一、証拠を提示されてもシラを切りとおした人物なので、嫌う人もいるだろうなという印象ですが。
問題が明るみに出た時点で町長が折れていたら(すべてを認めていたら)どうなっていたんだろう?と想像してみましたが、たぶん同じ結末になっていた可能性が高い。
批判されたり、あら探しされる期間が短くなるだけで結末(減給とクビ)は同じだったんじゃないでしょうかね。
・・というのを考えると、認めることのメリットが少ない。メンタルが強い人ならシラを切りとおした方が運よく真実をうやむやにできる可能性もあるから得と考えるでしょう。
余談ですが・・その後、国見町で新しい町長を決める選挙が行われたときの結果が書かれていました。
・立候補者は引地氏ふくむ3名
・元県職員の村上利通氏、現職の引地真氏、元町議の松浦和子氏
・投票率は78.81%
・村上利通氏(2515票)、引地真氏(2031票)、松浦和子氏(577票)
・村上利通氏が当選した
過疎地域だからなのか、投票率が異常に高いですね。
著者は有権者の6割が引地町長の再戦を望まなかったと強調していますが、一般読者の自分からしたら「問題を起こした町長に2000票も入るんだ?」という印象なんですが・・
過去に何かしらの成果を上げた、または(身内には)慕われていた町長だったんでしょうかね?引地氏は。
やっぱり国見町の町民も公金を無駄使いする等の(些細な?)問題には関心が薄いのかね
みんな私生活で忙しいだろうし
なんなら国見町町民の一部は過疎ビジネス事件があったことすら知らない可能性がある。全国で大々的に取り上げられた内容ならともかく。
たとえば、町長選で政策をアピールするとき「国見町で特別〇〇税を新たに設けて徴収します」とか、逆に「給付金をバラマキます」などの方がインパクトありますしね。
これらを候補者の誰かがアピールしたら、各々の投票数は結構変わると思われる。
自分の生活に直接関係のない政策より、関係ある政策に反応するのは忙しい現代人にとって当たり前の話ではありますね。
だからといって政治に無関心だと、このような不正が起きますよって話でもあるんですが・・。
まとめ:読み物として読むと面白い書籍でした(陰謀論には注意してください)


・企業によるグレーな節税話なので関心を持ちにくい点はある
・しかし、間接的に損をしてるのは国民
・何事も丸投げすると損をするという教訓を得られるかも?
・丸投げは良くないけど、だからといって人手不足がある以上は解決策も見当たらない
・投票に行くなど、ほんの少しでも政治には触れておくことが大事
少し前にC社による公金チューチュービジネスなんて言葉が流行っていましたが、過疎ビジネスもこれに含まれるのではないでしょうかね。
この記事の執筆者は正義の人ではないので「許せねぇ!」という感情より「頭のいい人たちは儲けるために抜け穴を探すのが上手いな」と、ある意味感心するような感想でした。
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