この記事の執筆者が選ぶマイベスト書籍TOP10に入っている「スイッチ!」「決定力!」を書いたチップ・ハース氏とダン・ハース氏のほかの書籍を読んでみました。

「アイデアのちから」という書籍です。
この書籍は発想力(アイデア)を鍛えるというより、記憶に残る文章を書く・記憶に残る言葉を生み出すための書籍という感じ。
コピーライティングや小説・マンガなどの物語を考える人や話者を生業としてる人、知り合いとの雑談にも使えるかもしれません(たとえ話などが上手くなるかも?)。
書籍で面白かった部分や気になった部分をネタバレありで紹介します。
・事実の羅列と都市伝説、どちらが記憶に残りやすいか?
・どんな文章にすれば記憶に残りやすくなるのか?
・6つの原則(単純明快・意外性・具体的・信頼性・物語性・感情に訴える)
・アイデア次第では ひねくれ者にも行動を変えさせることができる
・初心者の気持ちがわからなくなる知の呪縛とは?
事実の羅列と都市伝説、どちらが記憶に残りやすいか?

書籍内では「事実の羅列」と「都市伝説」が比較として出されていました。
言うまでもなく都市伝説の方が記憶に残りやすいという結論ですが、書籍内で紹介されていた都市伝説がホラーちっくで面白かったので紹介します。
書籍に書いてあった都市伝説の流れ(概要)です↓
・私たちの友人の友人であるデーブの話
・デーブは出張先(アトランティックシティ)で仕事を終え、地元のバーで1杯飲んでいた
・すると魅力的な女性が近づいてきて、デーブに酒を1杯ごちそうしてくれるという
・デーブは喜んで酒をいただく
・女性が持ってきたグラスに口を付けたデーブの記憶は そこで終わる
・デーブが次に目覚めたとき、ホテルの風呂の氷水の中にいた
・デーブが あたりを見回すとメモが1枚貼り付けてあった
・「動くな、救急車を呼べ」と書かれたメモ
・近くには携帯電話が置かれていたので、携帯電話を手に取り911番をプッシュする
・デーブは911番の電話に出た相手に状況を説明する
・すると電話に出た相手は状況を熟知してるようだった
・「いいですか、ゆっくりと気をつけながら、背中に手をまわしてみてください。腰のあたりからチューブが出ていませんか?」
・デーブは自分の腰のあたりを探ってみると、確かにチューブが突き出ている
・電話に出た相手は「落ち着いて聞いてください。あなたは臓器を1つ取られたのです。この町で暗躍する臓器狩り組織の犯行ですね。今、救急車がそちらに向かっています。動かずに待っていてください」
なに このホラー話
見知らぬ美女に声かけられるの怖い・・
これこそが記憶に焼き付く話だと著者たちは言っていますね
さらに「読んだ人々の行動を改める効果」もある
つづけて、非営利団体が配布した資料の引用(事実の羅列)です。
「包括的なコミュニティの構築は、必然的に既存の慣行を活かしてモデル化できる投資収益率の原理に役立つ」
「CCIへの資金の流れを制約している要因は、資金提供者が助成を行うにあたり、アカウンタビリティを確保するために、しばしばターゲット設定やカテゴリー化の条件に頼らざる得ない点である」
今度は眠くなるような文章だね
何らかのサービスや商品の利用規約とか重要事項説明とか、こんな類の文章が多いですよね
つまり人々の記憶に残りやすい文書には(確実ではないが)法則のようなものがあるという。
この「アイデアのちから」の書籍には、そんなノウハウが書かれています。
ふと思いましたが・・
逆に不都合な事実を絶対に発表しなければならない場合、後者のような「事実の羅列+難しい言葉」を連発すれば(不都合な事実を解読する根気のある人以外は)内容を煙に巻くことができるわけか・・(^^;
政治の場でもよく使われていますよね。
どんな文章にすれば記憶に残りやすくなるのか?6原則


あっさりしたユルい言葉を好むようになるのは自分だけ?(^^;
・単純明快である~ことわざが良い例で、単純さ+重み・深みが必要
・意外性がある~相手の予想を裏切る
・具体的である~抽象的な事実を具体的な言葉に置き換える「二兎を追う者は一兎も得ず」
・信頼性がある~相手に検証してもらう「投票する前に、あなたの暮らしが4年前より良くなったかどうか自問自答してください」
・感情に訴える~喫煙の悪影響は恐ろしい×→喫煙を勧めるのは大手タバコ会社の陰謀だ〇
・物語性がある~誰かの体験談は人の心に焼きつきやすい
ことわざって凄いですよね
子供のころは良くわからないものが多かったんですが、大人になると似たような経験をする機会が多く「ああ、こういう意味だったんだ」と理解できてくる
自分オリジナルのことわざを作るなら「本質」を見抜く目みたいなのが必要になってくるね
単純明快である~余計な部分を取り去る


書籍では、核となる部分(本質)以外は、すべて削ぎ落とす事と書かれています。
格安航空会社のサウスウエスト航空の話が紹介されていました。黒字を維持することが難しい航空業界の中でも何十年も黒字を維持してきた航空会社だそうです。
サウスウエスト航空の上層部からの指示(本質)は「我々は最格安航空会社である」のみ。余計な言葉は付け加えない。
つまり従業員は判断に迷ったり、新しい企画や機内サービスを思いついた場合、それは最格安航空会社になるために必要なのか?を基準に考えなさい・・という話ですね。
設計士が完璧さを達成したと確信するのは、それ以上付け加えるものがなくなった時ではなく、それ以上取り去るものがなくなった時
アイデアのちからより
イラストでも足し算より引き算の方が大事って、よく言われてるしね・・ひょっとして創作系は全て同じなのか?
余談:損を回避できる?~不確実性の罠


書籍には「不確実性の要素」があると、いつもならしない損な選択をしやすいと書かれていました。
・ある学校の学生にはクリスマス前に合格or不合格を決める重要な試験がある
・学生たちは試験に向けて勉強に励む
・学生たちは試験終わりの休暇の日程で行けるハワイ旅行の広告を見つける
・そのハワイ旅行は格安で申し込める
・学生たちは申し込みたいと思っている
・しかし、格安での申し込み期限は試験が終わる日である
・試験翌日以降の申し込みだと5ドルの手付金がかかる
・試験の結果が出るのは2日後
・あなたならどうするか?選択肢は3つ
①今すぐ申し込む
⓶今回は見合わせる
③試験の結果が分かってから決められるように2日後に決める(5ドルの手付金を払う)
大体の人が、試験の結果が分かってから決めたいと思うのではないだろうか?(旅行=頑張った自分へのご褒美として)
自分は貧乏性なので、(旅行好きだと仮定しても)たぶん③の選択肢は選ばない気がするけど・・5ドルもったいない精神
でも不確実性があると、いつもならスッと決められることに時間がかかるというのは確かにあるねぇ
さらに、上記の実験に手を加えてみる。2つの被験者グループに分けて、この「不確実さ」を取り除いてみた。
Aグループ:試験結果は試験を受けたその場で伝えられる
Bグループ:試験結果は2日後に伝えられる
Aグループでは、合格を告げられた学生のうち57%は旅行に行くことを決めた。ご褒美として。
残りの不合格を告げられた学生も、やはり54%が旅行を決断した。自分を元気づける良い機会だとして。
合格者も不合格者も半数以上が、その場でハワイ行きを希望した。
ところが、Bグループの学生たち(試験結果を2日後まで知らない)だけは全く異なる行動をとった。
半数以上の61%が5ドルの手付金を払って2日後まで待とうとした。
Aグループの実験結果から、半数以上が合格してもハワイに行きたい、不合格でもハワイに行きたいのに合格か不合格か分からなければ様子を見るというのはどういうことか?
これが不確実性の判断停止、または判断力の低下(損する判断)だと言われています。
「どっちにしても買うんだから買え」なんてよく聞きますが・・
こういう罠があるのを(直感的にでも)わかってる人は結構ソンしない選択肢を選ぶんですよね
おそらく、貧乏と金持ちの中間くらいの人が この選択ミスの罠にハマるんじゃないかと個人的には予測しています。大金持ちは欲しいものを片っ端から買う可能性が高いので別として。
バイトができない学生とか貧乏だった時期とかは、ちょっと高価なものが欲しいとき購入前に過剰なほど「それを持ってる自分」を想像したり、商品の知識が店員レベルになるまで調べたり、数日置いてから再検討したりと慎重なので。
さらに選択肢を増やす実験も紹介されていました。
①尊敬する作家の講演会に行く、ちなみに その作家が講演するのは今夜だけ
②図書館に行って勉強する
図書館に行って勉強すると答えたのは21%で、残り79%は作家の講演会に行くと答えたそうです。
さらに1つ選択肢を増やした実験では・・
①講演会に行く
②図書館に行って勉強する
③ずっと見たかった外国映画をみる
図書館に行って勉強をすると答えた人が40%に増えました。
勉強以外の魅力的な選択肢を1つではなく、2つにしたところ逆にどちらも選ばない人が増えた。
この行動は合理的ではないが、人間的だと言われていました。
この感覚を言語化できないけど、自分も多分②を選ぶかなぁ
優先順位的には①>②≒③とかかね?
①と③は娯楽に近く、②は自己鍛錬(将来への投資)みたいなものという区別はできますが・・上手く言語化できない(^^;
①は期間限定だけど③は多少でも期間に余裕がありそうなど、色んな思考を積み上げることはできますが、この記事の執筆者は直感的には②を選びそうです。
まえに読んだ決定力!という書籍でも似たような実験が紹介されていましたが、決定力!では商品の選択肢が多すぎると客が選択マヒに陥り売上が落ちるという話でしたね。
※ただし、2択ではなく3択くらいにすると、より良い選択ができるのだとか(今回読んだ書籍と、ちょっと違いますね)
なので「アイデアのちから」では核となる目標・目的が必要だと書かれています。
米国のある地域新聞社は、新聞紙の売上100%超をたたき出しています。
※新聞の購入が1世帯に1部ではなく、たとえば4人家族で2~3部購入とかがあるらしい
その新聞社の核となる目標は「人名、人名とにかく人名」というもの。
自分たちの地域に関係があること以外は書かないという核となる決まりがあるそうです。つまり、その地域にいる人たちの名前を出して記事にしている。
たとえ米国のどこかに隕石が降ってきても、自分たちの地域に隕石が降ってきてないなら記事にしないという。
自分のことが記事になってたり、知り合いが記事になってたら思わず その新聞を買ってしまう心理ですかね
そういえば昔、描いたイラストが雑誌に載ったときに、その雑誌を購入してたなぁ
こういうのって、時代と共に需要が変化したときに どうするんだろう?って疑問はあるね
客の需要って変化するのが定石だし
ネット上の記事は何十年もしたら消えることも多いですが、新聞記事なら保存さえ完全防備していれば消えることはないという心理もあるんでしょうかね?
ちなみに上記の新聞社のカメラマンの場合「人名、人名とにかく人名」と言われても、人の名札を撮影するわけにもいかないので、文字通りの意味はないそう。
だが人名=地域の人々の行動を追うことが自社に成功をもたらすとすれば、どこにシャッターチャンスがあるのかが自ずと分かってくる。
退屈な委員会審議の様子と、公園から見える美しい夕日のどちらを写すべきかが。
「正確なアイデア」と「正確ではないが分かりやすいアイデア」の違い


前述しているサウスウエスト航空の話が再度でてきました。
本来、サウスウエスト航空の1番の目的は「株主利益を最大化すること」で、「最格安航空会社になること」ではありません。
CEO(最高経営責任者)の核となる考えなら「株主利益の最大化」でいいんですが、航空会社で働く従業員には「株主利益の最大化」ではピンと来ない。
・株主利益の最大化は正確だが、サラダチキンを出すかどうか(費用と手間がかかる)の判断には役立たない
・最格安航空会社というメッセージの方が従業員として働く人たちには理解しやすい
・正確だが役立たずのアイデアは やはり役立たない
「すべてを完璧な正確さで今すぐ伝えたい」と誰でもそう思ってしまうのだが、本当は役立つ情報だけを与え、追加情報は後から小出しにすべきなのだ
アイデアのちからより
ディズニーランドの話も少し紹介されていました。
・ディズニーランドでは従業員を「キャスト」と呼ぶ
・従業員を演劇の役者に見立ててた比喩は全社的に用いられている
・キャストは採用面接ではなく、役をもらうためのオーディションを受ける
・園内を歩くときは舞台にいるのと同じ
・ディズニーランドを訪れる人々は顧客ではなく、ゲストである
・仕事はパフォーマンス(演技)、制服は舞台衣装である
ディズニーランドは1回だけ行ったことあるけど、「演劇の役者」と言われるとシックリ来るなぁ
あの人たちの接客は日本一だと有名だしね
接客で必要なのは「演技力」ということですね。
ディズニーランドの対比として、サンドウィッチチェーンのサブウェイが出されていました。
・サブウェイの従業員は「サンドウィッチ・アーティスト」と言われるそう
・しかし、従業員が取るべき指針には合っていない
・アーティスト=個性を発揮する芸術家
・サブウェイの従業員が服装や接客、サンドウィッチ作りに個性を発揮したらどうなるか?
・おそらく、すぐにクビになる
・サンドウィッチに使う具材の容量が決まっているのに、個性的な盛り方もできない
「サンドウィッチ・アーティスト」・・サブウェイの経営者や役員が名前や響きがカッコ良さそうだから付けた説(^^;
マニュアルがある仕事に関しては、アーティストを指針にするのは厳しそうですね
この記事の執筆者はサブウェイは利用したことがありませんがWebサイトを見た感じだと、マクドナルドより少し お高め・レタスやトマトなど野菜が取れる・提供は早い?遅い?・接客レベルが高い?・・このへんをヒントに指針を考えるといいのかな。
意外性がある~要約力が大事


5人家族で車に乗ってワイワイする雰囲気から突如、交通事故にあう衝撃映像→「事故に注意せよ」というメッセージやら過剰なほどの接客をする高級デパートの話など意外性の効果が紹介されていました。
個人的に1番おもしろかったのが、ジャーナリズム基礎講座の話。
講座では「つぎの文章を読んで新聞記事のリード文を書いてください」という課題がジャーナリストの卵である生徒に出されていました。
※新聞に限らずですが、記事はリード文(導入部分)が もっとも重要だといわれています、リード文がイマイチだと途中で読むのを止めてしまう読者が多くなるため
書籍に書かれていた課題を抜粋しています(おもに事実の羅列です)↓
「ビバリーヒルズ高校のケネス・L・ピータース校長は今日、次のように発表した。
アイデアのちからより
来週木曜、同校の教員全員がサクラメントに行き、新しい授業法の研修を受ける。
研修会では、人類学者のマーガレット・ミード、大学の学長であるロバート・メイナード、ハッチンス博士、カルフォルニア州知事のエドマンド・パット・ブラウンらが講演を行う」
大半の生徒は上記の事実の羅列の順番を入れ替えたリード文を書いた。
しかし、正解のリード文は「来週の木曜日は休校となる」だそうです。
米国と日本の学校は違うし、情報が足りないから思いつかなかったですが、重要な情報を抜粋して要約する力や言い換える力って大事ですよね
足りない情報は例えば、教員全員が研修を受けるのが夕方~夜なら休校にする必要がないしね(米国の労働法とかで、それはないのかな?)
「午前10時から夕方まで全教員が研修を受ける」と書かれていたら気づけたかもしれない
自分が現役で上記高校の生徒なら、「じゃあ来週木曜日は休みだ!やったー!(^^)」と喜んでいた可能性が高い。
この講座を受けて現在記者になった人は「あの瞬間、ジャーナリズムとは事実を反復することではなく、ポイントを見つけることだと気づいた」そうです。
誰が・いつ・どこで・どのように・何をしたかを知っているだけでは足りない。それが何を意味するか?なぜそれが重要か?を理解する必要があると。
現在は時短&脳の処理能力の節約のためにAIを活用して文章を要約する人が増えていますが、自分で要約する力が弱くなると どんな未来になるんでしょうかね?
記事を書くための調べものに要約AIを使ってる自分がいうのもなんですが、必要な情報の抜粋と自分の意見は なるべく付けるようにしています(^^;
具体的である~範囲を広げすぎない


この章で1番なるほどと思ったのが、範囲を広げすぎないという事。
前の方で書いてる選択肢を広げすぎると、選択マヒが起こるのと似ているかもしれません。
・2つの問いに それぞれ15秒以内で答えてください(※書籍では「書いてください」になっています)
・第①問:白いものを思いつく限り答えてください
・第②問:冷蔵庫の中の白いものを思いつく限り答えてください
①と②のどちらが多く答えられたでしょうか?
たいていの人は①と②同じくらい答えられたと思います。
しかし、不思議なことに範囲を絞った②の方がより多く思いついたという人がいるくらいです。
冷蔵庫に入ってる物の数が限られていることを考えると驚異的な結果だ。
アイデアのちからより
単なる白いものの方が多く書き出せた人でさえ、たいてい冷蔵庫の問題の方が簡単だったと答える。
なぜだろう?それは具体的であることが脳の力を動員し、焦点を絞り込ませるための一手法だからだ。
白いものというと漠然としてるけど、冷蔵庫の中なら想像しやすいしね→牛乳・ヨーグルト・豆腐・豆乳・大根・白米・白身魚とか・・卵は殻が白い
冷蔵庫縛りで思いついたのが多い人って、たぶん普段から料理してる人でしょうね
信頼性がある~権威がない人にも信頼性を持たせる方法


医者のような専門家や有名人が信頼性があるのは当然ですが、本来権威がない人に権威を持たせる方法があるという。
「新しいシャンプーが髪にコシを与えますと訴えるコマーシャルより、新しいシャンプーで髪にコシが出た!と喜ぶ親友の言葉の方が信頼性がある」
企業はシャンプーを売りたがっているが親友は そうではない、だから親しい人のいうことは信頼性が高い。
公平性の観点からって感じかね?
「その言葉(宣伝)で誰が得をするのか?」を考えれば、そりゃそうだ
いまはSNSでも一般人を装ったステマ・アフェリエイトが流行ってるからアレですが、本当に身近な人なら信頼できますよね
※ステマ・アフェリエイト→企業から金や何らかの報酬をもらい宣伝する人たちのこと
※一応、このブログもアフェリエイトをやっていますが、最初の方にPRとして書いています
想像力をかき立てて信頼性を高める


あとは「想像力」をかき立てて、信頼性を高める手法が紹介されていました。
・実験として模擬裁判(台本を読み上げる)を行う
・被験者は陪審員役でAとBグループに分けられる
・模擬裁判の内容はJ夫人が母親としての適性があるかを評価し、7歳の息子の養育権を引き続き認めるかどうかを判断する
・模擬裁判はJ夫人に「有利な内容」と「不利な内容」が、それぞれ8つずつ読み上げられる
・両方の内容の大まかな部分は同じだが、片方に鮮明な描写を加えた場合どうなるか?をみる
・Aグループには「有利な内容」に鮮明描写が加えられる、「不利な内容」には鮮明描写なし
・Bグループは「不利な内容」に鮮明描写が加えられる、「有利な内容」には鮮明描写なし
・有利な内容の例→J夫人は寝る前に息子に顔を洗わせて、歯を磨かせる
・有利な内容の鮮明描写の例→上記の内容にプラスして、子供が使っているのはスターウォーズのダースベイダーの形をした歯ブラシ・・という情報が加えられる
・不利な内容の例→子供が転んで擦り傷を作ったときに消毒や手当をしなかったので、学校の看護師が手当てをした
・不利な内容の鮮明描写の例→看護師が子供の手当てをするときに赤チンをこぼして、白衣に赤いシミができた・・という情報が加えられる
・A(有利な内容が鮮明)、B(不利な内容が鮮明)グループは内容をそれぞれすべて読み上げて、10点満点でJ夫人を評価する
・結果Aグループ5.8、Bグループ4.3だった
・細部の描写が結果に影響を与えた
著者も言ってるけど・・一見、全然関係なさそうな細部描写が他者の心(判断)に影響を与えてるね
だから小説は情景描写とかが詳細なんですね
ダースベイダーの歯ブラシと聞けば少年が洗面所で嬉しそうに歯を磨く様子が頭に浮かび、その結果J夫人は良い母親だという思いが強まる。逆も然り。細部描写が内容の信頼性を高めた例。
ただし、細部描写は何でもいいわけではない。印象的で人間味があり、意味のある細部または核心に迫る細部でなければならない。
こういう人間味のある細部描写って多分、AIは苦手そうなので人間にしか生み出せないんじゃないかなと思いました。
感情に訴える~大勢より個人?


この章で1番「なるほど」と思ったのが、人は大勢には寄付しないが一個人には寄付したがるという話。
小さい規模であるほど寄付したがるのは何となくは理解していましたが、その理由までは考えたことがなかった。
書籍には思考が分析的(統計的)になると、感情的になりにくくなる。すると寄付したい気持ちが薄れると結論付けられています。
以下は感情に訴えられるほど寄付額が増えて、分析思考になるほど寄付額が減る実験内容↓
・被験者たちを2つのグループA、Bに分ける
・被験者たちは簡単なアンケートに答える代わりに謝礼金5ドルを受け取る
・Aグループを分析的な思考にするため「ある物体が分速1.5mで移動する時、この物体が360秒で何メートル移動するか計算してください」という問題を解かせる
・Bグループを感情的な思考にするため「赤ちゃんという言葉を聞いた時に感じることを一言で表現してください」という質問をする
・被験者たちは謝礼金を受け取った後、生活苦の一人の女の子ロキアの手紙と寄付するための申し込み用紙を渡される
・あらかじめ分析的な思考状態に置かれたAグループは、寄付の額が少なかった
・あらかじめ感情的な思考状態に置かれたBグループは、寄付額が最初の調査とほぼ同じ平均2.23ドルだった
・対して、計算してからロキアの文面を読んだAグループの寄付額は平均1.16ドルだった
・計算しただけで慈善意欲が低下する、これは衝撃的な結果
・いったん分析という思考に入った人は感情に訴えられた時の反応が変わってしまう
・感じる能力が削がれてしまう
寄付と物の購入は ちょっと違うのかね?
店で良さそう服をみつけて購入しようか考えてるときは分析と感情の両方を使うよね
値段の比較や長く着られるか考えたり(分析思考)、直感的に欲しいとか誰かに自慢できるとか考えたり(感情)ですね
この記事の執筆者も分析思考の傾向が強いですが・・分析ばかりしてる科学者は冷酷とかマッドサイエンティストとか言われてるのは意外と的を射てる感じなんですかね・・(^^;
この記事の執筆者は感情に訴えるフィクションの物語(マンガやストーリー性のあるゲームなど)の両方が好きですがね。
たしか感情と分析は右脳と左脳で役割が分かれてるらしいので、何か関係してるんでしょうかね?
罰することなく、ひねくれ者の感情に訴える戦術


反抗的・ひねくれてる人間に罰や暴力を使わずに行動を変えさせるライフハックが書かれていて勉強になりました。特におもしろかった話を2つ紹介します。
①10代の若者に喫煙をやめさせたい
②テキサス州でゴミのポイ捨てをやめさせたい
書籍では、まずターゲットとなる人物像を明確にする事とありました。
①の例だと、タバコを吸う10代の若者=世間や権威に反抗的という感情を逆手にとってメッセージを考えています。
かつて若者はタバコを吸うことで反抗したが、大手タバコ会社が欺瞞に満ちているという構造を巧みに描いた真実キャンペーンによって若者は今やタバコを吸わないことで反抗するようになった。
アイデアのちからより
真実キャンペーンが求めているのは理性的な判断ではなく反抗だ。
多くの若者が このメッセージを心にかけ、吸わないという行動を起こした。
タバコを吸わせるのは「タバコ会社の陰謀だ!」ということにしたわけですね
陰謀論の使い方が上手い
何らかの罰を与えたり、タバコは身体に悪いというメッセージより「お前は騙されているぞ」・・というメッセージの方が反抗的な若者に刺さりやすいと。
こういうコピーライティングを考える人って、すごく頭がいいなと思いました。若者を手の内で転がしてる(^^;
10代くらいの若者ならストレスでタバコを吸うというより、「興味」や親や周囲に「反抗したい」からタバコを吸うって感じか
②のテキサス州でゴミのポイ捨てをやめさせたい例だと、ゴミをポイ捨てしている人物像は どんな感じなのかを探る。
書籍内の分析だと「小型トラックを運転し、スポーツとカントリー音楽を好み、権威者を嫌う18~35歳のいかつい男性」だそうです。日本と国は違いますが、なんとなく想像がつきますね(^^;
こういう人物に可愛い自然動物がゴミのポイ捨てをやめるように訴える広告を作ったり、テキサス交通局の職員がゴミのポイ捨てをやめるように頼んだところで聞く耳を持たない。
ゴミを捨てないことへのメリット(自己利益)を訴えても、本人の手間がかかるだけで効果がなさそう。
高い罰金などの懲罰で不安に訴える方法も考えられたが、権威に逆らいがちな人物には通用しそうにない、むしろ逆効果のおそれさえある。
解決策としては「テキサスを怒らせるなよ(テキサスを散らかすなと同じ英語表現を使った洒落)」というメッセージを彼らが好きなスポーツ選手やカントリー歌手を使って出したそうです。
この取り組みは大成功し、1年も経たないうちに散乱ゴミは29%減り、5年で路肩に目につくゴミは72%減り、州内の道路沿いに捨てられた空き缶は81%減ったそうです。
やっぱり、尊敬してる人のいうことは聞いちゃうものかね?
スポーツ選手の中には、彼ら(ゴミをポイ捨てする男性)が理想とするような男らしい人物も含まれていたそうですね
人々の利益(メリット)に訴えても効果がない場合もある?


・人種差別是正(ぜせい)措置に対する意見は白人も黒人も損得勘定抜きだった
・失業者の全員が不況対策に賛成するわけでもない
・医療費に困ってる人々が手厚い保険に加入している人々より、政府の医療保険制度案を支持するわけでもない
・子供を公立学校に通わせる親が そうでない人々より政府の教育補助金を支持するわけでもない
・徴兵される可能性のある人々が そうでない人より軍事介入や紛争激化に反対することもない
・勤めに出ている女性も専業主婦も働く女性への支援策を同様に支持している
多様な問題において自己利益がほとんど重要性を持たないと書かれています。
では自己利益を支持してないなら「誰の利益を支持しているのか?」その答えは複雑だそうです。
自分個人の意見としては賛成だが、立場上(職業上など)は反対せざるを得ない場合や自分が属しているコミュニティの意見を尊重する場合もあるのだとか。
あるいは自分の利益にはなってもアイデンティティを否定するようなことは拒否したり→たとえば警察官など公職の人に(罪には問われないレベルの)謝礼を申し出たら激怒されるような例もあるのだとか
まぁ政治的な話に関しては、知識がないから沈黙しているだけの人もいそうだけどね
データや前提知識(メリットやデメリット含む)がないと、賛成も反対も自分の意見をいうこともできないですしね
雰囲気で何かを言ったりするくらいでしょうか?
一部の人は有名な〇〇さんが言っていたから支持したり、賛成したりするんでしょうけど・・(^^;反対の場合も同様に。
物語性がある~物語は人々に影響を与える


この記事の執筆者が1番印象に残っている物語が前述している臓器狩りの都市伝説ホラーなので特に引用する話はないですが、物語を作るときは3つの方法があると言われています。
①挑戦の筋書き~逆転の物語など
②絆の筋書き~誰かを元気づけるような物語など
③創造性の筋書き~ひらめきの物語など
小説とかマンガ、ゲームシナリオなどを考える時にも使えそうだよね。この3つ
創造性の筋書きは「頭にリンゴが落ちてきて、ニュートンが引力の法則を見つけた例」などが当てはまるそうです
感動する物語(絆の筋書き)を読んだ後は人に優しくしようという気持ちに一瞬なるし、挑戦の筋書きの例はスラムダンクを読んでバスケを始める人がいたり、物語は読み手に影響を与えてますよね。
ほかに参考になったのは以下↓
巷であふれる一般向けの心理学の本の多くは成功した自分をイメージしなさいと勧めている。
アイデアのちからより
だが実際にはポジティブ思考だけでは解決にならない。
お金持ちになる方法を指南するならリッチになった自分を想像しようと勧めるより、貧乏になった経緯を思い出そうと勧めるべきかもしれない。
トラウマ(PTSD)克服の医療行為でも辛い過去をあえて思い出させて、治療する方法が取られていますしね。
いま貧乏ではないけど、お金持ちになりたい場合は どうするのか?って疑問は ありますが・・(^^;
この場合は平均的な生活水準になった経緯を思い出せばいいんでしょうかね?
余談:「知の呪縛」の罠→アイデアを阻害するもの


書籍には素晴らしいアイデアを阻害する「知の呪縛」という罠が隠されていると書かれています。
固定観念に縛られて斬新なアイデアが出てこないとか、ある分野の専門家が素人に専門知識を教えるときに素人の気持ちがわからなくなる(素人だったときの気持ちがわからなくなる)現象等ですね。
書籍には「聴き手」「叩き手」という音楽を当てる実験が紹介されていました。
叩き手の役割:有名な音楽を120曲の中から選ぶ、その曲のリズムを机をトントン叩いて刻む
聴き手の役割:叩き手のリズムを聴いて、その曲を当てる
この実験での正答率は約2.5%だったそうです。
しかも叩き手は、聴き手の正答率は50%くらいだろうと予測していたと書かれています。
音楽を当てるゲームは、叩き手と聴き手の両方が多少なりとも音楽に詳しくないと当てるのが難しそう
120曲の中からだからね
自分は音楽センスがないので、叩き手役も聴き手役も務まらなそう・・(汗)
アイデアは時間の流れと共に変質する?


・いい人は七位で終わる→いい人はビリで終わる
・「基本だよ、ワトソン君」→実際にはシャーロック・ホームズは そんなことを言っていない
前者はアメリカの野球の監督が発した言葉(実際はもっと長い言葉だった)が色んな所で引用されて変質・単純化していったもの。
後者はホームズが「言いそうなこと」を読者が勝手に想像しただけの話。
アイデアを記憶に焼き付けるかどうかを決めるのは聞き手だと言いたかったからだ。
アイデアのちからより
聞き手がアイデアの意味を変えてしまうこともあれば、より良いアイデアにしてくれることもある。
一部のアイデアを残し、他を捨ててしまうこともあるのだ。
作り手の感覚としては・・
・誰でも自分のアイデアには「こだわり」を持っている
・自分が描いたままの形で生き延びてほしい
・聞き手がアイデアを変えてしまった時には、ひたすら否定し続けてから ようやく受け入れる
・いずれにしても聞き手の解釈は自分のメッセージの核を保っているかを自問する必要はある
・核が保たれているなら謙虚に聞き手の判断を受け入れるべき
・創造者として成功したかどうかは模倣や引用の回数よりも自分の目標を達成できたかどうかで決まる
原作がマンガでドラマやアニメ展開とかするときとか、原作者は大体改変を嫌がるよね
だから原作者が大切にしてる「核(一番伝えたいメッセージ)」は改変したらダメなんですよね
自分なら どう考えるんでしょうかね・・。
有名人がよくやられていますが、変な部分のみ切り取られて(前後関係の言葉は無視されて)炎上とかは勘弁してほしいですね(^^;
まとめ:広告や創作に携わるような方々に役立つ書籍


・キャッチコピーは ことわざから学ぶ
・文章を要約する力や重要な部分を抜粋する力が大事
・メッセージを工夫をすれば曲者にも行動させることができる
・知の呪縛の罠に気を付けよう
・アイデアは時と共に変化する
ちょっと長めの書籍ですが、面白い部分も多かった。
漫画家や小説家などストーリーを考える人や広告の文章を考える人、経営理念などを考える人、管理職の人に役立つ書籍だと思いました。
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